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最終章
聖女ディアナ《セレスティーナ視点》
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ジュディを同席させて、グレイスの妹であるディアナを私室に招き入れました。
もちろん、ジュディは護衛だから、扉のところに控えています。
ディアナは、私からしたらお母様より年上で、向かい合って座るとちょっと緊張してしまいます。
「お久しぶりです。皇女殿下。お会いしたのは殿下が5歳の頃ですから、覚えていらっしゃらないかもしれませんが」
ディアナと会ったことは、グレイスの日記で理解しています。
「いえ。おぼろげですが、覚えております。ディアナ様のお姉様のお墓でお目にかかりましたね。ご子息は大きくなられたことでしょう」
「え、ええ。皇女殿下の1歳年上になりますので、昨年学園を卒業いたしまして、現在は伯爵家を継ぐべく学んでいるところです」
ディアナ様は、にこやかに話してくださいます。
そうですね。グレイスがディアナ様とお会いしたのは5歳でしたから、あれから10年も経っているのですね。
それでも、ディアナ様が幸せそうで良かったです。グレイスも安心すると思います。
まずは、グレイスの書いた、私の10年分の日記を読んでもらう予定です。
ジュディに席を外してもらえるとしても5分程度でしょう。
全てを話すことは不可能です。
それに、あの日記を読んでもらえば、私が話すよりも理解できると思うのです。
その上で、私がディアナにして欲しいことを、ジュディに外してもらう僅かな時間で話すつもりです。
「早速ですが、まずはこれを読んで下さい。ただし、感想や意見は後でお伺いしますから、決して発言なさらないようにお願いします」
私はそう言って、グレイスが私としてつけてくれていた日記を、ディアナに渡しました。
ディアナは不思議そうにしながらもそれを受け取り、表紙を開きます。
ここからが正念場です。
おそらく次の機会はありません。それに、ディアナに力を借りれなければ、全てが失われてしまうのです。
私は祈るように、ディアナが日記を読み終えるのを待ちます。
彼女は時折り、驚いたように私を見つめますが、約束通りに発言することはありませんでした。
ディアナが全てを読み終え、私に黙ったまま日記を返してくれたことで、私は入口に控えているジュディを呼び寄せました。
「ジュディ。ほんの少しでいいの。外して」
「いけません!私は姫様の護衛です。いないものとして下さって構いません」
「ジュディ。とても大切な話なの。アル兄様にすら聞かせられないことなの。それを貴女が聞くつもり?」
「セレスティーナ様・・・私は姫様からほんの少し離れてしまったことで、あのような事件を招いてしまいました。もう2度とお側を離れないと誓ったのです」
困りました。ジュディはどうにも引いてくれないみたいです。
アル兄様が私に与えてくれた時間は僅かです。もうすぐここにやってくるでしょう。
私は決断を迫られることになりました。
もちろん、ジュディは護衛だから、扉のところに控えています。
ディアナは、私からしたらお母様より年上で、向かい合って座るとちょっと緊張してしまいます。
「お久しぶりです。皇女殿下。お会いしたのは殿下が5歳の頃ですから、覚えていらっしゃらないかもしれませんが」
ディアナと会ったことは、グレイスの日記で理解しています。
「いえ。おぼろげですが、覚えております。ディアナ様のお姉様のお墓でお目にかかりましたね。ご子息は大きくなられたことでしょう」
「え、ええ。皇女殿下の1歳年上になりますので、昨年学園を卒業いたしまして、現在は伯爵家を継ぐべく学んでいるところです」
ディアナ様は、にこやかに話してくださいます。
そうですね。グレイスがディアナ様とお会いしたのは5歳でしたから、あれから10年も経っているのですね。
それでも、ディアナ様が幸せそうで良かったです。グレイスも安心すると思います。
まずは、グレイスの書いた、私の10年分の日記を読んでもらう予定です。
ジュディに席を外してもらえるとしても5分程度でしょう。
全てを話すことは不可能です。
それに、あの日記を読んでもらえば、私が話すよりも理解できると思うのです。
その上で、私がディアナにして欲しいことを、ジュディに外してもらう僅かな時間で話すつもりです。
「早速ですが、まずはこれを読んで下さい。ただし、感想や意見は後でお伺いしますから、決して発言なさらないようにお願いします」
私はそう言って、グレイスが私としてつけてくれていた日記を、ディアナに渡しました。
ディアナは不思議そうにしながらもそれを受け取り、表紙を開きます。
ここからが正念場です。
おそらく次の機会はありません。それに、ディアナに力を借りれなければ、全てが失われてしまうのです。
私は祈るように、ディアナが日記を読み終えるのを待ちます。
彼女は時折り、驚いたように私を見つめますが、約束通りに発言することはありませんでした。
ディアナが全てを読み終え、私に黙ったまま日記を返してくれたことで、私は入口に控えているジュディを呼び寄せました。
「ジュディ。ほんの少しでいいの。外して」
「いけません!私は姫様の護衛です。いないものとして下さって構いません」
「ジュディ。とても大切な話なの。アル兄様にすら聞かせられないことなの。それを貴女が聞くつもり?」
「セレスティーナ様・・・私は姫様からほんの少し離れてしまったことで、あのような事件を招いてしまいました。もう2度とお側を離れないと誓ったのです」
困りました。ジュディはどうにも引いてくれないみたいです。
アル兄様が私に与えてくれた時間は僅かです。もうすぐここにやってくるでしょう。
私は決断を迫られることになりました。
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