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こんなはずではなかった《シャロン公爵視点》
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**断罪シーンをお求めの読者様がいらっしゃる為、残虐シーンがあります。読まなくても支障はありませんので、苦手な方はスキップしてください**
♢♢♢♢♢♢♢
「ぎゃあああああ!!」
我がシャロン公爵家の愛娘リーリアが、妻の攻撃を受けて叫び声をあげた。
妻は両手で抱えた石を、足元に投げ捨てている。
愛する娘と頭では理解しているのに、傷つけずにいられない。
しかも、どれだけ傷つけても、死んでこの苦痛から逃れることが出来ないのだ。
どれだけ血が流れても、心の臓を貫いても、傷は癒えないのに死ぬことができない。
「死ね!死ね!!」
その愛らしい顔を、血だらけにしたまま叫び続け、妻の頭を握った拳大の石で殴り続けるリーリア。
死ねないのに痛みは感じるために、妻は石を握ったリーリアの手に噛み付いている。
何故だ。何故だ。何故だ。
リーリアは愛しい娘。そう思っているのに、どうしてこんなにも憎いのだ。
痛みに苦しむ顔を見て、何故こんなにも喜びを感じるのだ。
こちらに向かってくる妻を、木の枝で殴り飛ばす。
枝が頬を突き破ったのを見て、笑みが浮かぶ。愛する妻なのに、どうしてこんなに喜びに胸が震えるのだろうか。
喜びと憎しみが心を支配している。
どうして、こんなことになったのだ?
確か、あの娘が家に戻って来た。
甘えたように寄ってくるあの娘を殴り飛ばし、すぐに王家に連絡しようと思っていたのだ。
それなのに、気がついたらあの娘は居なくなっていて、見たことのない森の中に、我々はいた。
愛しいはずの妻と娘が、憎くて仕方なかった。
頬に木の枝を突き刺したまま、妻が抱え上げた石を私に向かって投げつけて来る。
普通なら淑女である妻が持ち上げれないほどの大石は、頭に直撃し、何かが割れる鈍い音がした。
大笑いしている妻を地面に引きずり倒し、その右目に指を突き刺した。
「ぎゃあああああああああぁぁぁ!!!」
ズルリと引き出した眼球を、地面に投げ捨てる。
ああ。憎くて憎くて、仕方ない。
愛する妻だと理解しているのに、愛する娘だと理解しているのに、どうしてこんなに憎いのだ。
それに、何故こんなにも血が流れているのに、我らは死ねないのだ?
もう、こんな苦痛は嫌だ。
死にたい。楽になりたい。死にたくない。助けてくれ。
相反する心の声に、応えてくれるものはいない。
我々が流した血の匂いで、魔獣と呼ばれる獣が近づいていることを、我々はまだ知らなかった。
そしてそれは、首を食いちぎられるまで続く苦しみの始まりだった。
♢♢♢♢♢♢♢
「ぎゃあああああ!!」
我がシャロン公爵家の愛娘リーリアが、妻の攻撃を受けて叫び声をあげた。
妻は両手で抱えた石を、足元に投げ捨てている。
愛する娘と頭では理解しているのに、傷つけずにいられない。
しかも、どれだけ傷つけても、死んでこの苦痛から逃れることが出来ないのだ。
どれだけ血が流れても、心の臓を貫いても、傷は癒えないのに死ぬことができない。
「死ね!死ね!!」
その愛らしい顔を、血だらけにしたまま叫び続け、妻の頭を握った拳大の石で殴り続けるリーリア。
死ねないのに痛みは感じるために、妻は石を握ったリーリアの手に噛み付いている。
何故だ。何故だ。何故だ。
リーリアは愛しい娘。そう思っているのに、どうしてこんなにも憎いのだ。
痛みに苦しむ顔を見て、何故こんなにも喜びを感じるのだ。
こちらに向かってくる妻を、木の枝で殴り飛ばす。
枝が頬を突き破ったのを見て、笑みが浮かぶ。愛する妻なのに、どうしてこんなに喜びに胸が震えるのだろうか。
喜びと憎しみが心を支配している。
どうして、こんなことになったのだ?
確か、あの娘が家に戻って来た。
甘えたように寄ってくるあの娘を殴り飛ばし、すぐに王家に連絡しようと思っていたのだ。
それなのに、気がついたらあの娘は居なくなっていて、見たことのない森の中に、我々はいた。
愛しいはずの妻と娘が、憎くて仕方なかった。
頬に木の枝を突き刺したまま、妻が抱え上げた石を私に向かって投げつけて来る。
普通なら淑女である妻が持ち上げれないほどの大石は、頭に直撃し、何かが割れる鈍い音がした。
大笑いしている妻を地面に引きずり倒し、その右目に指を突き刺した。
「ぎゃあああああああああぁぁぁ!!!」
ズルリと引き出した眼球を、地面に投げ捨てる。
ああ。憎くて憎くて、仕方ない。
愛する妻だと理解しているのに、愛する娘だと理解しているのに、どうしてこんなに憎いのだ。
それに、何故こんなにも血が流れているのに、我らは死ねないのだ?
もう、こんな苦痛は嫌だ。
死にたい。楽になりたい。死にたくない。助けてくれ。
相反する心の声に、応えてくれるものはいない。
我々が流した血の匂いで、魔獣と呼ばれる獣が近づいていることを、我々はまだ知らなかった。
そしてそれは、首を食いちぎられるまで続く苦しみの始まりだった。
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