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回復薬を作ってみました
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街歩きを早々にやめ、お城に帰って回復薬を作ることにしました。
幼い子供さんが、命の危険に晒されているのです。
女神様。
聖女の作る回復薬は、魔族の方にも効くのでしょうか?
どうか、どうか、効きますように。
効かなければ、私が聖女である意味がないです。
だって私はもう、ネモフィラ王国のために祈ったりしません。
魔族の国メルキオール王国で暮らしていきたいのです。
だからどうか女神様、お力をお貸しください。
祈りを捧げながら、果実水に聖力を注ぎます。
メルキオール王国には精製水を作るための濾過装置がないので、飲料水に注ぐことにしたのです。
精度は落ちるかもしれませんが、その分強く聖力を注げば、問題はないはずです。
一時間ほど聖力を注ぐと、果実水味の回復薬が出来ました。
精製水以外に込めるのは初めてだったので、いつも以上に時間をかけてしまったけど、成功して良かったです。
「もう出来たのか?」
「いつもの倍は時間がかかったのですが、精製水以外に込めるのは初めてだったので、念には念を入れました。でも、魔族の方に薬になるか毒になるかは分かりません。女神様のお声も聞こえないので、聞くことも出来ませんし」
「いや、それは両親にも話した上で、本人たちが納得しなければ飲まさない。それより、神の声が聞こえるのか?」
「祈りの間で祈れば、お声をいただくこともあります。ただ、絶対ではありません。色々と制約があるみたいで、私の処刑に関してもお知らせいただくことはありませんでしたから」
前もって知らせられるのなら、無理して私を生き返らせた女神様なら、お知らせくださったと思います。
それが出来なかったということは、制約があるのでしょう。
まぁ、前もって聞かされていたとしても、塔から出ることのできなかった私は、処刑を避けることは出来なかったでしょうけど。
「・・・そうか、そうだな」
私は今生き返って、あの頃よりも幸せなのです。
だからヴィンセント様、そんな辛そうなお顔をなさらないで。
「子供さんは今も苦しんでいるのですよね?届けに行きましょう」
「ああ。だがもし、回復薬が毒になった場合や効かなかった場合に、親が心ない言葉を吐くかもしれない。だから、ルディアはここで待っていてくれ」
「・・・いえ。一緒に参ります。心ない言葉なら、たくさんたくさん言われて慣れています。せめて、離れてでもかまわないので、ご一緒させてください」
「ヴィンセント様、どうかルディア様のお心のままに。私がそばにおります。この身を呈してでも、ルディア様をお守りいたします」
イブリンがそんなふうに言ってくれますが、身を呈したりしないでください。
イブリンが傷ついても、回復薬が効かなかったら私は助けることができないのですから。
幼い子供さんが、命の危険に晒されているのです。
女神様。
聖女の作る回復薬は、魔族の方にも効くのでしょうか?
どうか、どうか、効きますように。
効かなければ、私が聖女である意味がないです。
だって私はもう、ネモフィラ王国のために祈ったりしません。
魔族の国メルキオール王国で暮らしていきたいのです。
だからどうか女神様、お力をお貸しください。
祈りを捧げながら、果実水に聖力を注ぎます。
メルキオール王国には精製水を作るための濾過装置がないので、飲料水に注ぐことにしたのです。
精度は落ちるかもしれませんが、その分強く聖力を注げば、問題はないはずです。
一時間ほど聖力を注ぐと、果実水味の回復薬が出来ました。
精製水以外に込めるのは初めてだったので、いつも以上に時間をかけてしまったけど、成功して良かったです。
「もう出来たのか?」
「いつもの倍は時間がかかったのですが、精製水以外に込めるのは初めてだったので、念には念を入れました。でも、魔族の方に薬になるか毒になるかは分かりません。女神様のお声も聞こえないので、聞くことも出来ませんし」
「いや、それは両親にも話した上で、本人たちが納得しなければ飲まさない。それより、神の声が聞こえるのか?」
「祈りの間で祈れば、お声をいただくこともあります。ただ、絶対ではありません。色々と制約があるみたいで、私の処刑に関してもお知らせいただくことはありませんでしたから」
前もって知らせられるのなら、無理して私を生き返らせた女神様なら、お知らせくださったと思います。
それが出来なかったということは、制約があるのでしょう。
まぁ、前もって聞かされていたとしても、塔から出ることのできなかった私は、処刑を避けることは出来なかったでしょうけど。
「・・・そうか、そうだな」
私は今生き返って、あの頃よりも幸せなのです。
だからヴィンセント様、そんな辛そうなお顔をなさらないで。
「子供さんは今も苦しんでいるのですよね?届けに行きましょう」
「ああ。だがもし、回復薬が毒になった場合や効かなかった場合に、親が心ない言葉を吐くかもしれない。だから、ルディアはここで待っていてくれ」
「・・・いえ。一緒に参ります。心ない言葉なら、たくさんたくさん言われて慣れています。せめて、離れてでもかまわないので、ご一緒させてください」
「ヴィンセント様、どうかルディア様のお心のままに。私がそばにおります。この身を呈してでも、ルディア様をお守りいたします」
イブリンがそんなふうに言ってくれますが、身を呈したりしないでください。
イブリンが傷ついても、回復薬が効かなかったら私は助けることができないのですから。
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