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アメジストの姫君

お兄様がシスコンです

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 今日も元気に5歳児やってます、アリス・ビスクランドです。

 今日はお母様・・・ヴィオラ・ビスクランド伯爵夫人25歳とお出かけする予定です。
 前世の私より若いお母様です。しかも美人です。緩やかに波を描く金髪に、青い瞳の、絵本の中のお姫様です。なんだか凹みます。

 まぁ、こんな美人さんから生まれたのでアリスも超絶美少女ですけどね。

 そのお出かけ前に、2歳年上のお兄様ルイスが僕も行くとごねています。
 子供ですか。・・・いや、子供でしたね。まだ7歳でした。
 7歳というと、前世でいうところの小学1年生です。これは、ママを取られたくないとかいうやつでしょうか?

「お母様!アリスが行くなら僕も行く!」

「アリスちゃんのドレスを買いに行くのよ?ルイスが来てもつまらないでしょう?」

 そうです。今日はお母様ブランドのお店に、ドレスを買いに行くのです。
 オーダーメイドで作ってくれると言われましたが、普段着はそんなの必要ないです。既製品でいいと思います。
 なので、お店に行くことになったのです。

 そんなところに7歳の男の子が来てもつまらないと思います。
 だけど、お兄様は譲りません。そんなにお母様ラブなのでしょうか?マザコンというやつですか?

「つまらないなどと言わないから、一緒に連れてって下さい」

「お母さま、お兄さまも一緒でいいと思います」

 何だかかわいそうになったので、アシストしてあげることにしました。

「ルイスも行くのかい?なら、お父様も一緒に行きたいな」

 お父様が割り込んできます。
女性向けのブティックに27歳の美形男性がいたら、周囲が居た堪れないと思います。
 前世でもそうでした。
イチャイチャと服を選ぶカップル。本人たちはいいのでしょうが、他所でやってくれと言いたくなりました。
 あと、服を選んでる彼女をポツネンと待つ彼氏。かわいそうでした。せめて、他のところで待っていてもらえばいいのに。

 大体、似合う?とか聞いても似合うしか言わないんです。いる意味ありません。

 話がそれてしまいました。
イケメン父のイヴァク・ビスクランドはニコニコと笑っています。

 お父様は宰相ですよね?しかも伯爵家当主。お仕事はどうしたのです?
 お母様が商才あって伯爵家の財政が潤っているからといって、お仕事しないのはダメです。

「お父さま、お仕事は?お城へは行かなくていいのですか?」

「アリスは賢いね~。お父様がお城で働いていることを分かっているんだね」

 ええ。中身がアラサーですから。というか、5歳になればそのくらいは分かりますよ?

「お父様はダメっ!僕がアリスをエスコートするんだからっ!!」

 ルイスお兄様がお父様と私の前に割り込みます。
 あれ?マザコンじゃなくて、シスコンですか?


 

 
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