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公爵令嬢のひとり言④

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 ヒロインと攻略対象たちが出会った。

 本当はそこにランス兄様もいるはずだったけど、私の存在がやっぱり物語に影響してるみたいね。

 物語の中のランスロットは、ルーナのことを嫌っている。

 でも、現在のランス兄様は私のことを嫌いではないと思うし、私はライアン殿下と婚約もしていない。

 このまま、ヒロインがライアン殿下と結ばれてくれれば良いんだけど。

 ああ、でも、よくある転生者のヒドインとかだと、アデライン王国の先行きが不安になるわね。

 それに、ライアン殿下はいいけど、残りの三人は婚約者がいるから、攻略されると色々と問題が生じるわ。

 一応、三人とも嫡男で、騎士団長や宰相、神官長の後継なんだもの。

 優秀なはずの彼らが、廃嫡なんかになったら国としては大問題よ。

 別に私は、ランス兄様とカイルにさえちょっかい出してこなければ、どうなろうとかまわないけど。

 この後のイベントって、一番最初はライアン殿下だったわね。

 同じクラスになって、席が隣になるのよ。

 そのことで仲良く話す二人を見て、のルーナがヒロインに文句を言うんだけど・・・

 私、無関係だから何も言わないわよ?

 その場合、イベントって不発になるのかしら。

 学園のクラス分けは、入学試験の成績順。

 物語の都合上、当然ヒロインと攻略対象全員、そして悪役令嬢のルーナは同じクラスよ。

 別に平民だからって馬鹿にするつもりはないけど、貴族としてのマナーも身に付けれないヒロインが、成績優秀というのは無理がないかしら。

 乙女ゲームは嫌いじゃないけど、アレはゲームだから楽しいんであって、自分が当事者になったらもうツッコミまくりだわ。

 私や、私の大事な人と無縁のところで起きることなら、微笑ましく見守ってあげるわ。

 でも、同じクラスなのよね。
絶対、巻き込まれるわ。だって攻略対象のランス兄様が私にべったりくっついてるもの。

 やってもいないイジメの犯人にされたら大変。

 それにヒロインが転生者だったなら、魅了魔法を使われるかも。

 ランス兄様とカイルには、防御アイテムを持たさなきゃ。

 面倒だわ。
別にアデライン王国にこだわりはないから、ランス兄様のことがなければ他国に行くのに。

 でもランス兄様にとっては、フィオレンサ公爵家は亡きご両親の残した大事な思い出。

 カイルだって、あの屑な父親や愛人たちはともかく、亡くなったお母様の思い出のあるアデライン王国にいたいかもしれないし。

 今日帰ったら、防御アイテムを作りましょ。



 

 



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