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結婚式当日は

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 お兄様がいらしてから十日後。
お父様とお母様が、ドレスを持って来てくださいました。

 すぐに教会に連絡が行き、ドレスが届いた翌日に結婚式が執り行われました。

 私の左手には、銀の花飾りを取り囲む、紺碧色の花びらの花飾りが。

 ユリウス様の胸元には、紺碧色の花飾りを囲む銀の花飾りが飾られています。

 間に合って良かったですわ。

 神父様の前で誓いを交わした私の左手に、ユリウス様が綺麗な指輪をはめてくださいます。

 綺麗な、青い石。
ユリウス様のお色の石は、ブルーサファイアでしょうか。

「綺麗・・・」

「母が父から贈られた宝石を加工した。嫌でなければ、ミリムにつけて欲しい」

「お母様の・・・ありがとうございます。大切にしますわ」

 誓いの口付けの後は、教会の外で待っていて下さる皆様に、お披露目です。

 ユリウス様のご両親は亡くなられていて、ご親戚の方々とは疎遠ということで、私の家族にも外で待っていてもらっています。

 ユリウス様のエスコートで、教会の扉を開けて・・・

 ええと?
何が起きているのでしょうか?

 お父様が、お母様が、お兄様が花を降らせてくれているのは分かります。

 街で会った皆様が拍手をしながら、花を降らせてくれていることはとても嬉しいです。

 ですが。あの・・・

 まず、何故ここにラナリス様がいらっしゃるのでしょうか?

 そして、その隣にセシリア様とセルフィー殿下が何故?

 いえ。それだけなら、まだ何とか理解は出来ますわ。

 私へのサプライズですわよね。

 ですが、その・・・

 お三方の前で、地面に座らされている・・・親娘と思わしき方は一体・・・

「おめでとう!ミリム」

「おめでとうございます、お姉様」

「おめでとう、ユリウス。そしてグラナード辺境伯夫人」

「あ、ありがとうございます?」

 皆様、その方々に触れてはいけませんの?
 ご令嬢もそのお父様と思しき方も、お顔の色がとても悪いんですけど。

 困ったようにユリウス様を見上げますと、ユリウス様は苦笑されて首を横に振られました。

 聞いてはいけない、ということですね?

 犯人は・・・お兄様かしら。
でも、隣に立つラナリス様も、セルフィー殿下も、とても悪いお顔をされてるわ。

 きっと、共犯なのね。

 これは何かを発言したら、嬉々として語り出した上に断罪を始めそう。

 その親娘が何をなさったのかは分かりませんけど、分かりましたわ。気付かないフリをしましょう。

 ですけど、街の方々は何とも思わないのかしら?

 多分ですけど、その方たち、件の伯爵令嬢とそのお父様ですよね?

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