悪役令嬢と転生ヒロイン

みおな

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見当はつきます

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「それで、公爵令息様は?」

 ひとりはがっつり何も考えていない脳筋で、ひとりは前世の知識を聖女の力だと誤解して心酔。

 残るひとりは公爵令息。
確か、父親の宰相の座を目指しているんだったわね。

「アイツの考えは、俺には分からん。殿下やフェリクスのようにエリィに心酔している様子はないのだが。俺も陛下のご命令だということを明かすわけにもいかないから、問うわけにもいかない」

「父親である宰相様に何か命じられているのかもしれませんね。まぁ、いかなる理由だとしても婚約者を蔑ろにしている時点で、婚約解消されそうですけど」

「ちょっと待て。それはもしかしてラティエラもなのか?」

 慌てた様子のティラー様に、やれやれという顔を向けた。

「良かったですね?ラティエラ様だけですよ、婚約解消を望まなかったのは。でも、ラティエラ様に辛い思いをさせたのは事実なんですからね?反省して、ちゃんとお詫びはして下さいよ」

「あ、ああ。陛下に許可をいただいて、ラティエラにもちゃんと話す」

「そうして下さい。さて、公爵令息様のお考えは分かりませんが、この先の展開は想像がつきますね」

 おそらくは、あの王子あたりがパーティーでヴァイオレット様への婚約破棄と断罪を行おうとするだろう。

 はぁ。
どうして乙女ゲームの婚約破棄って、パーティーとかでやるんだろう。

 大体、家と家の契約である婚約を、王子とはいえ個人の意見でどうこうできると思ってる時点で、もう王太子になれる資格はないんだけど。

 聖女と公爵家に言われて、早々にリオルド王子を切った王家の判断は素晴らしいけど、息子の育て方、間違ってますよ?

 ティラー様に監視させてることも、それ自体は良い判断だけど、ちゃんと婚約者に気遣えていないとこがなぁ。

 ラティエラ様だったから、婚約解消にならなかったけど、仲が険悪になってたらどう責任取るつもりだったんだろう。

「この先、何が起こる?」

「おそらく、殿下あたりがパーティーでヴァイオレット様に婚約破棄宣言と、あとエリィさんをいじめたという虚偽の断罪をしようとするでしょうね」

「近いパーティーだと、学園主催のダンスパーティーが来月末にあるな」

「多分、それですかね」

 本来なら断罪は、卒業パーティーなんだけど、あのエリィさんの様子だとそれまで待ちそうにないのよね。

 何を攻略を急いでるんだか。
まぁ、それでも手のひらで転がされてる王子と教皇子息には呆れるけど。

 あんなにチョロかったかしら?
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