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話し合い

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 カサブランカ伯爵家の降爵は、あっさりと了承された。

 カサブランカ伯爵家の現状や、嫡男ではなく愛人の子を後継にしたことなどは、後妻を迎えた時点で耳に入っていたようだ。

 後継者を決めるのは当主の権利とはいえ、非のない嫡男を退けて新たに据えた後継と後妻が伯爵家の資産を食い潰し、領民に課税しそうなほどになっているのだ。

 その責任を取らなければならない。

 ルーナとしては、降爵なんて生温い処分でなく、それこそ生死がかかった場所、魔獣が現れる前線とかに送り込みたいくらいである。

 だが、カイルが家を出たのは、カイルが父親を見限った結果であり、伯爵たちが追い出したわけではない。

 まぁ、いずれは追い出したかもしれないし、何かの見返りを求めて婿に出したかもしれないが。

 疑わしきは罰せず、というわけではないだろうが、どっちでも良いかとルーナは判断した。

 どうせ降爵が不満で、何かやらかしてくれるだろう。

 その時に痛い目に合わせればいい話である。

 シシリーに傾倒しているアレックスとダグラスは、婚約解消が決まっている。

 まだ、本人たちは知らないけど。
どうせ何かやらかすだろうから、伝えないようにとセルビア公爵とロックベル侯爵には頼んであるのだ。

 二人とも廃籍も決まっている。
ライアンからも遠ざけられ、側近からは外された。

 ルーナとしては、おそらく「婚約破棄だ」と定番の馬鹿をやらかしてくれるだろうと踏んでいる。

 シシリーがその場にいるかどうかはわからないが、あの二人はその時にザマァすればいいだろう。

 しかし、二人して好きだと言って・・・シシリーを共有するつもりなんだろうか?

 魅了されているとそういう常識は曖昧になるらしいが。

 まぁ、どうなろうとどっちでもいいルーナである。

 あとは、王妃ヘスティア。
彼女には、国王陛下とルーナの母マーガレットがもう一度話をすることになった。

 ルーナには想う相手がいるから、ライアンとは婚約出来ないこと。

 ライアンが立太子し、リリアナはフィオレンサ次期公爵のランスロットに嫁ぐこと。

 それを話した上で納得しないようなら、南の離宮に幽閉すると国王は決断した。

 愛する妻にそんなことはしたくない。
王妃としての公務はちゃんと出来ている。

 だから決断出来なかったわけだが、さすがにライアンにリリアナ、シリウスとマーガレットに、決断しないなら国を捨てるとまで言われたらやむ得ない。

 自分はアダムスというヘスティアの夫である前に、アデライン王国の国王なのだから。
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