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第二十六話 想いの力
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「は……えっ……?」
目の前で起きたことが全然理解できなくて、気の抜けたような声を漏らす私の前で、ウィルフレッド様はラピア様の腕の中で、ぐったりとしていた。
「何を呆けておる? こんな治る見込みのない男など、さっさと殺して楽にするのが最善じゃろ。小娘には出来ないだろうから、儂がしてやったわ」
ラピア様は光に包まれる手をウィルフレッド様から抜くと、さっきと言っていることと違うことを言いながら、ウィルフレッド様を私の前に倒れさせる。
うつ伏せで倒れているウィルフレッド様にそっと触れる。まだ暖かいけど……貫かれた所から、赤い液体がとめどなく溢れてきている。
「あ……あぁ……! いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ようやく現状をちゃんと把握出来た私は、辺り一帯に悲鳴を響かせる。
なんで、どうしてこんなことをするの!? ラピア様は聖女で、母さんの知り合いで! ウィルフレッド様だって、なんでこんな所で殺され……!
「ほれほれ、小童の様に泣いているのは構わんが、放っておいたら小僧は死ぬぞ? 言っておくが、儂は治さんからな」
「っ……!!」
大粒の涙を流しながらラピア様を睨みつけると、急いで回復魔法を使って、ウィルフレッド様の回復を試みる。
ウィルフレッド様は死なせない! 絶対に私が助けて見せるんだから! 私の聖女の力よ、私の声に応えて!
「ウィルフレッド様、今治しますから……!」
ウィルフレッド様を中心に、地面に魔法陣を作る。すると、魔法陣から光が溢れだし、ウィルフレッド様の体を包む。
集中するんだ。こんな酷いことをしたラピア様を許せないって気持ちも、信じてたのに裏切られた悲しみも、今は忘れて目の前のことに集中するの!
「治って……治ってよ……!!」
回復魔法は、確かに発動している。現に、貫かれたウィルフレッド様の胸の傷は、少しずつ塞がってきている。
でも、治る速度が遅すぎる。こうしている間にも、体からどんどんと血が流れ出ていってしまう。
「わかってはおったが、本当に弱くて遅い回復魔法じゃな。そんなんじゃ、治るまで何ヶ月もかかってしまうの」
「くっ……!」
「治せる力があるのに、治せないなんて情けないのう。小娘が儂に土下座をするというなら、治すのを考えてやっても良いぞ? まあ……トドメを刺すかもしれんが」
くくっ……と、くぐもった笑い声を漏らしながら、私を見下すラピア様の姿は、まるで悪魔のようだった。
優しい人だと思ってたのに、こんな人だったなんて思わなかった。今ウィルフレッド様を任せたら、何をされるかわかったものじゃない! 私が……私がやらなきゃ!
「絶対に私が治す!ウィルフレッド様を……幸せにするんだっ!!」
ウィルフレッド様への強い想いに反応して、魔法陣が今までで一番強い光を放ち始める。それの比例するように、光も一段と強くなる。
今までこんな強い光なんて、見たことがない。これなら……いけるわ!
「お願い、ウィルフレッド様を助けて!」
私の想いに呼応して、強くなった光達がウィルフレッド様を包み込む。おかげで、胸の傷はだいぶ塞がった……が、それでも全ては塞がっていない。
これ以上は本当にまずい。あまりにも血が出すぎている……これでは傷が治っても、血が足りなくなって……死に至る。
「どうして……どうしてよ! 私はなんでこんなに……いや、諦めてたまるもんですか!」
「そうじゃ、諦めるな。聖女に一番大切なものは……む?」
「何事だ!!」
もう一度気合を入れなおして治療をしようとすると、小屋の中からとても大きな声が聞こえてきた。
小屋の方を振り向くと……そこにいたのは、一緒に来た使用人と御者。そして……ウィルフレッド様だった。
「あ、あれ……え? えぇ? ウィルフレッド様が、二人!?」
「なんじゃ、貴様らにはよく寝れる魔法をかけておいたというのに……儂の魔法もいよいよ錆びてきたか?」
「眠っていたら大きな声が聞こえてきたので、様子を見に来たのですが……」
私達の元に到着すると、三人は目を丸くしながら、倒れているウィルフレッド様のことを見つめた。
「なぜ、俺がもう一人いるんだ……?」
ウィルフレッド様が疑問に思うのも無理はない。私だって意味がわからなくて、混乱しちゃっているくらいだもの。
「そろそろ潮時かの」
短くそう言いながら、ラピア様は指をパチンッと鳴らす。すると、目の前にいたウィルフレッド様は、一瞬で煙に包まれ……そして跡形もなく消えた。
「今のは、儂が作った人形じゃよ。中々よく出来ておっただろう?」
「にん、ぎょう……? それじゃあ、ウィルフレッド様は無事……?」
「そんなの、小僧を見れば一目瞭然じゃろ」
少しヨロヨロとしながら、ウィルフレッド様の前に行った私は、そっと色んな所を触れてみる。
特に怪我はない……痛そうな感じも……良かった、本当に……!
「よ、よがっだ……! ウィルフレッド様……!」
「え、エレナ殿? 一体何があったんですか?」
ウィルフレッド様が無事なのがわかって緊張の糸が切れた私は、彼の胸の中で涙を流す。すると、ウィルフレッド様は、困惑しながらも私の頭を撫でて慰めてくれた。
「ラピア殿。エレナ殿を泣かせるなんて、一体どういうことですか? 事と次第によっては……俺はあなたを許さない」
「おお怖い怖い。別にイタズラでやったわけではない。とりあえず、小屋の中で話すとしよう」
「……その提案を受け入れろと?」
「それは小僧の好きにせい。儂は儂の考えがあって行動しただけ。これからも同じじゃ」
「…………」
私が泣いている間に、何か話が進んでいたようだ。ラピア様の後に続いて、私はウィルフレッド様達に小屋の中に連れていかれた。
その後、私が泣き止むまで、みんな静かに待っていてくれた。
「ごめんなさい、落ち付きました」
「お気になさらず。悪いのは、ラピア殿ですから」
「まったく、こんな優しい儂を悪者扱いしおって」
「優しいかどうかは、なぜこんな悪趣味なことをしたのかを聞いてから判断します」
ウィルフレッド様は、今まで一緒にいて、一番怖いと思うくらいの顔で、ラピア様を睨みつける。
「簡単なことじゃ。小娘に回復魔法の実戦練習をさせておった」
「練習……ですか?」
「うむ。追い込まれた小娘の魔法を、この目で見てみたかったからの」
確かにあの時の私は追い込まれていた。目の前でどんどんと弱っていくウィルフレッド様を助けられるのは、私しかいないと思って……。
「回復魔法は、術者の想いによって強さが変わる。現に貴様はあの時、命を守りたいという強い想いの力によって、今までで一番強い魔法を使えておったじゃろ?」
「そう、ですね。あんなに一気に治ったのは初めてみました。まあ……全部は治りませんでしたが」
「元々の魔力が弱すぎるから、それは仕方ないわい。感覚はなんとなくわかったじゃろ? ほれ、小僧の治療をしてみい」
ラピア様に促されて、もう一度回復魔法を発動して治療を試みる。
「ど、どうですか?」
恐る恐る聞いてみるが、帰ってきた反応は、いつもと同じだった。ということは……今回も失敗したということね……。
「ふむ……やはりな」
「ラピア様、上手くいかない原因がわかるんですか?」
「よくエレノアの手紙に書いてあった。娘はあまり才能が無くて、練習しても中々上達しない。自分は私のようになれないのかなと、いつも泣いていたとな」
「は、はい。でもそれが今の質問と関係あるんですか?」
幼い頃の私は、確かにラピア様の言った通りだった。母さんの背中を見て育ち、魔法を教えてもらい、いつか母さんのようになりたいと願い……自分の才能に何度泣いたことか。
「大アリじゃ。貴様、心の奥底では自分には出来ないと思っておるのだろう?」
目の前で起きたことが全然理解できなくて、気の抜けたような声を漏らす私の前で、ウィルフレッド様はラピア様の腕の中で、ぐったりとしていた。
「何を呆けておる? こんな治る見込みのない男など、さっさと殺して楽にするのが最善じゃろ。小娘には出来ないだろうから、儂がしてやったわ」
ラピア様は光に包まれる手をウィルフレッド様から抜くと、さっきと言っていることと違うことを言いながら、ウィルフレッド様を私の前に倒れさせる。
うつ伏せで倒れているウィルフレッド様にそっと触れる。まだ暖かいけど……貫かれた所から、赤い液体がとめどなく溢れてきている。
「あ……あぁ……! いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ようやく現状をちゃんと把握出来た私は、辺り一帯に悲鳴を響かせる。
なんで、どうしてこんなことをするの!? ラピア様は聖女で、母さんの知り合いで! ウィルフレッド様だって、なんでこんな所で殺され……!
「ほれほれ、小童の様に泣いているのは構わんが、放っておいたら小僧は死ぬぞ? 言っておくが、儂は治さんからな」
「っ……!!」
大粒の涙を流しながらラピア様を睨みつけると、急いで回復魔法を使って、ウィルフレッド様の回復を試みる。
ウィルフレッド様は死なせない! 絶対に私が助けて見せるんだから! 私の聖女の力よ、私の声に応えて!
「ウィルフレッド様、今治しますから……!」
ウィルフレッド様を中心に、地面に魔法陣を作る。すると、魔法陣から光が溢れだし、ウィルフレッド様の体を包む。
集中するんだ。こんな酷いことをしたラピア様を許せないって気持ちも、信じてたのに裏切られた悲しみも、今は忘れて目の前のことに集中するの!
「治って……治ってよ……!!」
回復魔法は、確かに発動している。現に、貫かれたウィルフレッド様の胸の傷は、少しずつ塞がってきている。
でも、治る速度が遅すぎる。こうしている間にも、体からどんどんと血が流れ出ていってしまう。
「わかってはおったが、本当に弱くて遅い回復魔法じゃな。そんなんじゃ、治るまで何ヶ月もかかってしまうの」
「くっ……!」
「治せる力があるのに、治せないなんて情けないのう。小娘が儂に土下座をするというなら、治すのを考えてやっても良いぞ? まあ……トドメを刺すかもしれんが」
くくっ……と、くぐもった笑い声を漏らしながら、私を見下すラピア様の姿は、まるで悪魔のようだった。
優しい人だと思ってたのに、こんな人だったなんて思わなかった。今ウィルフレッド様を任せたら、何をされるかわかったものじゃない! 私が……私がやらなきゃ!
「絶対に私が治す!ウィルフレッド様を……幸せにするんだっ!!」
ウィルフレッド様への強い想いに反応して、魔法陣が今までで一番強い光を放ち始める。それの比例するように、光も一段と強くなる。
今までこんな強い光なんて、見たことがない。これなら……いけるわ!
「お願い、ウィルフレッド様を助けて!」
私の想いに呼応して、強くなった光達がウィルフレッド様を包み込む。おかげで、胸の傷はだいぶ塞がった……が、それでも全ては塞がっていない。
これ以上は本当にまずい。あまりにも血が出すぎている……これでは傷が治っても、血が足りなくなって……死に至る。
「どうして……どうしてよ! 私はなんでこんなに……いや、諦めてたまるもんですか!」
「そうじゃ、諦めるな。聖女に一番大切なものは……む?」
「何事だ!!」
もう一度気合を入れなおして治療をしようとすると、小屋の中からとても大きな声が聞こえてきた。
小屋の方を振り向くと……そこにいたのは、一緒に来た使用人と御者。そして……ウィルフレッド様だった。
「あ、あれ……え? えぇ? ウィルフレッド様が、二人!?」
「なんじゃ、貴様らにはよく寝れる魔法をかけておいたというのに……儂の魔法もいよいよ錆びてきたか?」
「眠っていたら大きな声が聞こえてきたので、様子を見に来たのですが……」
私達の元に到着すると、三人は目を丸くしながら、倒れているウィルフレッド様のことを見つめた。
「なぜ、俺がもう一人いるんだ……?」
ウィルフレッド様が疑問に思うのも無理はない。私だって意味がわからなくて、混乱しちゃっているくらいだもの。
「そろそろ潮時かの」
短くそう言いながら、ラピア様は指をパチンッと鳴らす。すると、目の前にいたウィルフレッド様は、一瞬で煙に包まれ……そして跡形もなく消えた。
「今のは、儂が作った人形じゃよ。中々よく出来ておっただろう?」
「にん、ぎょう……? それじゃあ、ウィルフレッド様は無事……?」
「そんなの、小僧を見れば一目瞭然じゃろ」
少しヨロヨロとしながら、ウィルフレッド様の前に行った私は、そっと色んな所を触れてみる。
特に怪我はない……痛そうな感じも……良かった、本当に……!
「よ、よがっだ……! ウィルフレッド様……!」
「え、エレナ殿? 一体何があったんですか?」
ウィルフレッド様が無事なのがわかって緊張の糸が切れた私は、彼の胸の中で涙を流す。すると、ウィルフレッド様は、困惑しながらも私の頭を撫でて慰めてくれた。
「ラピア殿。エレナ殿を泣かせるなんて、一体どういうことですか? 事と次第によっては……俺はあなたを許さない」
「おお怖い怖い。別にイタズラでやったわけではない。とりあえず、小屋の中で話すとしよう」
「……その提案を受け入れろと?」
「それは小僧の好きにせい。儂は儂の考えがあって行動しただけ。これからも同じじゃ」
「…………」
私が泣いている間に、何か話が進んでいたようだ。ラピア様の後に続いて、私はウィルフレッド様達に小屋の中に連れていかれた。
その後、私が泣き止むまで、みんな静かに待っていてくれた。
「ごめんなさい、落ち付きました」
「お気になさらず。悪いのは、ラピア殿ですから」
「まったく、こんな優しい儂を悪者扱いしおって」
「優しいかどうかは、なぜこんな悪趣味なことをしたのかを聞いてから判断します」
ウィルフレッド様は、今まで一緒にいて、一番怖いと思うくらいの顔で、ラピア様を睨みつける。
「簡単なことじゃ。小娘に回復魔法の実戦練習をさせておった」
「練習……ですか?」
「うむ。追い込まれた小娘の魔法を、この目で見てみたかったからの」
確かにあの時の私は追い込まれていた。目の前でどんどんと弱っていくウィルフレッド様を助けられるのは、私しかいないと思って……。
「回復魔法は、術者の想いによって強さが変わる。現に貴様はあの時、命を守りたいという強い想いの力によって、今までで一番強い魔法を使えておったじゃろ?」
「そう、ですね。あんなに一気に治ったのは初めてみました。まあ……全部は治りませんでしたが」
「元々の魔力が弱すぎるから、それは仕方ないわい。感覚はなんとなくわかったじゃろ? ほれ、小僧の治療をしてみい」
ラピア様に促されて、もう一度回復魔法を発動して治療を試みる。
「ど、どうですか?」
恐る恐る聞いてみるが、帰ってきた反応は、いつもと同じだった。ということは……今回も失敗したということね……。
「ふむ……やはりな」
「ラピア様、上手くいかない原因がわかるんですか?」
「よくエレノアの手紙に書いてあった。娘はあまり才能が無くて、練習しても中々上達しない。自分は私のようになれないのかなと、いつも泣いていたとな」
「は、はい。でもそれが今の質問と関係あるんですか?」
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