108 / 122
返答待ちですわ
しおりを挟む
お二人ともずっと喚いていらっしゃいましたけど、騎士たちに引きずられて会場から退出しました。
皆様、少しお疲れのご様子です。
仕方ありませんわね、本当に酷かったですもの。
伯父様が、パン!と両の手を鳴らしました。
「騒がせてすまない。さぁ!王太子の婚約披露と、公爵令息の結婚披露だ。楽しく過ごしてくれ」
皆様その言葉で、ホッと息を吐かれて楽しそうに歓談が始まります。
わたくしも傍のジーク様を見上げました。
「やれやれだ。まだ後始末は残っているが、今日はアリスとの婚約を皆に周知できる大切な日だ。まずは、義兄上にお祝いを言いに行こうか?」
「ふふっ。そうですわね」
わたくしの婚約解消や諸々で、先延ばしになっていたお兄様とキャスリーン様の結婚披露ですもの。
「お兄様。キャスリーンお義姉様」
「アリスティア。殿下」
「おめでとうございます、お兄様、お義姉様」
「ありがとう、アリスティア。それから、おめでとう。殿下、アリスティア」
お互いにお祝いを言い合っておりますと、お父様やお母様もいらっしゃいました。
「お疲れ様、アリスティア」
「お母様」
お疲れ様?ああ、あの方々の相手に疲れただろうとおっしゃっているのね。
「ふふっ。わたくしより、シャルロット様の方がお疲れになったと思いますわ」
シャルロット様にも労いの言葉を・・・ああ。ブラシール様が甲斐甲斐しくお世話をしていらっしゃいますわ。
お邪魔になってはいけませんから、後ほどにいたしましょう。
「それでお父様。あのお二人はどうなりますの?」
「とりあえず、セオドア王国からの返答が来るまでは貴族牢に入れておく。あれでも一応まだ他国の王族と貴族だからな。返答後に平民になったら、シュワルミット王国に奴隷として送る」
「エリサさんとご一緒?」
「ああ。あの国の奴隷は厳しく管理される。一度入れば二度と戻っては来れない」
ジーク様のお答えに、驚きました。
三人ともまだ十六歳ですのに、一生奴隷のままですの?
同情はいたしません。
あの方々は貴族には向いていなかった、そう思います。
ですが、一生奴隷というのは・・・
「奴隷でなくなることはないが、それでもちゃんと過ごしていれば、食事にも寝る場所にも困らない。シュワルミットの奴隷区画から出れない、というだけさ」
「そう・・・なのですね。仕方ありませんわね。何度も警告はいたしましたもの。ご自分のなさったことの責任は取りませんと」
「そういうことよ。アリスティアが気にする必要はないわ。あとは、私たちで処理しておくから」
お母様の言葉に頷きます。
セオドア王国はどんな返答をするのかしら?
皆様、少しお疲れのご様子です。
仕方ありませんわね、本当に酷かったですもの。
伯父様が、パン!と両の手を鳴らしました。
「騒がせてすまない。さぁ!王太子の婚約披露と、公爵令息の結婚披露だ。楽しく過ごしてくれ」
皆様その言葉で、ホッと息を吐かれて楽しそうに歓談が始まります。
わたくしも傍のジーク様を見上げました。
「やれやれだ。まだ後始末は残っているが、今日はアリスとの婚約を皆に周知できる大切な日だ。まずは、義兄上にお祝いを言いに行こうか?」
「ふふっ。そうですわね」
わたくしの婚約解消や諸々で、先延ばしになっていたお兄様とキャスリーン様の結婚披露ですもの。
「お兄様。キャスリーンお義姉様」
「アリスティア。殿下」
「おめでとうございます、お兄様、お義姉様」
「ありがとう、アリスティア。それから、おめでとう。殿下、アリスティア」
お互いにお祝いを言い合っておりますと、お父様やお母様もいらっしゃいました。
「お疲れ様、アリスティア」
「お母様」
お疲れ様?ああ、あの方々の相手に疲れただろうとおっしゃっているのね。
「ふふっ。わたくしより、シャルロット様の方がお疲れになったと思いますわ」
シャルロット様にも労いの言葉を・・・ああ。ブラシール様が甲斐甲斐しくお世話をしていらっしゃいますわ。
お邪魔になってはいけませんから、後ほどにいたしましょう。
「それでお父様。あのお二人はどうなりますの?」
「とりあえず、セオドア王国からの返答が来るまでは貴族牢に入れておく。あれでも一応まだ他国の王族と貴族だからな。返答後に平民になったら、シュワルミット王国に奴隷として送る」
「エリサさんとご一緒?」
「ああ。あの国の奴隷は厳しく管理される。一度入れば二度と戻っては来れない」
ジーク様のお答えに、驚きました。
三人ともまだ十六歳ですのに、一生奴隷のままですの?
同情はいたしません。
あの方々は貴族には向いていなかった、そう思います。
ですが、一生奴隷というのは・・・
「奴隷でなくなることはないが、それでもちゃんと過ごしていれば、食事にも寝る場所にも困らない。シュワルミットの奴隷区画から出れない、というだけさ」
「そう・・・なのですね。仕方ありませんわね。何度も警告はいたしましたもの。ご自分のなさったことの責任は取りませんと」
「そういうことよ。アリスティアが気にする必要はないわ。あとは、私たちで処理しておくから」
お母様の言葉に頷きます。
セオドア王国はどんな返答をするのかしら?
79
お気に入りに追加
3,868
あなたにおすすめの小説
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
愛する貴方の愛する彼女の愛する人から愛されています
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「ユスティーナ様、ごめんなさい。今日はレナードとお茶をしたい気分だからお借りしますね」
先に彼とお茶の約束していたのは私なのに……。
「ジュディットがどうしても二人きりが良いと聞かなくてな」「すまない」貴方はそう言って、婚約者の私ではなく、何時も彼女を優先させる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
公爵令嬢のユスティーナには愛する婚約者の第二王子であるレナードがいる。
だがレナードには、恋慕する女性がいた。その女性は侯爵令嬢のジュディット。絶世の美女と呼ばれている彼女は、彼の兄である王太子のヴォルフラムの婚約者だった。
そんなジュディットは、事ある事にレナードの元を訪れてはユスティーナとレナードとの仲を邪魔してくる。だがレナードは彼女を諌めるどころか、彼女を庇い彼女を何時も優先させる。例えユスティーナがレナードと先に約束をしていたとしても、ジュディットが一言言えば彼は彼女の言いなりだ。だがそんなジュディットは、実は自分の婚約者のヴォルフラムにぞっこんだった。だがしかし、ヴォルフラムはジュディットに全く関心がないようで、相手にされていない。どうやらヴォルフラムにも別に想う女性がいるようで……。
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
身分を捨てて楽になりたい!婚約者はお譲りしますわね。
さこの
恋愛
ライアン王子には婚約者がいる。
侯爵家の長女ヴィクトリアと言った。
しかしお忍びで街に出て平民の女性ベラと出あってしまった。
ベラと結婚すると国民から人気になるだろう。シンデレラストーリだ。
しかしライアンの婚約者は侯爵令嬢ヴィクトリア。この国で5本指に入るほどの名家だ。まずはヴィクトリアと結婚した後、ベラと籍を入れれば問題はない。
そして結婚式当日、侯爵家の令嬢ヴィクトリアが来るはずだった結婚式に現れたのは……
緩い設定です。
HOTランキング入り致しました.ᐟ.ᐟ
ありがとうございます( .ˬ.)"2021/12/01
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる