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やっぱりお兄様が犯人ですのね
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「それが罰なのか?」
ユリウス様も疑問に思われたみたいです。
そうですよね。それで婚約者を見つけてきたら、罰なんてなかったと同じことではないでしょうか?
「グラナード様はあの場にいらっしゃらなかったのでお分かりにならないでしょうが、ミリムが婚約破棄を告げられたのは、ジャグリング公爵令嬢であるセシリアの誕生日パーティーだったのです。当然、高位貴族のご令嬢方がパーティーには参加されていました。その場で、あのデルモンド侯爵令息は、私を相手に婚約破棄を宣言したのです」
「それは・・・」
「ええ。普通ならあり得ないことです。自国の王女の顔を知らないなんて。まぁ私は公の場にはほとんど出ていませんでしたから、ギリギリそれは目を瞑ることも出来ますわね。ですが、同時にそれは婚約者の顔も覚えていないということを皆様に知らせたということです。確かにデルモンド家は侯爵家ですが、あの場に呼ばれていたのはほとんどがご令嬢。そのご令嬢の婚約者のみがエスコート役として参加を許されていました。ただのエスコート役が、公爵令嬢の誕生日パーティーで婚約破棄を告げたのです」
ええ。私もびっくりしました。
そもそも家と家の契約である婚約を、当人とはいえ家長の許可なく破棄を告げること自体おかしいのですが。
セシリア様と、ジャグリング公爵夫妻様に申し訳なくて。
十歳のお誕生日はあの日だけでしたのに、その大切な記念日に汚点を付けてしまいましたわ。
「お姉様?あの日も申し上げましたけど、とても面白い余興でしたわ。あんなこと、きっともう見ることは叶いませんもの」
「そうね、セシリア。あんな馬鹿がそう何人もいたら、この国のお先は真っ暗だわ。で、話を戻しますけど、高位貴族の令嬢は馬鹿ではありません。婚約者と自国の王女の顔もわからず、招かれてもいないパーティーの衆人の前で婚約破棄を告げるような馬鹿を婚約者にしたいと思うでしょうか?婚約者が見つからなければ、あの馬鹿は必ず、ミリムと婚約をしようとします。しかも上から目線で何か言って来るでしょう。妻を口説こうとする輩を、グラナード様は放置したりしませんよね?」
ラナリス様?それは、ユリウス様にデルモンド子息様をどうにかしろとおっしゃっていますの?
私は嫌なのですが?あの方とユリウス様が関わりになるのは。
チラリとお兄様を見ると、ニヤニヤとしていらっしゃいます。
この案の発案者はお兄様ですのね?
「私は反対ですわ。私自身もデルモンド子息に関わりたくないですし、ユリウス様にも関わって欲しくありません」
ユリウス様も疑問に思われたみたいです。
そうですよね。それで婚約者を見つけてきたら、罰なんてなかったと同じことではないでしょうか?
「グラナード様はあの場にいらっしゃらなかったのでお分かりにならないでしょうが、ミリムが婚約破棄を告げられたのは、ジャグリング公爵令嬢であるセシリアの誕生日パーティーだったのです。当然、高位貴族のご令嬢方がパーティーには参加されていました。その場で、あのデルモンド侯爵令息は、私を相手に婚約破棄を宣言したのです」
「それは・・・」
「ええ。普通ならあり得ないことです。自国の王女の顔を知らないなんて。まぁ私は公の場にはほとんど出ていませんでしたから、ギリギリそれは目を瞑ることも出来ますわね。ですが、同時にそれは婚約者の顔も覚えていないということを皆様に知らせたということです。確かにデルモンド家は侯爵家ですが、あの場に呼ばれていたのはほとんどがご令嬢。そのご令嬢の婚約者のみがエスコート役として参加を許されていました。ただのエスコート役が、公爵令嬢の誕生日パーティーで婚約破棄を告げたのです」
ええ。私もびっくりしました。
そもそも家と家の契約である婚約を、当人とはいえ家長の許可なく破棄を告げること自体おかしいのですが。
セシリア様と、ジャグリング公爵夫妻様に申し訳なくて。
十歳のお誕生日はあの日だけでしたのに、その大切な記念日に汚点を付けてしまいましたわ。
「お姉様?あの日も申し上げましたけど、とても面白い余興でしたわ。あんなこと、きっともう見ることは叶いませんもの」
「そうね、セシリア。あんな馬鹿がそう何人もいたら、この国のお先は真っ暗だわ。で、話を戻しますけど、高位貴族の令嬢は馬鹿ではありません。婚約者と自国の王女の顔もわからず、招かれてもいないパーティーの衆人の前で婚約破棄を告げるような馬鹿を婚約者にしたいと思うでしょうか?婚約者が見つからなければ、あの馬鹿は必ず、ミリムと婚約をしようとします。しかも上から目線で何か言って来るでしょう。妻を口説こうとする輩を、グラナード様は放置したりしませんよね?」
ラナリス様?それは、ユリウス様にデルモンド子息様をどうにかしろとおっしゃっていますの?
私は嫌なのですが?あの方とユリウス様が関わりになるのは。
チラリとお兄様を見ると、ニヤニヤとしていらっしゃいます。
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