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調査結果

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「オルコット男爵令息の調査結果が出た」

 一週間後、私とハデス様は皇帝陛下から呼び出しを受けた。

 え、まだ一週間よ?早くない?

 王族の手にかかれば一週間でわかることも、本人たちの意思を尊重して陛下は動かれなかったということね。

 もちろん、他国のご令嬢を留学させるようなことをする前には、調査されたのでしょうけど。

「それでどうだったんだ?」

「後ろにラムズベルト侯爵夫人がいた」

「!」

 ラムズベルト侯爵夫人?
確か、皇帝妃ラティエラ様が皇帝陛下の婚約者になられた時に、婚約者候補として争われた方が嫁がれたお家がラムズベルト侯爵家だったわよね。

 え?
後ろにいたってどういうこと?

 そういえば、ラムズベルト侯爵家には十二歳のご令嬢がいるとか。

 自身の娘をサリュ殿下の婚約者にするために、オルコット男爵令息を利用した?

「オルコットの、サングリア子爵という地位への執着を利用したのだろう。サリュは神経質で気難しく見えて、心根は優しい。情に訴えて愛し合っている二人が王家からの婚約の打診で泣く泣く別れたという嘘を、オルコットはサリュに信じさせた」

「サングリア様、おっしゃっていましたわ。オルコット男爵令息様はいくらサングリア様が女子爵となるのであって、オルコット男爵令息が継ぐわけではないと言っても、女風情が!と言ってお聞きにならないのだと」

「ああ。ヤツは男尊女卑典型だな。口ばかりで努力もしないクズだ」

 ハデス様のお言葉は決して綺麗なものではないけれど、私も同意してしまうわ。

 子爵家当主となるべく努力していた方なら、サングリア家ご当主もオルコット男爵令息に当主の座をお譲りになる決断をされていたでしょう。

 いくら国として認められているとはいえ、女性が当主になるのは大変なこと。

 お姉様も、とてもとても努力されていたわ。

 元々とても優秀な方だけど、それでも決して楽ではない道を歩まれていた。

 家を継ぐということは、それだけの責任があることなのに、オルコット男爵令息は考えが甘すぎるわ。

「目的は、やはり自身の娘をサリュ殿下の婚約者にすることか?」

「おそらくな。そもそもラムズベルト家から俺の息子たちの婚約者は。親の罪は子供には関係ないが、少なくともあの女が親である限りはな」

 皇帝陛下は、吐き捨てるようにそうおっしゃった。

「ジュエル。ラムズベルト侯爵夫人は、陛下の婚約者候補時代に、ラティエラ様を平民の男たちに襲わせようと企てたらしい。陛下が気付いて未遂に終わったが」

「証拠が掴めず、罰することが出来なかったがな」

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