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ゲームの舞台の学園へ

愚行の果てに《セシル視点》

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 その日、ランベルト・トワルスキー侯爵子息からもたらされた話と、ダウニー嬢から聞かされた情報は、僕の怒りを買うのに十分だった。

 まずはランベルトの話だが。
余談だが、トワルスキー侯爵子息から「ランベルトと呼んでくれ」と言われた。同い年だし、どうやら彼は男同士の友情的なものが好きみたいだ。

 僕も、レイモンドのことは呼び捨てで呼んでいるし、本人が望むならとそうすることにした。

 そうしたら、ジェイド・アトラス侯爵子息やハロルド・ダートン公爵子息までそうして欲しいと言い出した。

 はっきり言って、アリスを前回殺して、今回も怖がらせたダートン子息に対しては思うところがある。
 あるが、彼はもう他に婚約者がいるし、アリス自身が今は気にしていないようだ。

 なら、男の僕がいつまでもこだわっているのはどうかと思った。

 それで話を戻すと、ランベルトは先程昼食前に東のガゼボに向かう数人の男子生徒を見て、不審に思ったのだそうだ。

 男爵令息や子爵令息ばかりの、最近あのピンク頭を取り巻いている生徒ばかりだったかららしい。

 後をつけると、東のガゼボから戻ろうとしていたご令嬢を捕まえて、押さえ込み、集団で襲おうとしていた。

 急いで、そこへ割り込んで、ご令嬢を背に庇い男たちに向き合ったところで、何かおかしいことに気がついたのだそうだ。

 顔を赤くし、息も荒い。
様子はおかしいが、やったことがやったことだ。見逃すわけにはいかない。

 だが、いくらランベルトが騎士団長子息で、父親を目標とし鍛錬を積んでいても、1人で数人の男子生徒を拘束できるものではない。

 かといって、怯えたご令嬢を1人にするわけにもいかない。

 とそこに、ジェイドが通りかかったそうだ。正確には、東のガゼボいるらしいランベルトを、魔力の気配を探索して迎えにきたらしい。

 男子生徒たちは、ジェイドの魔力の縄で拘束されて、教師の元へと連行された。

 そして、ご令嬢を保険医に任せて、昼食へと来たそうだ。

 それを聞いて、ダウニー嬢が「やっぱり」と呟いた。

 聞いてみると、東のガゼボで待っているとアリスに伝言した人間がいるそうだ。

 もちろん、そんな事実はない。
僕はアリスを呼びつけたりしない。僕がアリスを迎えに行けばいいだけの話だから。

 結論を言うとー
おそらくだが、あのピンク頭がアリスを傷つけようとしたのだろう。

 たまたまランベルトが通りかかったから、件のご令嬢も無事だったが、あれがもしアリスで、誰も通り掛からなかったら?

 ジェイドの話では、男子生徒の様子を見る限り、媚薬かその類の薬を使用している様子だったそうだ。

 現在、レイモンドが教師のところに事情を聞きに行っている。

 アリスは闇の聖女だけど、か弱きご令嬢だ。男に押さえつけられたりしたら、どれだけの恐怖を感じるか。

 そうか。あの女は、そんな下衆なのか。
いいだろう。その愚行には、それなりの報いを与えてやる。
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