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最終章
某国の王女
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私が、セレスティーナの中に生まれ変わってから10年経ちました。
正確にはあと半年ほどで10年です。
私の15歳の誕生日に結婚式をすることになっていますから。
私はアルバム皇国の皇女として、お父様やお母様、婚約者となった皇太子のアル兄様だけでなく、皇城に勤める皆様やメリッサ様たちお友達にもとても大切にしていただいています。
私を害しようとする方は、かつてのブラシール王国の方くらいで、大切に大切にされて来ました。
アル兄様は、見目麗しく、しかもとても優秀な皇太子殿下ですから、10歳も年下の皇女が婚約者になってからも、多くのご令嬢が紹介され続けて来ました。
一応、婚約者が皇女ですから、あからさまに釣書が届くということはありませんでしたが、夜会や色々な場面で、アル兄様に娘を紹介する貴族の方を見かけました。
それでも、アル兄様がやんわりと、でもキチンとお断りしてくれていたので、私がアル兄様の気持ちを疑うことなどカケラもありません。
このまま、セレスティーナとしてアル兄様と結婚する。ずっとそう信じて来ました。
そして、半年後にはそれが実現するのです。
だから、私は油断していたのかもしれません。
目下の薔薇園で、綺麗な金髪を風に揺らしながら、アル兄様に微笑みかける王女殿下の姿を見ながら、私は胸の奥がずくんと痛むのを感じました。
その王女殿下は、遠く離れた大国の第2王女様で、お名前をシシア・セントフォース様とおっしゃいます。
セントフォース王国は、聖王国と呼ばれる聖女信仰の強い国です。
シシア王女殿下も第1王女殿下も聖女様で、聖女としてのお力をお持ちだそうです。
その国から、結婚のお祝いにと訪れて下さったシシア王女殿下をアル兄様がお相手するのは当然のことだと思います。
私が婚姻と卒業の準備で忙しいために、アル兄様が気を遣って下さっていることも理解しています。
シシア王女殿下は、アル兄様の5歳年下の、とてもお綺麗な方です。
その金糸の髪も、煌めく金の瞳も、物語の中のお姫様そのものです。
だから、そんなお綺麗な方がアル兄様に微笑みかけるのを見ると、胸が痛む気がするのです。
私はそっと窓際から離れました。
この後、ドレスの調整があります。そろそろ針子の方たちがみえることでしょう。
そのために私はシシア王女殿下が薔薇園を見たいとおっしゃったので、そのエスコートをアル兄様にお願いしたのです。
皇妃であるお母様は、3日前からお父様と一緒に隣国へ出向かれているのです。
だから、シシア王女殿下の接待をするのは、私かアル兄様しかいない。そのことは理解しているつもりでした。
正確にはあと半年ほどで10年です。
私の15歳の誕生日に結婚式をすることになっていますから。
私はアルバム皇国の皇女として、お父様やお母様、婚約者となった皇太子のアル兄様だけでなく、皇城に勤める皆様やメリッサ様たちお友達にもとても大切にしていただいています。
私を害しようとする方は、かつてのブラシール王国の方くらいで、大切に大切にされて来ました。
アル兄様は、見目麗しく、しかもとても優秀な皇太子殿下ですから、10歳も年下の皇女が婚約者になってからも、多くのご令嬢が紹介され続けて来ました。
一応、婚約者が皇女ですから、あからさまに釣書が届くということはありませんでしたが、夜会や色々な場面で、アル兄様に娘を紹介する貴族の方を見かけました。
それでも、アル兄様がやんわりと、でもキチンとお断りしてくれていたので、私がアル兄様の気持ちを疑うことなどカケラもありません。
このまま、セレスティーナとしてアル兄様と結婚する。ずっとそう信じて来ました。
そして、半年後にはそれが実現するのです。
だから、私は油断していたのかもしれません。
目下の薔薇園で、綺麗な金髪を風に揺らしながら、アル兄様に微笑みかける王女殿下の姿を見ながら、私は胸の奥がずくんと痛むのを感じました。
その王女殿下は、遠く離れた大国の第2王女様で、お名前をシシア・セントフォース様とおっしゃいます。
セントフォース王国は、聖王国と呼ばれる聖女信仰の強い国です。
シシア王女殿下も第1王女殿下も聖女様で、聖女としてのお力をお持ちだそうです。
その国から、結婚のお祝いにと訪れて下さったシシア王女殿下をアル兄様がお相手するのは当然のことだと思います。
私が婚姻と卒業の準備で忙しいために、アル兄様が気を遣って下さっていることも理解しています。
シシア王女殿下は、アル兄様の5歳年下の、とてもお綺麗な方です。
その金糸の髪も、煌めく金の瞳も、物語の中のお姫様そのものです。
だから、そんなお綺麗な方がアル兄様に微笑みかけるのを見ると、胸が痛む気がするのです。
私はそっと窓際から離れました。
この後、ドレスの調整があります。そろそろ針子の方たちがみえることでしょう。
そのために私はシシア王女殿下が薔薇園を見たいとおっしゃったので、そのエスコートをアル兄様にお願いしたのです。
皇妃であるお母様は、3日前からお父様と一緒に隣国へ出向かれているのです。
だから、シシア王女殿下の接待をするのは、私かアル兄様しかいない。そのことは理解しているつもりでした。
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