77 / 88
第3章
婚約申し込みの結果
しおりを挟む
「駄目だ!レンブラント皇国なんて、遠すぎる!!」
「ええ。父上のおっしゃる通りです。認められません」
「ヴィヴィ!嫁に行くことなんてない!ずっとヴァレリア公爵家でいればいいんだ。そしたら、いつでもすぐに会える!」
ええと?
この人たちは何を言っているのかな?
まずは、お父様?
確かにレンブラント皇国は遠いけど、この婚約は一応、王家からの打診なのだけど?
しかも、レンブラント皇国皇太子殿下からの申し込み。駄目とかの問題じゃないよね?
それからアベル。
認められないって、そもそも私がサイードと婚約解消したことをハルトナイツに知らせたの、あなたの主君であるサイラスよね?
あと、アゼル。
私に行かず後家になれと?自分は、シャルロッテ様にべったり溺愛状態のくせに、私の恋愛は認めないと?
いや。家族に愛されているのは理解している。
ある意味、溺愛といっていいほど大切にされていると思う。
だけど、好きな人に告白された娘に、しかも国と国としても有益な婚約なのに、そんな頭ごなしに反対しなくてもいいじゃない。
「あ・な・た!!いい加減になさいませ」
お母様が、お父様の耳をキツくつまみ上げる。
ちなみに、ヴァレリア公爵邸のこの場には、お父様お母様をはじめとするヴァレリア公爵一家。
それから、アベルの婚約者であるセシーリア・ヴィクト公爵令嬢。
アゼルの婚約者であるシャルロッテ・ベルタ伯爵令嬢。
それから、王家の使者としてサイラスがいる。
お母様がお父様を叱責するのと同時に、セシーリアがアベルの手をキツくつねっていた。
アゼルはシャルロッテ様に涙目で睨まれて、オタオタしている。
我がヴァレリア公爵家の男衆は、どうにも女性陣に弱いようだ。
「し、しかし、ジーナ・・・」
「しかしではありませんわ。あなたは、ヴィヴィの幸せを願ってあげられませんの?」
「願うとも!だから、王家からの打診といえど、断ろうと・・」
うん。気持ちは嬉しいよ。だけど、私、言ったよね?ハルトナイツに婚約の申し込みされて嬉しかったって。
さすがに親に、会ったばかりのハルトナイツを好きだとは言いにくくて、ぼかした言い方になったけど、伝わってないの?
というか、遠いから駄目って言ったよね?
「アベル様、主君である殿下がご使者としていらしているのに、その為体はどういうことですの?それでも殿下の側近ですの?」
「え、いや、でも、セシーリア・・・可愛いヴィがそんな遠くに嫁ぐなど・・・」
「アゼル様は、妹であるヴィヴィ様の幸せを願って差し上げられないのですか?そんな方だったなんて」
「なっ、シャルロッテ!!泣かないで」
え、えーと。
私の婚約の話は?というかお互いの婚約者のご機嫌取りは自室でやって?
「ええ。父上のおっしゃる通りです。認められません」
「ヴィヴィ!嫁に行くことなんてない!ずっとヴァレリア公爵家でいればいいんだ。そしたら、いつでもすぐに会える!」
ええと?
この人たちは何を言っているのかな?
まずは、お父様?
確かにレンブラント皇国は遠いけど、この婚約は一応、王家からの打診なのだけど?
しかも、レンブラント皇国皇太子殿下からの申し込み。駄目とかの問題じゃないよね?
それからアベル。
認められないって、そもそも私がサイードと婚約解消したことをハルトナイツに知らせたの、あなたの主君であるサイラスよね?
あと、アゼル。
私に行かず後家になれと?自分は、シャルロッテ様にべったり溺愛状態のくせに、私の恋愛は認めないと?
いや。家族に愛されているのは理解している。
ある意味、溺愛といっていいほど大切にされていると思う。
だけど、好きな人に告白された娘に、しかも国と国としても有益な婚約なのに、そんな頭ごなしに反対しなくてもいいじゃない。
「あ・な・た!!いい加減になさいませ」
お母様が、お父様の耳をキツくつまみ上げる。
ちなみに、ヴァレリア公爵邸のこの場には、お父様お母様をはじめとするヴァレリア公爵一家。
それから、アベルの婚約者であるセシーリア・ヴィクト公爵令嬢。
アゼルの婚約者であるシャルロッテ・ベルタ伯爵令嬢。
それから、王家の使者としてサイラスがいる。
お母様がお父様を叱責するのと同時に、セシーリアがアベルの手をキツくつねっていた。
アゼルはシャルロッテ様に涙目で睨まれて、オタオタしている。
我がヴァレリア公爵家の男衆は、どうにも女性陣に弱いようだ。
「し、しかし、ジーナ・・・」
「しかしではありませんわ。あなたは、ヴィヴィの幸せを願ってあげられませんの?」
「願うとも!だから、王家からの打診といえど、断ろうと・・」
うん。気持ちは嬉しいよ。だけど、私、言ったよね?ハルトナイツに婚約の申し込みされて嬉しかったって。
さすがに親に、会ったばかりのハルトナイツを好きだとは言いにくくて、ぼかした言い方になったけど、伝わってないの?
というか、遠いから駄目って言ったよね?
「アベル様、主君である殿下がご使者としていらしているのに、その為体はどういうことですの?それでも殿下の側近ですの?」
「え、いや、でも、セシーリア・・・可愛いヴィがそんな遠くに嫁ぐなど・・・」
「アゼル様は、妹であるヴィヴィ様の幸せを願って差し上げられないのですか?そんな方だったなんて」
「なっ、シャルロッテ!!泣かないで」
え、えーと。
私の婚約の話は?というかお互いの婚約者のご機嫌取りは自室でやって?
12
お気に入りに追加
1,064
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢ディアセーラの旦那様
cyaru
恋愛
パッと見は冴えないブロスカキ公爵家の令嬢ディアセーラ。
そんなディアセーラの事が本当は病むほどに好きな王太子のベネディクトだが、ディアセーラの気をひきたいがために執務を丸投げし「今月の恋人」と呼ばれる令嬢を月替わりで隣に侍らせる。
色事と怠慢の度が過ぎるベネディクトとディアセーラが言い争うのは日常茶飯事だった。
出来の悪い王太子に王宮で働く者達も辟易していたある日、ベネディクトはディアセーラを突き飛ばし婚約破棄を告げてしまった。
「しかと承りました」と応えたディアセーラ。
婚約破棄を告げる場面で突き飛ばされたディアセーラを受け止める形で一緒に転がってしまったペルセス。偶然居合わせ、とばっちりで巻き込まれただけのリーフ子爵家のペルセスだが婚約破棄の上、下賜するとも取れる発言をこれ幸いとブロスカキ公爵からディアセーラとの婚姻を打診されてしまう。
中央ではなく自然豊かな地方で開拓から始めたい夢を持っていたディアセーラ。当初は困惑するがペルセスもそれまで「氷の令嬢」と呼ばれ次期王妃と言われていたディアセーラの知らなかった一面に段々と惹かれていく。
一方ベネディクトは本当に登城しなくなったディアセーラに会うため公爵家に行くが門前払いされ、手紙すら受け取って貰えなくなった。焦り始めたベネディクトはペルセスを罪人として投獄してしまうが…。
シリアスっぽく見える気がしますが、コメディに近いです。
痛い記述があるのでR指定しました。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
旦那様は離縁をお望みでしょうか
村上かおり
恋愛
ルーベンス子爵家の三女、バーバラはアルトワイス伯爵家の次男であるリカルドと22歳の時に結婚した。
けれど最初の顔合わせの時から、リカルドは不機嫌丸出しで、王都に来てもバーバラを家に一人残して帰ってくる事もなかった。
バーバラは行き遅れと言われていた自分との政略結婚が気に入らないだろうと思いつつも、いずれはリカルドともいい関係を築けるのではないかと待ち続けていたが。
あなたを忘れる魔法があれば
七瀬美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
婚約破棄を告げられた瞬間王子やめろ抗議が始まりました~悪役令嬢はみんなのアイドルだったようです~
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!そして私はリアンヌと婚約する!」
「ユーザ様……嬉しいです」
ああ、やっぱりヒロインには敵わないんだなぁと、これから起こることを予測して泣きそうになった時だった。
「ふざけるのもいい加減になさいませ!このクソ王子!」
「誰だ!今私を侮辱したのは!不敬罪に……っ」
「私が言いました」
「あー、私も言いました」
「私も言ってしまいましたわ」
これは………なんですの?
婚約破棄シリーズ主人公置いてきぼりに続く第四弾……いつシリーズ化したか、それは私にもわからない。
とりあえず婚約破棄シリーズタグは荷居人をつけました。こちらは好評なため番外編も絶賛公開中です!
可愛らしい血が流れているためR15に。
表紙ははつ様に描いていただきました!
たくさんの応援ありがとうございますm(_ _)mご指摘は修正させていただきました。
また、明らかな中傷コメントはおやめください。作品を読んでのご意見ならともかく明らかに暴言と見なされる言葉や自分勝手な強制するような脅迫めいた言い分はアルファポリスのガイドラインの禁止事項にもなります。何事も度が過ぎた行為は私以外の作品でもやめましょう。
【完結】ヒロインであれば何をしても許される……わけがないでしょう
凛 伊緒
恋愛
シルディンス王国・王太子の婚約者である侯爵令嬢のセスアは、伯爵令嬢であるルーシアにとある名で呼ばれていた。
『悪役令嬢』……と。
セスアの婚約者である王太子に擦り寄り、次々と無礼を働くルーシア。
セスアはついに我慢出来なくなり、反撃に出る。
しかし予想外の事態が…?
ざまぁ&ハッピーエンドです。
愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?
日々埋没。
恋愛
公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。
「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」
しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。
「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」
嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。
※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。
またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。
公爵令嬢の白銀の指輪
夜桜
恋愛
公爵令嬢エリザは幸せな日々を送っていたはずだった。
婚約者の伯爵ヘイズは婚約指輪をエリザに渡した。けれど、その指輪には猛毒が塗布されていたのだ。
違和感を感じたエリザ。
彼女には貴金属の目利きスキルがあった。
直ちに猛毒のことを訴えると、伯爵は全てを失うことになった。しかし、これは始まりに過ぎなかった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる