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最終章
1つに溶け合って《グレイス視点》
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セレスティーナ様の決意が固いことが、私にも伝わってきます。
だけど、私とセレスティーナ様の魂を融合するなんて、一体どうやればいいのでしょうか。
私にはそんな知識はありませんし、ずっと眠られていたセレスティーナ様にあるわけがありめせん。
ディアナだってないと思うのですが。
「それで、ディアナ。一体どうやろうというのですか?先程も言いましたが、失敗はできないのですよ?」
「まずはお姉様とセレスティーナ様は手を繋いで下さい。あ。両手ともですよ。そして、私がその繋いだ上から触れますね。私も繋いじゃうと、私まで融合しちゃいますから」
ディアナはケラケラと笑いながら、そんなことを言います。
本当に、この子は変に気負っていないというか、何というか。
私とセレスティーナ様は、向かい合って手を繋ぎます。その繋いだ手の上にディアナが手を重ねました。
「セレスティーナ様、お姉様。お2人とも1つに溶け合って同じ未来に向かうのだと強く思って下さい。2人で必ず皇太子殿下の元へ帰るのだと。強い思いが願いを叶えるんです。強く強く思って下さい」
「同じ未来に・・・」
「アル兄様の元へ私たち2人で戻るの」
「お姉様。お姉様の聖女の力に私の力を注いでいきます。私の力を混ぜ合わせて、ご自分とセレスティーナ様を包むように力を流してください」
難しいことを言う子です。流れ込んでくるディアナの力と自分の聖女の力を混ぜ合わせるのですね。
難しいことだと思いましたが、私とディアナは姉妹だからでしょうか。聖女の力は、綺麗に溶け合いました。
虹色の光を放つ聖女の力を、私とセレスティーナ様を包むように流し込んでいきます。
フッと脳裏にアル兄様の顔が浮かびました。
アル兄様・・・アレクシス皇太子殿下。
大好きな、大好きな人。
本当は、帰りたかった。
私のことを愛してくれたあの人のところへ、戻りたかった。
だけど、私を守るために10年も眠りについていたセレスティーナ様のことを考えたら、そんな我儘言えませんでした。
この体はセレスティーナ様のものだから。グレイスはずっと前に死んでいるんだから。
「グレイス。我儘を言っていいの。私のものだからとか、自分は死んてるのだからとか考えないで。私たち、一緒に幸せになりましょう?」
セレスティーナ様の言葉が、優しく私の体に染み渡っていきます。
セレスティーナ様と一緒に・・・
幸せに・・・
「お姉様、幸せになって?きっと、お父様もお母様も天国からそれを望んでいるわ」
お父様、お母様。
私のせいで、お若くして死なせてしまいました。私が何も相談せずに死を選んだりしたから、苦しめてしまいました。
お父様とお母様は私が幸せになることを望んでくれているの?
そこまで考えたときー
脳裏に微笑むお父様とお母様の姿が浮かび、そして私の意識はそこで途切れました。
だけど、私とセレスティーナ様の魂を融合するなんて、一体どうやればいいのでしょうか。
私にはそんな知識はありませんし、ずっと眠られていたセレスティーナ様にあるわけがありめせん。
ディアナだってないと思うのですが。
「それで、ディアナ。一体どうやろうというのですか?先程も言いましたが、失敗はできないのですよ?」
「まずはお姉様とセレスティーナ様は手を繋いで下さい。あ。両手ともですよ。そして、私がその繋いだ上から触れますね。私も繋いじゃうと、私まで融合しちゃいますから」
ディアナはケラケラと笑いながら、そんなことを言います。
本当に、この子は変に気負っていないというか、何というか。
私とセレスティーナ様は、向かい合って手を繋ぎます。その繋いだ手の上にディアナが手を重ねました。
「セレスティーナ様、お姉様。お2人とも1つに溶け合って同じ未来に向かうのだと強く思って下さい。2人で必ず皇太子殿下の元へ帰るのだと。強い思いが願いを叶えるんです。強く強く思って下さい」
「同じ未来に・・・」
「アル兄様の元へ私たち2人で戻るの」
「お姉様。お姉様の聖女の力に私の力を注いでいきます。私の力を混ぜ合わせて、ご自分とセレスティーナ様を包むように力を流してください」
難しいことを言う子です。流れ込んでくるディアナの力と自分の聖女の力を混ぜ合わせるのですね。
難しいことだと思いましたが、私とディアナは姉妹だからでしょうか。聖女の力は、綺麗に溶け合いました。
虹色の光を放つ聖女の力を、私とセレスティーナ様を包むように流し込んでいきます。
フッと脳裏にアル兄様の顔が浮かびました。
アル兄様・・・アレクシス皇太子殿下。
大好きな、大好きな人。
本当は、帰りたかった。
私のことを愛してくれたあの人のところへ、戻りたかった。
だけど、私を守るために10年も眠りについていたセレスティーナ様のことを考えたら、そんな我儘言えませんでした。
この体はセレスティーナ様のものだから。グレイスはずっと前に死んでいるんだから。
「グレイス。我儘を言っていいの。私のものだからとか、自分は死んてるのだからとか考えないで。私たち、一緒に幸せになりましょう?」
セレスティーナ様の言葉が、優しく私の体に染み渡っていきます。
セレスティーナ様と一緒に・・・
幸せに・・・
「お姉様、幸せになって?きっと、お父様もお母様も天国からそれを望んでいるわ」
お父様、お母様。
私のせいで、お若くして死なせてしまいました。私が何も相談せずに死を選んだりしたから、苦しめてしまいました。
お父様とお母様は私が幸せになることを望んでくれているの?
そこまで考えたときー
脳裏に微笑むお父様とお母様の姿が浮かび、そして私の意識はそこで途切れました。
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