62 / 122
一緒にドレス選びを
しおりを挟む
「なら、デザイナーを呼びましょう。既製品そのままでなく手直しくらいなら、一週間あればできると思うわ」
キャスリーン様がそうおっしゃると、お兄様も頷かれました。
「母上にお願いしておこう。さて、僕たちはそろそろ失礼するよ。明日にでもデザイナーは呼べるだろうから、二人でどんなデザインが良いか話し合って決めておくと良い」
「ありがとうございます。お兄様、キャスリーン様」
「可愛い妹のためだからな」
「大切な未来の妹のためですもの」
ふふっ。お兄様もキャスリーン様もわたくしに本当に甘いのですから。
お兄様たちを見送った後、わたくしとジークハルト様はドレスについてお話することになりました。
「アリスティア嬢の好きな色は、ライムグリーンやスカイブルーだったよね。誕生日のパーティーは夜会とは違うから柔らかい色合いでもいいと思う。ラグノア嬢はカールの色を纏うだろう。アイツは独占欲が強いから」
「ふふっ。とてもシャルロット様を想われている方ですものね」
「・・・僕だって・・・ボソッ」
「?何かおっしゃいまして?」
小さなお声でしたので聞き取れずお尋ねしましたが、ジークハルト様は何でもないよと首を横に振られました。
「でしたらシャルロット様はブラシール様のお色の、エメラルド色ですわね。ブラシール様はシャルロット様のライラック色でしょうか」
シャルロット様の婚約者であるブラシール様は、エメラルド色の髪と瞳をされています。
それでしたら、グリーン系とパープル系は除外した方がいいですわね。
パーティーの主役と似た色を着るものではありません。
それに、わたくしがブラシール様のお色に近い色や、当日ブラシール様がお召しになるお色に近い色を着て、変に勘繰られるのは嫌ですから。
どこにでも邪推する人間というものはいるものなのです。
シャルロット様は決してそんなことを思われない方ですけど、シャルロット様はジークハルト様の元婚約者候補でしたから、どうしてもその日にジークハルト様にエスコートされるわたくしは注目されてしまうと思うのです。
本当なら、エスコートをお願いするべきではないのかもしれませんが、シャルロット様やブラシール様からも、ジークハルト様にエスコートをお願いしては?と勧めていただきましたし、ドレスやお飾りの色を配慮すればいい話ですもの。
ですが、何色にいたしましょう。
エスコートをお願いしましたが、婚約者ではないのでジークハルト様のお色は纏えませんし、そもそもジークハルト様はわたくしと同じ銀色の瞳をされています。
いっそオレンジやピンクなどはどうかしら?
キャスリーン様がそうおっしゃると、お兄様も頷かれました。
「母上にお願いしておこう。さて、僕たちはそろそろ失礼するよ。明日にでもデザイナーは呼べるだろうから、二人でどんなデザインが良いか話し合って決めておくと良い」
「ありがとうございます。お兄様、キャスリーン様」
「可愛い妹のためだからな」
「大切な未来の妹のためですもの」
ふふっ。お兄様もキャスリーン様もわたくしに本当に甘いのですから。
お兄様たちを見送った後、わたくしとジークハルト様はドレスについてお話することになりました。
「アリスティア嬢の好きな色は、ライムグリーンやスカイブルーだったよね。誕生日のパーティーは夜会とは違うから柔らかい色合いでもいいと思う。ラグノア嬢はカールの色を纏うだろう。アイツは独占欲が強いから」
「ふふっ。とてもシャルロット様を想われている方ですものね」
「・・・僕だって・・・ボソッ」
「?何かおっしゃいまして?」
小さなお声でしたので聞き取れずお尋ねしましたが、ジークハルト様は何でもないよと首を横に振られました。
「でしたらシャルロット様はブラシール様のお色の、エメラルド色ですわね。ブラシール様はシャルロット様のライラック色でしょうか」
シャルロット様の婚約者であるブラシール様は、エメラルド色の髪と瞳をされています。
それでしたら、グリーン系とパープル系は除外した方がいいですわね。
パーティーの主役と似た色を着るものではありません。
それに、わたくしがブラシール様のお色に近い色や、当日ブラシール様がお召しになるお色に近い色を着て、変に勘繰られるのは嫌ですから。
どこにでも邪推する人間というものはいるものなのです。
シャルロット様は決してそんなことを思われない方ですけど、シャルロット様はジークハルト様の元婚約者候補でしたから、どうしてもその日にジークハルト様にエスコートされるわたくしは注目されてしまうと思うのです。
本当なら、エスコートをお願いするべきではないのかもしれませんが、シャルロット様やブラシール様からも、ジークハルト様にエスコートをお願いしては?と勧めていただきましたし、ドレスやお飾りの色を配慮すればいい話ですもの。
ですが、何色にいたしましょう。
エスコートをお願いしましたが、婚約者ではないのでジークハルト様のお色は纏えませんし、そもそもジークハルト様はわたくしと同じ銀色の瞳をされています。
いっそオレンジやピンクなどはどうかしら?
61
お気に入りに追加
3,871
あなたにおすすめの小説
恋した殿下、あなたに捨てられることにします〜魔力を失ったのに、なかなか婚約解消にいきません〜
百門一新
恋愛
魔力量、国内第二位で王子様の婚約者になった私。けれど、恋をしたその人は、魔法を使う才能もなく幼い頃に大怪我をした私を認めておらず、――そして結婚できる年齢になった私を、運命はあざ笑うかのように、彼に相応しい可愛い伯爵令嬢を寄こした。想うことにも疲れ果てた私は、彼への想いを捨て、彼のいない国に嫁ぐべく。だから、この魔力を捨てます――。
※「小説家になろう」、「カクヨム」でも掲載
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
利用されるだけの人生に、さよならを。
ふまさ
恋愛
公爵令嬢のアラーナは、婚約者である第一王子のエイベルと、実妹のアヴリルの不貞行為を目撃してしまう。けれど二人は悪びれるどころか、平然としている。どころか二人の仲は、アラーナの両親も承知していた。
アラーナの努力は、全てアヴリルのためだった。それを理解してしまったアラーナは、糸が切れたように、頑張れなくなってしまう。でも、頑張れないアラーナに、居場所はない。
アラーナは自害を決意し、実行する。だが、それを知った家族の反応は、残酷なものだった。
──しかし。
運命の歯車は確実に、ゆっくりと、狂っていく。
あなたの事は記憶に御座いません
cyaru
恋愛
この婚約に意味ってあるんだろうか。
ロペ公爵家のグラシアナはいつも考えていた。
婚約者の王太子クリスティアンは幼馴染のオルタ侯爵家の令嬢イメルダを側に侍らせどちらが婚約者なのかよく判らない状況。
そんなある日、グラシアナはイメルダのちょっとした悪戯で負傷してしまう。
グラシアナは「このチャンス!貰った!」と・・・記憶喪失を装い逃げ切りを図る事にした。
のだが…王太子クリスティアンの様子がおかしい。
目覚め、記憶がないグラシアナに「こうなったのも全て私の責任だ。君の生涯、どんな時も私が隣で君を支え、いかなる声にも盾になると誓う」なんて言い出す。
そりゃ、元をただせば貴方がちゃんとしないからですけどね??
記憶喪失を貫き、距離を取って逃げ切りを図ろうとするのだが何故かクリスティアンが今までに見せた事のない態度で纏わりついてくるのだった・・・。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★ニャンの日present♡ 5月18日投稿開始、完結は5月22日22時22分
★今回久しぶりの5日間という長丁場の為、ご理解お願いします(なんの?)
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
あなたへの想いを終わりにします
四折 柊
恋愛
シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)
半月後に死ぬと告げられたので、今まで苦しんだ分残りの人生は幸せになります!
八代奏多
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは恵まれていなかった。
両親には忌み子と言われ冷遇され、婚約者は浮気相手に夢中。
そしてトドメに、夢の中で「半月後に死ぬ」と余命宣告に等しい天啓を受けてしまう。
そんな状況でも、せめて最後くらいは幸せでいようと、レティシアは努力を辞めなかった。
すると不思議なことに、状況も運命も変わっていく。
そしてある時、冷徹と有名だけど優しい王子様に甘い言葉を囁かれるようになっていた。
それを知った両親が慌てて今までの扱いを謝るも、レティシアは許す気がなくて……。
恵まれない令嬢が運命を変え、幸せになるお話。
※「小説家になろう」「カクヨム」でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる