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ラムズベルト子爵令嬢②
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「私、平民の恋人がいるのです」
そう言われて・・・びっくりして固まってしまった。
別に、平民の恋人がいるから悪いとは思わないわ。
驚いたのは、罪を犯すほど皇妃の座にこだわっていたのに、シリカ様が平民の方と交際されていることを夫人が気付かなかったことよ。
こう言ってはなんだけど、絶対に見張りとか付けていそうなのに。
「よく、気付かれませんでしたわね」
「そこには細心の注意をしました。母の言うことには絶対服従。全て母が正しいと、周囲にも私が心からそう思っていると思わせるような言動をしました。誰が母の手下なのか分からなかったからです」
「お味方は?」
「私の専属侍女のターナだけは信じられます。ターナは、私が彼と出会った時に一緒にいて・・・でも、それを黙っていてくれたんです。それ以来、彼と会う時はターナが協力してくれていて」
私はそのターナさんという人の為人を知らないけど、シリカ様を裏切ることがないといいと思う。
「それで、その平民の彼と一緒になるには、侯爵令嬢という立場・・・いえ、母がいる状態では難しかったのです。私は成人したら家を捨てて、彼と駆け落ちするつもりでした」
「駆け落ちですか」
「今まで侯爵家の恩恵に与っていながら、と思われますよね。私も、母の日記を読むまではそう思って決断できませんでした。私はちゃんと話せば、母も父も認めてくれると思っていて、でもターナが絶対にバレないようにしなきゃ駄目だと言ってくれて」
別に恩恵に与っていながらとは思わないわ。
誰だって他人には分からない背景があるもの。
私だって、お父様お母様お姉様に我儘を言って、マクラーレン王国に逃げたわ。
私は家族が絶対的な味方だと信じていたから家族に伝えたけど、少しでも不信感があれば言わずに逃げていたと思う。
「母は・・・異常です。母、いえあの人は、子供を王族の婚約者にするために・・・生まれてきた嫡男を、私のお兄様を殺しているんです」
「!」
「日記に・・・男の子では意味がない、と。そしてこの子がいれば、王族をラムズベルト侯爵家に婿入りさせることが出来ない、と。兄が生まれた年はサリュ殿下と同じ年です。すぐに子を授かっても第一皇子殿下とは三歳以上歳が離れてしまう。母は、子が出来にくかったらしく、当初は第一皇子殿下との婚約を目指して子を産むつもりだったみたいです。実際、私を授かったのも予定より三年遅れましたし」
子供を・・・殺しているの?
自身がお腹を痛めて産んだ子を?
そう言われて・・・びっくりして固まってしまった。
別に、平民の恋人がいるから悪いとは思わないわ。
驚いたのは、罪を犯すほど皇妃の座にこだわっていたのに、シリカ様が平民の方と交際されていることを夫人が気付かなかったことよ。
こう言ってはなんだけど、絶対に見張りとか付けていそうなのに。
「よく、気付かれませんでしたわね」
「そこには細心の注意をしました。母の言うことには絶対服従。全て母が正しいと、周囲にも私が心からそう思っていると思わせるような言動をしました。誰が母の手下なのか分からなかったからです」
「お味方は?」
「私の専属侍女のターナだけは信じられます。ターナは、私が彼と出会った時に一緒にいて・・・でも、それを黙っていてくれたんです。それ以来、彼と会う時はターナが協力してくれていて」
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「それで、その平民の彼と一緒になるには、侯爵令嬢という立場・・・いえ、母がいる状態では難しかったのです。私は成人したら家を捨てて、彼と駆け落ちするつもりでした」
「駆け落ちですか」
「今まで侯爵家の恩恵に与っていながら、と思われますよね。私も、母の日記を読むまではそう思って決断できませんでした。私はちゃんと話せば、母も父も認めてくれると思っていて、でもターナが絶対にバレないようにしなきゃ駄目だと言ってくれて」
別に恩恵に与っていながらとは思わないわ。
誰だって他人には分からない背景があるもの。
私だって、お父様お母様お姉様に我儘を言って、マクラーレン王国に逃げたわ。
私は家族が絶対的な味方だと信じていたから家族に伝えたけど、少しでも不信感があれば言わずに逃げていたと思う。
「母は・・・異常です。母、いえあの人は、子供を王族の婚約者にするために・・・生まれてきた嫡男を、私のお兄様を殺しているんです」
「!」
「日記に・・・男の子では意味がない、と。そしてこの子がいれば、王族をラムズベルト侯爵家に婿入りさせることが出来ない、と。兄が生まれた年はサリュ殿下と同じ年です。すぐに子を授かっても第一皇子殿下とは三歳以上歳が離れてしまう。母は、子が出来にくかったらしく、当初は第一皇子殿下との婚約を目指して子を産むつもりだったみたいです。実際、私を授かったのも予定より三年遅れましたし」
子供を・・・殺しているの?
自身がお腹を痛めて産んだ子を?
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