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第3章

婚約申し込みの結果

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「駄目だ!レンブラント皇国なんて、遠すぎる!!」

「ええ。父上のおっしゃる通りです。認められません」

「ヴィヴィ!嫁に行くことなんてない!ずっとヴァレリア公爵家でいればいいんだ。そしたら、いつでもすぐに会える!」

 ええと?
この人たちは何を言っているのかな?

 まずは、お父様?
確かにレンブラント皇国は遠いけど、この婚約は一応、王家からの打診なのだけど?
 しかも、レンブラント皇国皇太子殿下からの申し込み。駄目とかの問題じゃないよね?

 それからアベル。
認められないって、そもそも私がサイードと婚約解消したことをハルトナイツに知らせたの、あなたの主君であるサイラスよね?

 あと、アゼル。
私に行かず後家になれと?自分は、シャルロッテ様にべったり溺愛状態のくせに、私の恋愛は認めないと?

 いや。家族に愛されているのは理解している。
 ある意味、溺愛といっていいほど大切にされていると思う。

 だけど、好きな人に告白された娘に、しかも国と国としても有益な婚約なのに、そんな頭ごなしに反対しなくてもいいじゃない。

「あ・な・た!!いい加減になさいませ」

 お母様が、お父様の耳をキツくつまみ上げる。

 ちなみに、ヴァレリア公爵邸のこの場には、お父様お母様をはじめとするヴァレリア公爵一家。
 それから、アベルの婚約者であるセシーリア・ヴィクト公爵令嬢。
 アゼルの婚約者であるシャルロッテ・ベルタ伯爵令嬢。
 それから、王家の使者としてサイラスがいる。

 お母様がお父様を叱責するのと同時に、セシーリアがアベルの手をキツくつねっていた。

 アゼルはシャルロッテ様に涙目で睨まれて、オタオタしている。

 我がヴァレリア公爵家の男衆は、どうにも女性陣に弱いようだ。

「し、しかし、ジーナ・・・」

「しかしではありませんわ。あなたは、ヴィヴィの幸せを願ってあげられませんの?」

「願うとも!だから、王家からの打診といえど、断ろうと・・」

 うん。気持ちは嬉しいよ。だけど、私、言ったよね?ハルトナイツに婚約の申し込みされて嬉しかったって。

 さすがに親に、会ったばかりのハルトナイツを好きだとは言いにくくて、ぼかした言い方になったけど、伝わってないの?

 というか、遠いから駄目って言ったよね?

「アベル様、主君である殿下がご使者としていらしているのに、その為体はどういうことですの?それでも殿下の側近ですの?」

「え、いや、でも、セシーリア・・・可愛いヴィがそんな遠くに嫁ぐなど・・・」

「アゼル様は、妹であるヴィヴィ様の幸せを願って差し上げられないのですか?そんな方だったなんて」

「なっ、シャルロッテ!!泣かないで」

 え、えーと。
私の婚約の話は?というかお互いの婚約者のご機嫌取りは自室でやって?



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