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心の刺(シオンside)
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僕の腕に抱かれたまま、レティシアは意識を失うように、眠りについた。
レインハルトの最後を聞いた時、レティシアは息すらできない様子だった。
声をかけても、届いていないような、またこのまま意識を失ってしまうんじゃないかという、恐怖に、僕は、レティシアに深く口づけた。
吐息までも奪うほど、深く、深く。
「・・・っ、ゲホッ、ゲホッ」
咳き込む彼女の背中を、優しく撫でると、ようやく呼吸ができてきたようだ。
僕と、お祖母様は、レインハルトが何故、断罪されなければならなかったのか、何故それが、処刑という厳罰だったのか、レティシアに語って聞かせた。
全て話し終えた時ー
レティシアの目から、大粒の涙が溢れた。
レインハルトは、考えなかったのだろうか。自分のことで、彼女が涙を流すことを。息が出来ないほどの、衝撃を受けることを。
僕が7歳のとき、弟は産まれた。
父上によく似た、金髪に青い瞳の、弟。小さい頃は、いつも僕の後ろをついてきた。甘えん坊で、僕が学園に入学すると、大泣きしていた。
卒業する頃には、やんちゃで悪戯好きになっていたけど、それでも、僕にとっては、可愛い弟だった。
父上たちにとっても、可愛い息子で、可愛い孫だったと思う。
レインハルトが、自分の行動を反省してくれていれば、せめて、相手がレティシアでなければ、減刑できていたのに。
たったひとりの、僕の弟。
父上たちにも、僕にも、そしてレティシアにも、その刺は、心の奥底に刺さった。
きっと、死ぬまで、血を流し続ける。
レインハルトの最後を聞いた時、レティシアは息すらできない様子だった。
声をかけても、届いていないような、またこのまま意識を失ってしまうんじゃないかという、恐怖に、僕は、レティシアに深く口づけた。
吐息までも奪うほど、深く、深く。
「・・・っ、ゲホッ、ゲホッ」
咳き込む彼女の背中を、優しく撫でると、ようやく呼吸ができてきたようだ。
僕と、お祖母様は、レインハルトが何故、断罪されなければならなかったのか、何故それが、処刑という厳罰だったのか、レティシアに語って聞かせた。
全て話し終えた時ー
レティシアの目から、大粒の涙が溢れた。
レインハルトは、考えなかったのだろうか。自分のことで、彼女が涙を流すことを。息が出来ないほどの、衝撃を受けることを。
僕が7歳のとき、弟は産まれた。
父上によく似た、金髪に青い瞳の、弟。小さい頃は、いつも僕の後ろをついてきた。甘えん坊で、僕が学園に入学すると、大泣きしていた。
卒業する頃には、やんちゃで悪戯好きになっていたけど、それでも、僕にとっては、可愛い弟だった。
父上たちにとっても、可愛い息子で、可愛い孫だったと思う。
レインハルトが、自分の行動を反省してくれていれば、せめて、相手がレティシアでなければ、減刑できていたのに。
たったひとりの、僕の弟。
父上たちにも、僕にも、そしてレティシアにも、その刺は、心の奥底に刺さった。
きっと、死ぬまで、血を流し続ける。
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