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第1章
後悔と生きる道
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私は、ディアナの言葉に涙がこぼれました。
私があの時、選択を誤ったため、お父様もお母様も王太子殿下もお亡くなりになり、ディアナや国王陛下、王妃様もきっと辛い思いをされたのでしょう。
私は何故、死を選んだりしたのでしょうか。もっと早く、お父様やお母様、王妃様に相談していたら、違う未来があったのではないでしょうか。
「辛いお話をさせてしまい申し訳ありません」
「いえ。姉のことは誰にも話せずにいました。ずっと誰かに話したかったのです。姉は私の憧れでした。父も母も、姉のようになれと聖女になった私に言いました。もっと、それを私たち家族は姉に伝えるべきだったのです。そうしたら、姉も王太子殿下に虐げられていることを相談してくれたに違いありません。いまさら悔やんでも仕方ないことだけど、それでも姉の話を出来たことで、やっと姉の死を認められた気がするのです」
「そう・・・ですか」
「私はこの国で新しい家族と暮らしていきます。姉もきっと見守ってくれていると思いますから。今日はお墓参りに来てよかったです。皇太子殿下と皇女様にお会いできて、姉のことを聞いていただけて」
そう言うと、ディアナはベンチから立ち上がりました。
ディアナ。私の自慢の妹。
優しく、愛らしく、本当に聖女に相応しい貴女のことを、私は大好きです。
辛い思いをさせてしまい、ごめんなさいね。
新しい家族とどうか幸せに。お父様とお母様、そして私の分も長生きして、幸せな人生を送ってください。
「長く引きとめてしまい、申し訳ありません。最後に1つ・・・貴女は今は聖女様ではないのですか?」
アル兄様の問いに、ディアナはクスリと微笑いました。
「姉の死の時に私は確かに聖女と認定されていました。でも、姉を死から救うことができず、そしてあの後、私から聖女の力は失われていたんです。どうやら、聖女だったのは姉で、私が付けていた姉から贈られたブレスレットにその力が宿っていただけだったみたいなんです。結局、あの王太子は自分の愚かな勘違いの為に、国を滅ぼしてしまったんです。聖女を虐げ死に追いやったんですから」
聖女?私が・・・?
灰色の魔女と呼ばれ、魔力こそは多くあれど、誰もに蔑まれていると思っていた私が、聖女だった?
混乱する私の背中を、アル兄様が何度も撫でてくれます。
わかって・・・います。今の私はセレスティーナ。ディアナに不審に思われるわけにはいかないことは、理解しています。
だけど、ディアナ。
せめて1度だけでいい。もう1度貴女を抱きしめたい。
「皇女様?」
「申し訳ありませんが、セレスティーナを少し抱いていてもらえますか?少し護衛に用がありまして。すぐに戻りますので」
「え?ええ。構いませんわ。皇女様、少しだけ我慢して下さいね?」
アル兄様から私を受け取り、ディアナに抱かれます。
アル兄様がわざとディアナに私を預けてくれたことはわかりました。
ありがとう、アル兄様。ほんの少しだけ。ディアナにぎゅっと抱きつきます。
「皇女様はおいくつですか?」
「5歳です」
「じゃあ、うちのイワンと同い年ですね。うちは男の子だからやんちゃで。次は姉に似た子が生まれるといいんですが」
そう言いながら、優しい瞳で私を見つめてくれるディアナに、私はもう1度抱きつきました。
きっと、次は女の子が生まれます。きっと貴女に似た優しく愛らしい女の子が。
戻ってきたアル兄様と、ディアナに手を振って別れを告げました。
ディアナ。どうか幸せに。
私があの時、選択を誤ったため、お父様もお母様も王太子殿下もお亡くなりになり、ディアナや国王陛下、王妃様もきっと辛い思いをされたのでしょう。
私は何故、死を選んだりしたのでしょうか。もっと早く、お父様やお母様、王妃様に相談していたら、違う未来があったのではないでしょうか。
「辛いお話をさせてしまい申し訳ありません」
「いえ。姉のことは誰にも話せずにいました。ずっと誰かに話したかったのです。姉は私の憧れでした。父も母も、姉のようになれと聖女になった私に言いました。もっと、それを私たち家族は姉に伝えるべきだったのです。そうしたら、姉も王太子殿下に虐げられていることを相談してくれたに違いありません。いまさら悔やんでも仕方ないことだけど、それでも姉の話を出来たことで、やっと姉の死を認められた気がするのです」
「そう・・・ですか」
「私はこの国で新しい家族と暮らしていきます。姉もきっと見守ってくれていると思いますから。今日はお墓参りに来てよかったです。皇太子殿下と皇女様にお会いできて、姉のことを聞いていただけて」
そう言うと、ディアナはベンチから立ち上がりました。
ディアナ。私の自慢の妹。
優しく、愛らしく、本当に聖女に相応しい貴女のことを、私は大好きです。
辛い思いをさせてしまい、ごめんなさいね。
新しい家族とどうか幸せに。お父様とお母様、そして私の分も長生きして、幸せな人生を送ってください。
「長く引きとめてしまい、申し訳ありません。最後に1つ・・・貴女は今は聖女様ではないのですか?」
アル兄様の問いに、ディアナはクスリと微笑いました。
「姉の死の時に私は確かに聖女と認定されていました。でも、姉を死から救うことができず、そしてあの後、私から聖女の力は失われていたんです。どうやら、聖女だったのは姉で、私が付けていた姉から贈られたブレスレットにその力が宿っていただけだったみたいなんです。結局、あの王太子は自分の愚かな勘違いの為に、国を滅ぼしてしまったんです。聖女を虐げ死に追いやったんですから」
聖女?私が・・・?
灰色の魔女と呼ばれ、魔力こそは多くあれど、誰もに蔑まれていると思っていた私が、聖女だった?
混乱する私の背中を、アル兄様が何度も撫でてくれます。
わかって・・・います。今の私はセレスティーナ。ディアナに不審に思われるわけにはいかないことは、理解しています。
だけど、ディアナ。
せめて1度だけでいい。もう1度貴女を抱きしめたい。
「皇女様?」
「申し訳ありませんが、セレスティーナを少し抱いていてもらえますか?少し護衛に用がありまして。すぐに戻りますので」
「え?ええ。構いませんわ。皇女様、少しだけ我慢して下さいね?」
アル兄様から私を受け取り、ディアナに抱かれます。
アル兄様がわざとディアナに私を預けてくれたことはわかりました。
ありがとう、アル兄様。ほんの少しだけ。ディアナにぎゅっと抱きつきます。
「皇女様はおいくつですか?」
「5歳です」
「じゃあ、うちのイワンと同い年ですね。うちは男の子だからやんちゃで。次は姉に似た子が生まれるといいんですが」
そう言いながら、優しい瞳で私を見つめてくれるディアナに、私はもう1度抱きつきました。
きっと、次は女の子が生まれます。きっと貴女に似た優しく愛らしい女の子が。
戻ってきたアル兄様と、ディアナに手を振って別れを告げました。
ディアナ。どうか幸せに。
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