57 / 134
対価のお話
しおりを挟む
「別に材料さえ揃えてくれたら、結界石作りますよ?」
そう言ったら、グレン皇子とクラウド王子が食いついた。
「本当にいいの?」
「良いですよ、材料さえ揃えてくれるなら、特別価格で作ります。ただ・・・結界石って作ったらはい!オーケーってわけじゃないんですよ。定期的に聖力を注いでやらないとただの石になってしまうんで」
「代金はそのメンテナンス代込みかな?いくらくらい?」
あ、いくらくらいが相場なんだろう?
シンクレア王国では、ほぼただ働きみたいなものだったからなぁ。
シキにはある程度の金貨をもらった。
生活費とか取られてないし、カルディアに結界石を置いたのは、私によくしてくれた宿屋の女将さんたちを守りたかったのと、クロの大事な家族のナイトのためだから、あくまでもある程度だ。
どう答えるべきか分からなくて、シキを見ると、シキはため息を吐きながらもグレン様たちに答えてくれた。
「シンクレア王国では、まともに支払われていなかったらしい。だから、お前らがこれならティアが喜ぶと思うものをやれば良いんじゃないか?そもそもティアは金にこだわっているわけじゃない」
「そうなの?特別価格でとか言うから、欲しい物でもあるのかと思ったよ」
「無償でやらないのは、相手がそれを当たり前だと思うのを防ぐためだろう。したことに対価があるのは当然だからな」
シキの言葉に、グレン皇子もクラウド王子も納得したように頷いてくれた。
シキは・・・
最初の、出会いの印象こそ悪かったけど、こういうとこ本当によくわかってくれてると思う。
たまにむくれてる時もあるけど、何で機嫌が悪いかちゃんと理由も言ってくれる。
クラウド王子もグレン皇子も、私は二人のことをよく知らないけど、シキが心を許してるところを見ると、悪い人じゃないんだと思う。
「しかし、ティア嬢の欲しいものか・・・」
「宝石やドレス・・・は興味なさそうだねぇ」
「なら、ドラゴンなどの希少な魔石とか?」
確かに私は、宝石にもドレスにも興味がない。
私は平民だからドレスとか着る機会もないし、動きにくいから着たいとも思わない。
宝石にしても、キラキラしてて綺麗だとは思うけど、平民の子供がそんなの持ってたら、強奪されるだけだ。
ドラゴンとかの魔石に興味がないと言えば嘘になるけど、まだ収納の中に異常種のドラゴンの魔石は入ったままだ。
売れないものを貰ってもなぁ。
いや、むしろアーバンラマの皇子にもらったと言って、一緒に売れば良いのか?
そう言ったら、グレン皇子とクラウド王子が食いついた。
「本当にいいの?」
「良いですよ、材料さえ揃えてくれるなら、特別価格で作ります。ただ・・・結界石って作ったらはい!オーケーってわけじゃないんですよ。定期的に聖力を注いでやらないとただの石になってしまうんで」
「代金はそのメンテナンス代込みかな?いくらくらい?」
あ、いくらくらいが相場なんだろう?
シンクレア王国では、ほぼただ働きみたいなものだったからなぁ。
シキにはある程度の金貨をもらった。
生活費とか取られてないし、カルディアに結界石を置いたのは、私によくしてくれた宿屋の女将さんたちを守りたかったのと、クロの大事な家族のナイトのためだから、あくまでもある程度だ。
どう答えるべきか分からなくて、シキを見ると、シキはため息を吐きながらもグレン様たちに答えてくれた。
「シンクレア王国では、まともに支払われていなかったらしい。だから、お前らがこれならティアが喜ぶと思うものをやれば良いんじゃないか?そもそもティアは金にこだわっているわけじゃない」
「そうなの?特別価格でとか言うから、欲しい物でもあるのかと思ったよ」
「無償でやらないのは、相手がそれを当たり前だと思うのを防ぐためだろう。したことに対価があるのは当然だからな」
シキの言葉に、グレン皇子もクラウド王子も納得したように頷いてくれた。
シキは・・・
最初の、出会いの印象こそ悪かったけど、こういうとこ本当によくわかってくれてると思う。
たまにむくれてる時もあるけど、何で機嫌が悪いかちゃんと理由も言ってくれる。
クラウド王子もグレン皇子も、私は二人のことをよく知らないけど、シキが心を許してるところを見ると、悪い人じゃないんだと思う。
「しかし、ティア嬢の欲しいものか・・・」
「宝石やドレス・・・は興味なさそうだねぇ」
「なら、ドラゴンなどの希少な魔石とか?」
確かに私は、宝石にもドレスにも興味がない。
私は平民だからドレスとか着る機会もないし、動きにくいから着たいとも思わない。
宝石にしても、キラキラしてて綺麗だとは思うけど、平民の子供がそんなの持ってたら、強奪されるだけだ。
ドラゴンとかの魔石に興味がないと言えば嘘になるけど、まだ収納の中に異常種のドラゴンの魔石は入ったままだ。
売れないものを貰ってもなぁ。
いや、むしろアーバンラマの皇子にもらったと言って、一緒に売れば良いのか?
58
お気に入りに追加
2,556
あなたにおすすめの小説
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
聖女ウリヤナは聖なる力を失った。心当たりはなんとなくある。求められるがまま、婚約者でありイングラム国の王太子であるクロヴィスと肌を重ねてしまったからだ。
「聖なる力を失った君とは結婚できない」クロヴィスは静かに言い放つ。そんな彼の隣に寄り添うのは、ウリヤナの友人であるコリーン。
聖なる力を失った彼女は、その日、婚約者と友人を失った――。
※以前投稿した短編の長編です。予約投稿を失敗しないかぎり、完結まで毎日更新される予定。
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる