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変わっていく毎日

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 毎日毎日が忙しい。

 婚姻式の準備もだけど、新たな屋敷の準備もあるのよ。

 ハデス様の執務室とお部屋はハデス様の好みに仕上げるけど、他の部屋は基本的に女主人である私の意向で整えることになったの。

 ハデス様、お忙しいものね。
だから、現在ハデス様が住んでいるお屋敷のイメージを大事にしながら準備をしている。

 ハデス様は、ゴテゴテとした宝飾を好まない。

 ヴェルセット家は伯爵家になるから、あまり華美にする必要はないけど、あまりシンプルすぎるのも良くない。

 何も家だと、訪問者に思われるわけにはいかないのよ。

 我がリビエラ伯爵家も、それなりのものを飾っていたわ。

 貴族は、そういう体裁を整えることも必要なのよね。

 ハデス様のお部屋は新緑のイメージで整えられ、執務室は淡いグレーとアイボリーで揃えられた。

 私の部屋はアイボリーと淡いピンクで揃え、ふ、夫婦の寝室は淡いオレンジとアイボリーにした。

 応接室は、飴色やキャメルなどの茶系で落ち着きある感じに揃えた。

 ヴェルセット伯爵家全体のイメージは、初夏の森という感じかしら。

 家具はキャメル色やシャモア色に、壁紙はキャンパスグリーンやアップルグリーンに。

 とにかくイメージを固めてから、それに合う壁紙やカーテン、家具選びなど大変で・・・

 それでいて楽しい。

 王家とか既存の貴族家に嫁いでいたら、こんな楽しみなかったわ。

 使用人に関しては、皇妃様がお力になって下さった。

 長くエレメンタル帝国で暮らしてたとはいえ、ハデス様はローゼン王国の貴族だったし、突然伯爵となったハデス様に反感を持つ人間ご全くいないとは言えない。

 皇帝陛下の威光が強いから、愚かな真似をする人間はいないと思うけど、私も知り合いがいない土地だから、護衛や家を守ってくれる家令には信用をおける人を置きたい。

 だからハンナが私の側にいてくれることは、私もだけどハデス様もとても安心している。

「あとは何かしら?」

「あと三名ほど、侍女の面接を明日お願いします。身元はそちらに書いてあります」

「分かったわ。それで最後かしら?」

「とりあえず、様子を見て必要なら雇う形になると思います」

 ハンナの言葉に頷く。

 護衛や家令はハデス様が選ぶけど、侍女は女主人になる私が面接を行う。

 ハンナは私付きだから、侍女頭は皇妃様の知り合いの元子爵夫人がしてくれることになった。

 元々、伯爵家で侍女をしていて、結婚して子爵家に入ったけど子供が後を継ぎご主人を亡くしたから是非にとおっしゃって下さったの。

 助かるわ。
経験者なら安心だもの。

 

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