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魔国宰相の観察《レイ視点》
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私の名前は、レイ・シャンドル。
この魔国ティターニアの宰相をしている。
我々は魔族という種族になるが、国として存在している以上、カケラも人間と関わらずには生きていけない。
いや。生きてはいけるが、国として機能しなくなる。
それゆえに、宰相という役目が必要になるのだ。
ティターニア王族は、世襲制である。
魔王の血は、ティターニア家にしか継がれず、魔王となる者は漆黒の髪と瞳を必ず持って生まれてくる。
その、魔王に仕える配下は、実力主義となる。
いくら先代の時に王の側近にいようと、その子供が側近になれるわけではない。
大体、一括りに魔族といっても、多くの種族がいる。
種族が違えば、得意分野も寿命も違う。
なりたい者がなりたいところへ実力を以って示す、それが魔族流だ。
私は、現在の魔王陛下ジルベルト・フォン・ティターニア様よりも5年先に生まれた。
別に側近になりたいともなろうとも思っていなかった私が、宰相の座に就くきっかけとなったのは、ジルベルト様に3歳年下の妹姫が生まれたことだった。
我々は同族内での婚姻が多い。
その為、血が濃くなりすぎた弊害か、稀に病にかかる者、魔力のない者など特殊な者が生まれることがある。
そのために一定期間ごとに人間の血を入れ、血を薄める必要があった。
魔王妃殿下が、人との間に成した子供、それがラーミア様だった。
ティターニア王家の血を引いた漆黒の髪をした姫君のことを、ジルベルト様は忌み嫌っていた。
当時まだ3歳だったということもあるだろう。
母親が不貞の末に生んだ子だと思っていた節がある。
いずれは魔王妃となるべく、そしてジルベルト様との子供が難なく生まれてくるために生んだ娘を、息子が嫌うのを見て、魔王妃殿下は憔悴していかれた。
何度諭しても、まだ幼い殿下は聞き入れようとしなかった。
それでも、後数年経てば、殿下とて人間と交わる意味も理解され和解するはずだった。
だが、ジルベルト様が5歳になられた年、本来ならかかるはずのない病にラーミア様が倒れられたのだ。
最初は、発熱を繰り返していながらも意識があったラーミア様だが、それから3年間ずっとそれを繰り返し、そして5歳になられた時にそのまま意識を失われた。
病を防ぐために成した子供が、病にかかったショックは大きく、結果、魔王妃殿下は倒れられ、そのまま儚くなられてしまった。
最愛の妻を失った魔王陛下は、その後ジルベルト様に後を任せる準備を終えられた後に、魔王妃様を追うように崩御された。
ラーミア様が目覚められなくなったこと、そして自分の行いのせいで母親が亡くなったのだと思われたジルベルト様は、それから別人のようにラーミア様を見守られるようになった。
僕は、そんなジルベルト様をお支えしたい。そう力強く思ったからこそ、宰相にまで上りつめたのだ。
この魔国ティターニアの宰相をしている。
我々は魔族という種族になるが、国として存在している以上、カケラも人間と関わらずには生きていけない。
いや。生きてはいけるが、国として機能しなくなる。
それゆえに、宰相という役目が必要になるのだ。
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魔王の血は、ティターニア家にしか継がれず、魔王となる者は漆黒の髪と瞳を必ず持って生まれてくる。
その、魔王に仕える配下は、実力主義となる。
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その為、血が濃くなりすぎた弊害か、稀に病にかかる者、魔力のない者など特殊な者が生まれることがある。
そのために一定期間ごとに人間の血を入れ、血を薄める必要があった。
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当時まだ3歳だったということもあるだろう。
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いずれは魔王妃となるべく、そしてジルベルト様との子供が難なく生まれてくるために生んだ娘を、息子が嫌うのを見て、魔王妃殿下は憔悴していかれた。
何度諭しても、まだ幼い殿下は聞き入れようとしなかった。
それでも、後数年経てば、殿下とて人間と交わる意味も理解され和解するはずだった。
だが、ジルベルト様が5歳になられた年、本来ならかかるはずのない病にラーミア様が倒れられたのだ。
最初は、発熱を繰り返していながらも意識があったラーミア様だが、それから3年間ずっとそれを繰り返し、そして5歳になられた時にそのまま意識を失われた。
病を防ぐために成した子供が、病にかかったショックは大きく、結果、魔王妃殿下は倒れられ、そのまま儚くなられてしまった。
最愛の妻を失った魔王陛下は、その後ジルベルト様に後を任せる準備を終えられた後に、魔王妃様を追うように崩御された。
ラーミア様が目覚められなくなったこと、そして自分の行いのせいで母親が亡くなったのだと思われたジルベルト様は、それから別人のようにラーミア様を見守られるようになった。
僕は、そんなジルベルト様をお支えしたい。そう力強く思ったからこそ、宰相にまで上りつめたのだ。
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