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7歳

19ページ目:報告という名の甘やかし

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 城に戻って、買ってきたお菓子と共にお茶の準備をする。
 いや、まぁ、お茶の準備をするのはエミリーだけどね。

 そしてお金を出したのは兄様なので、実質、私は何もしていない。
 いうならば、ただのお使いをしただけだ。だというのに、お父様もお母様も大喜びで、エミリーをはじめ他の使用人たちまで私を褒め称える。

 いや。
初めてのお使いですら、1人で行くんだけど?しかも、私より幼い子が。
 私は、兄様と護衛の人と一緒だし、お使いというのもおこがましいんだけど。

 でも、喜んでくれてるみんなに水を差す発言はしない。
 どちらにしろ、私が1人で買い物に行くことは叶わないだろうし。

「可愛いシエルちゃんが買って来てくれたと思うだけで、食べるのがもったいないわ」

 いや、お母様。食べないと傷んでしまうからね?

「ああ。私の天使自ら、買って来てくれるなんて。その店は王家御用達に認定しようか」

 あのね、お父様。そんなんで王家御用達にしてたら、そのうち、街中のお店がそうなっちゃうよ?

「シエル様。私たちの分まで、ありがとうございます」

「うん。エミリーにはいつもお世話になってるのです。みんなと分けて食べてくださいなのです」

 さすがに他のお客さんもいるので、目当てのケーキを買い占めるわけにもいかず、目当てのを含めて他のも買ったのだ。
 私のお世話をしてくれているエミリーや、他の使用人の分にと。

 私のお金でないところが、心苦しいけれど。この先、魔法具とか作ってお金稼げないかな。

「叔父上。ブロワー伯爵家の3男マモンが僕の可愛いシエルに暴言を吐きました。如何いたしましょうか」

「何っ?我が天使に暴言だって?」

「ええ。僕の顔も覚えてなかった阿呆です。護衛に、一緒にブロワー伯爵家に行くように言いつけましたから、後ほど伯爵が訪れると思います」

「まぁぁ!シエルちゃん、怖かったわね」

 お母様が私を抱き上げて、頭をヨシヨシと撫でてくれる。

 いや。怖くなかったけどね。
むしろ、私が煽ったというか、発端というか。

 しかし、本当この家族は、私に甘いなぁ。こんな甘やかしてたら、傲慢というか我儘になっちゃうよ?

「それと、シエルの魔力は風と水の魔力で、数値は35でした。教皇様は、随分とがっくりされていましたよ」

「まぁ!シエルちゃん、2つも属性を?すごいわ」

「さすが私の天使だ。その年齢で35もあるなんて」

「これでロイに付き纏われないで済むわね。良かったわ。私たちの大切なシエルちゃんを教会の道具になんてさせるもんですか」

 あれ?
お母様、気付いてたんだ。そっか。だから、ロイ叔父様がしつこく言って来ても、断ってくれてたんだ。
 そっか。そっかぁ。
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