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婚約解消〜フレグランス視点〜

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「ふふっ。国王陛下も認めてくださったようなので、私たちはこれで失礼しますね?ご安心を。私たちの大切なジュエルに今後関わらないで下さるなら、マクラーレン王国との国交はから」

 私はにっこりと微笑み、お父様とお母様を視線で促す。

 婚約解消はなったけど、あのクズのスカポンタン王太子、ジュエルに会いに来そうだもの。早く次の手を打たなくちゃ。

 私はどこかの下衆な王太子と違って、嘘は吐いていないわ。

 ルークの母国であるマクラーレン王国との国交は、継続される。

 ええ。
国民に罪はないものね?

 私たちは帰りの馬車で、次の手について作戦を練る。

「コンフォート公爵令嬢とシリウス王太子殿下が、真実の愛で結ばれていると噂を流しましょう。ジュエルは、二人の愛のために身を引いたと美談にして。それから、学園は休学・・・いえ、マクラーレンの学園に留学することにしましょう。学園長は、お母様の親衛隊の方でしたわね?」

「ええ。すぐに面会の連絡を入れるわ。それで、マクラーレン王国の学園の方はフレグランスに任せて大丈夫?」

「ルークに話してもらうから大丈夫。私はお茶会で噂を流す準備をしますわ」

 すぐに噂を流して、コンフォート公爵令嬢以外との婚約なんてこと、絶対にできないようにしてやるわ。

 私の可愛いジュエルをコケにしたこと、死ぬほど後悔させてやるわ。

「私は、平民たちの間に噂が流れるように手配しよう。あとは噂が広がりきるまでコンフォート公爵家と王家の耳に入らないよう手配しておく」

 お父様は童顔でお優しそうに見えるけど、とても優秀だし怖い人なのよね。

 王妃様は、シリウス殿下の気持ちを汲んで認めたみたいに思ってるみたいだけど、そんなので王太子殿下の婚約者を決定するわけがないじゃない。

 王太子妃、つまりは未来の王妃なのよ?国王陛下が何の力もない伯爵家の令嬢を、婚約者と認めるわけがないじゃない。

 ふふっ。
ジュエルが頑張っていたし、シリウス殿下とも仲良くやっているみたいだったから我慢していたけど、もう良いわよね?

 浮気するような男は、結婚してからも絶対するわ。

 だから婚約中に分かって良かったけれど、ジュエルの貴重な時間を無駄にしたことは許せないわ。

 国王陛下はのようだけど、王妃様は駄目ね。

 領民やジュエルの友人もいるからローゼン王国をどうこうするつもりはないけど、もしもに後を継がせるつもりなら、頭のすげ替えは必要かしらね。

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