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第2章
相談
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「セシーリア様。私は王家からの申し入れでサイード殿下と婚約いたしました。ですが、最近知ったのです。アゼルお兄様の婚約者、リアーネ・オスカール侯爵令嬢様が、アゼルお兄様ではなくサイード殿下をお慕いされていることを」
目を伏せながらそう告げると、セシーリアは「まぁ!」と声をあげる。
私はセシーリアに、ある程度の事実を話すつもりであった。
もちろん、私とリアーネが転生者であることや、この世界が乙女ゲームが舞台になっていること、私の好きなのがハルトナイツであることは秘密だが。
「正直言いますと、私はサイード殿下のことを何とも思っていないのです。それならば、お慕いして下さっている方と婚約された方が、いいと思うのです。リアーネ様は侯爵家のご令嬢ですから、王家に嫁ぐことも可能ですし」
「そうですわね。もちろん、王家としてはヴィヴィ様に嫁いでいただきたいと願われるでしょうが、不可能ではありませんわね」
「ただ、そうなると、アゼルお兄様の婚約者がいなくなってしまうのです」
ヒロインに攻略されるかどうかは分からない。
だが公爵家の次男が、平民の婚約者を持つわけにはいかない。
アレはあくまでも、乙女ゲームの世界だから可能なのだ。
もっとも、アゼルが望めばお父様も認める気はするが。
「ああ、なるほど。理解りましたわ。わたくしのところへおいでになったのは、アゼル様の婚約者についてのご相談でしたのね」
「はい。お力をお借りできますでしょうか?」
「よろしくてよ。そうですわね・・・アゼル様のご年齢ですと、候補としてはお2人くらいですわね。ベルタ伯爵家のシャルロッテ様と、バルバトス伯爵家のソフィー様が婚約者をお探しですわ」
ベルタ伯爵家は、フリーレ侯爵家の親戚筋で、伯爵は騎士団に所属している。
シャルロッテ様は、ライムグリーンの髪と瞳の、可愛らしい庇護欲を掻き立てるご令嬢だ。
バルバトス伯爵家は、ビゼット侯爵家の親戚筋で、伯爵は魔術師団に所属している。
ソフィー様は、紫色の髪と瞳の、大人びた雰囲気のご令嬢である。
2人か。
どちらも嫡男はなく1人娘だ。
だが、アゼルはヴァレリア公爵家次男だが、魔力量が少ない。
バルバトス伯爵家よりはベルタ伯爵家の方が、アゼルには合っているだろう。
「アゼルお兄様は、魔力量が少ないことを気にされています。本当はそんなことは些細なことで、お兄様はお優しい方なのですが、バルバトス伯爵家に婿入りすることになれば、また気にやまれるかもしれません」
「そうですわね。バルバトス伯爵は魔術師団に所属されていますものね。では、ベルタ伯爵家のシャルロッテ様をご紹介いたしますわ」
セシーリアの言葉に、私は頷いた。
次は、アゼル本人とお父様に話さなければならない。
目を伏せながらそう告げると、セシーリアは「まぁ!」と声をあげる。
私はセシーリアに、ある程度の事実を話すつもりであった。
もちろん、私とリアーネが転生者であることや、この世界が乙女ゲームが舞台になっていること、私の好きなのがハルトナイツであることは秘密だが。
「正直言いますと、私はサイード殿下のことを何とも思っていないのです。それならば、お慕いして下さっている方と婚約された方が、いいと思うのです。リアーネ様は侯爵家のご令嬢ですから、王家に嫁ぐことも可能ですし」
「そうですわね。もちろん、王家としてはヴィヴィ様に嫁いでいただきたいと願われるでしょうが、不可能ではありませんわね」
「ただ、そうなると、アゼルお兄様の婚約者がいなくなってしまうのです」
ヒロインに攻略されるかどうかは分からない。
だが公爵家の次男が、平民の婚約者を持つわけにはいかない。
アレはあくまでも、乙女ゲームの世界だから可能なのだ。
もっとも、アゼルが望めばお父様も認める気はするが。
「ああ、なるほど。理解りましたわ。わたくしのところへおいでになったのは、アゼル様の婚約者についてのご相談でしたのね」
「はい。お力をお借りできますでしょうか?」
「よろしくてよ。そうですわね・・・アゼル様のご年齢ですと、候補としてはお2人くらいですわね。ベルタ伯爵家のシャルロッテ様と、バルバトス伯爵家のソフィー様が婚約者をお探しですわ」
ベルタ伯爵家は、フリーレ侯爵家の親戚筋で、伯爵は騎士団に所属している。
シャルロッテ様は、ライムグリーンの髪と瞳の、可愛らしい庇護欲を掻き立てるご令嬢だ。
バルバトス伯爵家は、ビゼット侯爵家の親戚筋で、伯爵は魔術師団に所属している。
ソフィー様は、紫色の髪と瞳の、大人びた雰囲気のご令嬢である。
2人か。
どちらも嫡男はなく1人娘だ。
だが、アゼルはヴァレリア公爵家次男だが、魔力量が少ない。
バルバトス伯爵家よりはベルタ伯爵家の方が、アゼルには合っているだろう。
「アゼルお兄様は、魔力量が少ないことを気にされています。本当はそんなことは些細なことで、お兄様はお優しい方なのですが、バルバトス伯爵家に婿入りすることになれば、また気にやまれるかもしれません」
「そうですわね。バルバトス伯爵は魔術師団に所属されていますものね。では、ベルタ伯爵家のシャルロッテ様をご紹介いたしますわ」
セシーリアの言葉に、私は頷いた。
次は、アゼル本人とお父様に話さなければならない。
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