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10歳

48ページ:許可が出たようなので

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 それから待つこと30分ー
戻って来た王太子殿下から、国王陛下の許可が出たことを聞いた。

「本当に、姫君にご負担ないのなら、お願いしたいと父上は申しております・・・」

「良かったです。処理が遅くなって、他に被害が出たら大変でしたから」

 一応、お守りは付けてもらっているけど、あれは1回しか効力がないし。

「あと・・・申し訳ないのですが、結果を父上に報告する関係上、私も同行させて貰いたいのだが・・・」

「シエル!ジョシュアが行くのなら、僕も一緒に行くよ!」

 王太子殿下の申し出に、アル兄様が慌てて話に割り込んできた。

 いや、遊びに行くんじゃないんだよ?
2人も連れて行って、私の負担が大きくなるとかは思わないのかな?まぁ、負担ないけど。

 別にアル兄様を連れて行かなくても、うちのお父様への報告は私で事足りる。
 しかし、連れて行かないと、何かめんどくさいこと言い出しそうだ。

 うん。めんどくさい。
お父様とお母様の溺愛は嬉しいだけだけど、アル兄様のはちょっとめんどくさい。

 よし。連れて行こう。
どっちにしろジョシュア殿下は連れてかなきゃいけないのなら、1人も2人も一緒だ。

 入れ違いに、王宮にちょっかい出されても困るから、防御魔法をかけといて、誰も出入り出来ないようにしとけばいいか。

「シャンティーヌ様。お渡しした《お守り》を貸していただけますか?」

「は、はい」

「王太子殿下は、付けていただいていますね?」

「え?あ、ああ」

 シャンティーヌ様はブローチ型のお守りを外して私へと渡し、ジョシュア殿下は胸元からペンダント型のお守りを見せた。

 よし。これで、ジョシュア殿下に危害が加えられた場合は、うちへ転移される。

 ん?いや、ちょっと待て。
私もアル兄様もいない王宮に、他国の王太子が転移して行くの、マズくない?

 いや、お父様たちには話してあるからOKか?

 うーん。うーん。
ま、いっか。どっちにしろ、私がいてジョシュア殿下やアル兄様に危害が加えられることはないし。

 となると、この王宮の防衛だよね。
シャンティーヌ様に渡していた魔法具の術式を書き換えて王宮の防衛にしよう。

 魔法具をわざわざ作らなくても、直接魔法はかけれるけど、媒体を使った方がより増幅されるって、教本にも載ってたし。

 とりあえず、このお城に危害が加えられても傷もつかないようにするのと、あとは誰も出入り出来ないようにしとこう。

 伯爵に堂々と入ってこられたら困るし。
これは私より上位でない限りは破られない。

「シャンティーヌ様。この魔法具を持っていて下さい。これは、この王宮から誰も出入り出来ないようにしてあるのと、王宮自体を保護する魔法を組み込んでいますから」

「出入り出来ないように?」

「ええ。敵に堂々と入ってこられたら困りますからね。逆に、出て行かれても守りきれません。ほんの少しの辛抱です。すぐに戻ります」

「はい。お気をつけて・・・ジョシュア様も、必ずお帰りになって下さいませ」

 あ。私をそっちのけで、甘い空気が・・・
いや。いいけどね。夫婦なんだし。




 



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