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私はもう俯かない

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 皇帝陛下の策りゃ・・・お考えを聞いて、ハデス様は私に話すかどうか迷われたそうだ。

 だけど、絶対に自分が守るけど、知っていて警戒するのと知らないのとでは違うかもしれない、知らせずに守れる完璧さは自分にはないかもしれない、そう思って話してくれる気になったそう。

 正直に言うと、教えてもらえて良かったと思う。

 もう私は、何も知らずに物事が片付けられるのは嫌だと思っていたから。

 シリウス殿下のことも、マクラーレン王国の王太子殿下のことも・・・

 私が知らない間に対処されていた。

 別に彼らを擁護するつもりもないし、助けるつもりもないけど、私は先に真実を知りたかった。

 である私に、どうして欲しいか尋ねて欲しかった。

 もちろん、国として罰を与えるのだから、伯爵令嬢の意見が反映されなくても仕方ない。

 でも、本当に悪いと思っているのなら、尋ねて欲しかった。

 あの頃の私には・・・
正しい判断は出来なかったかもしれないけど。

 それでも、知らないうちに全てが終わってるなんて嫌なの。

 だから、ハデス様が話してくれて良かった。

 ああ。この人を好きになったことは間違いじゃないんだって改めて思ったわ。

「つまり皇帝陛下は、ロロナ様がことをやらかすと思われているのですね」

「ああ。その点は俺も思う。そしてされるのかを待ってはいられないから、一ヶ月後にお茶会を開く。ラディシュ侯爵家の知人の家だが、すでに陛下が取り込んでいて情報は逐一入るようになっている」

「罠にかけるということですか?信用できるのでしょうか?」

「ああ。裏切れば一族皆斬首すると脅してあるらしいから、大丈夫だろう。一応、裏切られる警戒はしておくしな。一ヶ月先になるのは、侯爵夫人の離縁を進めるためだ。夫人は、娘や夫を諌められなかった自分の責任だと、離縁を拒んだそうだが、陛下が夫人が一緒に処罰された場合、皇妃様もその対象になる可能性があると脅したらしくて、離縁を承諾したそうだ」

 確かに、処罰の対象にはならないでしょうけど、皇妃様を非難される方はいるかもしれない。

 それに皇妃様の妹様は、きっとロロナ様や侯爵様を諌めようとなさっていたと思うわ。

 でも、ああいう方たちは、本当に人の言うことを聞かないのよ。

 そのくせ、何かあるとコチラが悪いように言うのよね。

 ローゼン王国で王太子妃教育を受けていた時に、私もそういう覚えがあるわ。

 何をしてくるかしらね。
ああ、でも私にだけとは限らないわ。

「ハデス様も気をつけて下さいね?自分の手に入らないなら、とよからぬ行動を起こすかもしれません」

 どこかの国に、鳥が鳴かないなら殺してしまえと言った王様がいるそうだもの。
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