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ゲームの舞台の学園へ

入学式目前です

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 いよいよ、学園の入学式です。
朝からドキドキしているアリス・ビスクランド11歳です。

 学園は制服で通います。まさか、アラサーにもなって制服を着ることになるとは思いませんでした。

 制服は前世でいうところのセーラー服というやつです。あ。でも、白のワンピースでウエストをベルトで締めるタイプです。
 女子生徒は襟がピンクで、男子生徒は水色です。

 髪はツーサイドアップにしてもらい、青のリボンを飾ります。

「よく似合ってる、アリス」

「ありがとうございます、お兄様」

 廊下に出ると、兄であるルイス・ビスクランドが壁にもたれて立っていました。
 何故、そんなところにいるのですか?ストーカーみたいですよ。

 お兄様は私がセシル様と婚約してしばらくは煩かったのですが、学園に入学してからは忙しいのか、あまり顔を合わせていませんでした。

「セシルが迎えに来てるよ」

「そうなのですか?」

 一緒に登校ですか。
すごく嬉しいです。恋人・・・いや婚約者ですけど、と一緒に登校って初めてです。

「お兄様も一緒に行かれますか?」

「いや、僕は、その・・・」

「?」

 どうしたんでしょうか?
お兄様なら、セシル様への嫌がらせで一緒の馬車に乗ると言いそうですのに。

 まぁ、いいです。一応で言っただけですから。お兄様も忙しいのでしょう。

 玄関ではセシル様が待ってくれていました。

「おはようございます、セシル様」

「おはよう、アリス。制服姿、可愛いね」

「ありがとうございます」

 セシル様に可愛いと言って貰えました。嬉しいです。
 やっぱり、似合ってるとか可愛いとか言って貰えると嬉しいですね。お世辞でも言われたいと思っていましたから。

 セシル様も制服姿、可愛いですね。でも、男の子に可愛いは褒め言葉じゃないですから、なんて言った方がいいでしょうか。

「セシル様は何を着てもかっこいいですね」

「え?嬉しいな。ありがとう」

 お世辞じゃありません。本心です。
セシル様は王子様のような容姿なので、何を着ても似合います。
 まだ11歳ですし、可愛い服を着る女の子のようにと可愛い感じになりますけど、王子様っぽい格好をしてると、本当にかっこいいです。

 こんなにかっこよくて、公爵家の子息なので、学園に通ったらモテるんじゃないでしょうか。

 ヒロインが現れるのは15歳になってからだと思いますけど、他にもたくさん可愛らしいご令嬢はいます。

 今更ですけど、私が婚約者なことを蔑まされたりしないでしょうか?

 何だか不安になってきました。


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