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最終章
邂逅《グレイス視点》
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暖かい光とともに訪れたソレに目を見開きます。
そこにいたのは、私の記憶の中のお母様よりも年齢を重ねた女性と、私が命を絶った時と同じくらいの少女。
それが誰なのか、今の私には分かります。
大切な、大切な、たった1人の妹であるディアナ。
そして、私を助けるために犠牲になってしまい、長い眠りについていたセレスティーナです。
2人はそれぞれ私を、左右から抱きしめてきました。
「お姉様」
「グレイス」
ああ。なんて幸せなんでしょう。これは私が消滅する前に、神様が与えてくれた最後のご褒美なのでしょうか。
「駄目よ。消滅なんて。そんなことされたら、困るの」
セレスティーナがそう言います。あら?考えてることが筒抜けなのかしら。
「ここはセレスティーナ様の深層です。思っていることは全てセレスティーナに伝わりますわ」
今度はディアナが説明してくれます。昔からしっかりした子でしたけど、なんだか私の方が妹みたいですわ。頼りない姉でごめんなさいね。
「グレイス。時間があまりないから、端的に説明するわ。お願い。セレスティーナとして生きて欲しいの」
「な、なにを・・・」
「グレイスなら分かるでしょう?今の私を形成しているのが、自分自身の聖女の力だということが。このままだとセレスティーナが死んでしまうの。それだけは絶対に嫌。ねぇ、お願い。もう一度戻って来て」
セレスティーナの言っていることを理解らないと言いたいのに、分かってしまうのです。セレスティーナの言っていることが本当のことだと。
今のセレスティーナの魂を形成しているのは、私の聖女としての力で、深層にいる今は普通に存在していますが、私から離れれば、少しずつその魂が崩れていってしまうことが、分かってしまうのです。
だけど。
だけど、嫌です。セレスティーナは私のせいで死んでしまったようなものなのに。私のせいで、10年間も眠りについていたのに。
また、セレスティーナに眠れというのですか。
そんなことは絶対に嫌。
私の聖女の力を全て注ぎ込んでも、セレスティーナにはセレスティーナとして生きてもらいたいのです。
私の思っているのことは、言葉にしなくてもセレスティーナには伝わります。
セレスティーナは悲しそうに微笑うと、私に抱きついて来ました。
「グレイス。お願い。私に聖女の力をくれてもこのまま生き残れるかは分からない。でも、グレイスが戻ってくれたなら、セレスティーナは死なずに済むの」
分かります。言いたい事は痛いほど分かります。
だけど、嫌です。ここでセレスティーナを見捨てたら、私はアレクシス殿下の顔を真っ直ぐに見れなくなります。
セレスティーナには生きていて欲しいのです。
そこにいたのは、私の記憶の中のお母様よりも年齢を重ねた女性と、私が命を絶った時と同じくらいの少女。
それが誰なのか、今の私には分かります。
大切な、大切な、たった1人の妹であるディアナ。
そして、私を助けるために犠牲になってしまい、長い眠りについていたセレスティーナです。
2人はそれぞれ私を、左右から抱きしめてきました。
「お姉様」
「グレイス」
ああ。なんて幸せなんでしょう。これは私が消滅する前に、神様が与えてくれた最後のご褒美なのでしょうか。
「駄目よ。消滅なんて。そんなことされたら、困るの」
セレスティーナがそう言います。あら?考えてることが筒抜けなのかしら。
「ここはセレスティーナ様の深層です。思っていることは全てセレスティーナに伝わりますわ」
今度はディアナが説明してくれます。昔からしっかりした子でしたけど、なんだか私の方が妹みたいですわ。頼りない姉でごめんなさいね。
「グレイス。時間があまりないから、端的に説明するわ。お願い。セレスティーナとして生きて欲しいの」
「な、なにを・・・」
「グレイスなら分かるでしょう?今の私を形成しているのが、自分自身の聖女の力だということが。このままだとセレスティーナが死んでしまうの。それだけは絶対に嫌。ねぇ、お願い。もう一度戻って来て」
セレスティーナの言っていることを理解らないと言いたいのに、分かってしまうのです。セレスティーナの言っていることが本当のことだと。
今のセレスティーナの魂を形成しているのは、私の聖女としての力で、深層にいる今は普通に存在していますが、私から離れれば、少しずつその魂が崩れていってしまうことが、分かってしまうのです。
だけど。
だけど、嫌です。セレスティーナは私のせいで死んでしまったようなものなのに。私のせいで、10年間も眠りについていたのに。
また、セレスティーナに眠れというのですか。
そんなことは絶対に嫌。
私の聖女の力を全て注ぎ込んでも、セレスティーナにはセレスティーナとして生きてもらいたいのです。
私の思っているのことは、言葉にしなくてもセレスティーナには伝わります。
セレスティーナは悲しそうに微笑うと、私に抱きついて来ました。
「グレイス。お願い。私に聖女の力をくれてもこのまま生き残れるかは分からない。でも、グレイスが戻ってくれたなら、セレスティーナは死なずに済むの」
分かります。言いたい事は痛いほど分かります。
だけど、嫌です。ここでセレスティーナを見捨てたら、私はアレクシス殿下の顔を真っ直ぐに見れなくなります。
セレスティーナには生きていて欲しいのです。
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