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第十六話 そんな酷いことを言わなくても!
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「ふわぁ……凄く綺麗」
ウィルフレッド様に言われた通りにゆっくりと休んだ私は、鏡に映る自分の姿を見て、思わず少し間抜けな声を出してしまった。
貴族達のパーティーに出席する為に、私は薄い水色のドレスに身を包み、プレゼントしてもらった髪飾りもつけて綺麗にしてもらった。その姿が、自分じゃないみたいに綺麗だったわ。
「エレナ殿は元々美人だからというのもありますが、私の想像以上によくお似合いだ」
「うぃ、ウィルフレッド様!?」
鏡に映る自分に気を取られすぎて、ウィルフレッド様が来ていることに気づかなかった私は、ビックリしてその場でピョンッと小さく飛んでしまった。
後ろにいてビックリしたのもあるけど、そんな綺麗だなんて言われたら、余計に胸がバクバクしてしまうわ……。
それにしても、これからパーティーだからなのか、ウィルフレッド様は燕尾服に身を包んでいて、いつも以上に美しく見える。
「うん、どれが似合うか悩みましたが、美しいエレナ殿を見れて全てが報われた気分です」
「これ、ウィルフレッド様が選んで準備してくれたのですか?」
「使用人に、うちにあったドレスを準備してもらった後、使用人達からアドバイスをもらいながら、選ばせてもらいました」
家にドレスがあるのも驚きだけど、私なんかのためにわざわざ急いで準備してくれたのにも驚きだ。そして何よりも、それ以上に嬉しい。
「やっほ~! ルナ、遊びにきたよ!」
「ルナちゃんにシーちゃん。いらっしゃい」
「うわぁ! エレナお姉ちゃん、凄く綺麗だよ! まるで絵本の王女様みたい!」
「もう、それは褒め過ぎよルナちゃん」
「だってそう思ったんだもんっ! シーちゃんもそう思うよね?」
「は、はい……とてもお綺麗です」
うぅ、揃いも揃ってそんな沢山褒めないでほしい。嬉しさと恥ずかしさで、だらしない顔になっちゃう。
「さて、では出発しましょうか。三十分もあれば到着するので、それまではのんびりしていましょうか」
「はい。あ、馬車に乗るのお手伝いします!」
「お気持ちだけいただいておきます。せっかく綺麗になったあなたに、力仕事はあまりにも不向きだ」
そうだった、いつもの感覚で手伝おうとしちゃったけど、この格好はかなり動きにくい。下手したら、お手伝いに気を取られて、どこかに引っ掛けてしまう可能性もある。
お手伝いが出来ないのは申し訳ないけど、ここはウィルフレッド様の言葉に甘えておこう。
「お兄様、エレナお姉ちゃん、気を付けてね~!」
沢山の使用人、そして元気だけど少し寂しそうなルナちゃんとシーちゃんの見送りの元、私達は目的地へと出発した。
……なんだか、今更になって緊張してきた。以前はレプグナテ家に住んでいたとはいえ、私は貴族ではない。だから、そんなパーティーなんて、参加するのは初めてなの。
何か貴族の作法とか、マナーみたいなのってあるのかしら……ど、どうしよう。ウィルフレッド様のためにって思ってついてきたけど、逆に迷惑になってしまうんじゃ……!?
ああもう、私ってどうしてこうも考え無しに動いちゃうの!? 自分の馬鹿っぷりに腹が立つわ!
「エレナ殿」
「は、はいっ!」
「少々私の左隣に座ってもらえますか?」
「え? わかりました」
私は言われた通りに座ると、私の手の上に、ウィルフレッド様の少しごつごつした手が乗せられた。
「ウィルフレッド様?」
「少々緊張しているように見えたので。まだ母が元気だった頃、疲れた時や緊張している時に、よくこうしてもらって楽になったのですよ」
「そうなんですね」
急に手を重ねられてビックリしたけど、確かにこうして誰かの温もりを感じていると、不思議と落ち着いてくる。
私も、魔法が中々上達しなくて泣いてた時に、何度も母さんに抱きしめてもらったわ。そうしてもらうと、凄く安心したのが、今でも鮮明に思い出せる。
「その、ついて来たのはいいけど、貴族の作法とかマナーがわからなくて……ウィルフレッド様に迷惑をかけたらって思ったら、緊張しちゃったんです」
「なんだ、そんなことですか。気にしなくても結構ですよ。社交界はお堅いイメージがあるかもしれませんが、自由気ままな貴族が多いですので」
……ウィルフレッド様なら、私を気付かうようなことを言ってくれるとは思ってたわ。でも、私のせいで更にエクウェス家の評判が落ちてしまっては、元も子もない。
そう思った私は、ウィルフレッド様や、彼をサポートするために一緒に馬車に乗っていた初老の使用人から、時間ギリギリまで貴族の作法やマナーを教えてもらって過ごした。
「エレナ殿。勉強熱心なところ申し訳ないですが、そろそろ到着しますよ」
「も、もうですか!? ふぅ……失敗しないようにしなければ」
「大丈夫ですよ。さあ、行きましょうか」
深呼吸を一つしてから、私はウィルフレッド様の後に続いて馬車から降りると、とても大きな建物に出迎えられた。
エクウェス家もとても綺麗に整備されているけど、ここも負けず劣らず綺麗な場所だ。ゴミや汚れなど当然無く、光に照らされた噴水と建物が、とても素敵な雰囲気を演出している。
「あら、あそこにいらっしゃるのって……ウィルフレッド様ですわね」
「いつもと違う方といらっしゃるなんて、珍しい……」
降りて早々に、建物に向かう貴族達の中から、ヒソヒソと話す声が聞こえてきた。
「あんな姿になってまでパーティーに参加するなんて、本当に哀れというか……」
「ご両親も亡くなって、体も不自由になって……」
「……ウィルフレッド様、あんな言葉は気にする必要ありませんよ!」
「ええ、大丈夫ですよ。もう言われ慣れてるので」
こんなことを言われ慣れてしまうなんて、そんなのあんまりだ。そう思っていると、更に追い打ちをかけるように、若い男性の声が聞こえてきた。
「騎士なのに動けなくなってしまうなんて、なんのために生きているのかわからないな! 見ている分には、最高に面白いが!」
「なっ……!? あ、あの人……なんて酷いことを……!」
あまりにも心無い言葉を浴びせてくる男性のせいで、頭に血が上ってしまった私は、ウィルフレッド様に酷いことを言うなと言いに行こうとした――が、ウィルフレッド様に手を掴まれて、止められてしまった。
「ど、どうして止めるんですか?」
「事実だから仕方がないのです。体が資本の騎士がこのようなことになったら、面白がるのも無理はありません。特に彼は、古くからエクウェス家と因縁のある家のご子息ですからね」
「…………」
「あなたが怒ってくれるだけで、私は満足です。だから……私のために、あなたが汚れ役になる必要はありません」
ウィルフレッド様はとても真剣な表情で、私の手を掴む手に力を入れた。
きっとウィルフレッド様も、悔しいに違いない。それでも、変に事を荒立てないようにするために、そして私を守るために、こうして止めてくれたのだろう。
……落ち着くのよ、私。元々は何か言われた時に励ますために、私はここに来たんだ。変に言い争って問題を起こしたら、それこそウィルフレッド様に迷惑をかけてしまうじゃない。
「私は、大丈夫です。ほら、ルナと話している時のような、楽しそうな笑顔を見せてください」
「……こうですか?」
ウィルフレッド様に笑顔を見せると、満足げに微笑みながら頷いてくれた。
ふぅ、ウィルフレッド様の優しくて美しい微笑みを見ていたら、少しだけ落ち着くことが出来た。まだパーティーは始まってすらいないのだから、今のうちに落ち付いてかなきゃ。
「……ねえ、あの女……」
「ん……? まさか……エレナ? どうしてこんな場所に? てっきりどこかで死んだと思ってたのに」
「こんな所であの腹立たしい顔を見るなんて、思ってもなかったわ!」
「ボクも同感だが……せっかくの再会だ。彼にもご挨拶をしておきたいし……ちょっと行ってみようじゃないか」
ウィルフレッド様に言われた通りにゆっくりと休んだ私は、鏡に映る自分の姿を見て、思わず少し間抜けな声を出してしまった。
貴族達のパーティーに出席する為に、私は薄い水色のドレスに身を包み、プレゼントしてもらった髪飾りもつけて綺麗にしてもらった。その姿が、自分じゃないみたいに綺麗だったわ。
「エレナ殿は元々美人だからというのもありますが、私の想像以上によくお似合いだ」
「うぃ、ウィルフレッド様!?」
鏡に映る自分に気を取られすぎて、ウィルフレッド様が来ていることに気づかなかった私は、ビックリしてその場でピョンッと小さく飛んでしまった。
後ろにいてビックリしたのもあるけど、そんな綺麗だなんて言われたら、余計に胸がバクバクしてしまうわ……。
それにしても、これからパーティーだからなのか、ウィルフレッド様は燕尾服に身を包んでいて、いつも以上に美しく見える。
「うん、どれが似合うか悩みましたが、美しいエレナ殿を見れて全てが報われた気分です」
「これ、ウィルフレッド様が選んで準備してくれたのですか?」
「使用人に、うちにあったドレスを準備してもらった後、使用人達からアドバイスをもらいながら、選ばせてもらいました」
家にドレスがあるのも驚きだけど、私なんかのためにわざわざ急いで準備してくれたのにも驚きだ。そして何よりも、それ以上に嬉しい。
「やっほ~! ルナ、遊びにきたよ!」
「ルナちゃんにシーちゃん。いらっしゃい」
「うわぁ! エレナお姉ちゃん、凄く綺麗だよ! まるで絵本の王女様みたい!」
「もう、それは褒め過ぎよルナちゃん」
「だってそう思ったんだもんっ! シーちゃんもそう思うよね?」
「は、はい……とてもお綺麗です」
うぅ、揃いも揃ってそんな沢山褒めないでほしい。嬉しさと恥ずかしさで、だらしない顔になっちゃう。
「さて、では出発しましょうか。三十分もあれば到着するので、それまではのんびりしていましょうか」
「はい。あ、馬車に乗るのお手伝いします!」
「お気持ちだけいただいておきます。せっかく綺麗になったあなたに、力仕事はあまりにも不向きだ」
そうだった、いつもの感覚で手伝おうとしちゃったけど、この格好はかなり動きにくい。下手したら、お手伝いに気を取られて、どこかに引っ掛けてしまう可能性もある。
お手伝いが出来ないのは申し訳ないけど、ここはウィルフレッド様の言葉に甘えておこう。
「お兄様、エレナお姉ちゃん、気を付けてね~!」
沢山の使用人、そして元気だけど少し寂しそうなルナちゃんとシーちゃんの見送りの元、私達は目的地へと出発した。
……なんだか、今更になって緊張してきた。以前はレプグナテ家に住んでいたとはいえ、私は貴族ではない。だから、そんなパーティーなんて、参加するのは初めてなの。
何か貴族の作法とか、マナーみたいなのってあるのかしら……ど、どうしよう。ウィルフレッド様のためにって思ってついてきたけど、逆に迷惑になってしまうんじゃ……!?
ああもう、私ってどうしてこうも考え無しに動いちゃうの!? 自分の馬鹿っぷりに腹が立つわ!
「エレナ殿」
「は、はいっ!」
「少々私の左隣に座ってもらえますか?」
「え? わかりました」
私は言われた通りに座ると、私の手の上に、ウィルフレッド様の少しごつごつした手が乗せられた。
「ウィルフレッド様?」
「少々緊張しているように見えたので。まだ母が元気だった頃、疲れた時や緊張している時に、よくこうしてもらって楽になったのですよ」
「そうなんですね」
急に手を重ねられてビックリしたけど、確かにこうして誰かの温もりを感じていると、不思議と落ち着いてくる。
私も、魔法が中々上達しなくて泣いてた時に、何度も母さんに抱きしめてもらったわ。そうしてもらうと、凄く安心したのが、今でも鮮明に思い出せる。
「その、ついて来たのはいいけど、貴族の作法とかマナーがわからなくて……ウィルフレッド様に迷惑をかけたらって思ったら、緊張しちゃったんです」
「なんだ、そんなことですか。気にしなくても結構ですよ。社交界はお堅いイメージがあるかもしれませんが、自由気ままな貴族が多いですので」
……ウィルフレッド様なら、私を気付かうようなことを言ってくれるとは思ってたわ。でも、私のせいで更にエクウェス家の評判が落ちてしまっては、元も子もない。
そう思った私は、ウィルフレッド様や、彼をサポートするために一緒に馬車に乗っていた初老の使用人から、時間ギリギリまで貴族の作法やマナーを教えてもらって過ごした。
「エレナ殿。勉強熱心なところ申し訳ないですが、そろそろ到着しますよ」
「も、もうですか!? ふぅ……失敗しないようにしなければ」
「大丈夫ですよ。さあ、行きましょうか」
深呼吸を一つしてから、私はウィルフレッド様の後に続いて馬車から降りると、とても大きな建物に出迎えられた。
エクウェス家もとても綺麗に整備されているけど、ここも負けず劣らず綺麗な場所だ。ゴミや汚れなど当然無く、光に照らされた噴水と建物が、とても素敵な雰囲気を演出している。
「あら、あそこにいらっしゃるのって……ウィルフレッド様ですわね」
「いつもと違う方といらっしゃるなんて、珍しい……」
降りて早々に、建物に向かう貴族達の中から、ヒソヒソと話す声が聞こえてきた。
「あんな姿になってまでパーティーに参加するなんて、本当に哀れというか……」
「ご両親も亡くなって、体も不自由になって……」
「……ウィルフレッド様、あんな言葉は気にする必要ありませんよ!」
「ええ、大丈夫ですよ。もう言われ慣れてるので」
こんなことを言われ慣れてしまうなんて、そんなのあんまりだ。そう思っていると、更に追い打ちをかけるように、若い男性の声が聞こえてきた。
「騎士なのに動けなくなってしまうなんて、なんのために生きているのかわからないな! 見ている分には、最高に面白いが!」
「なっ……!? あ、あの人……なんて酷いことを……!」
あまりにも心無い言葉を浴びせてくる男性のせいで、頭に血が上ってしまった私は、ウィルフレッド様に酷いことを言うなと言いに行こうとした――が、ウィルフレッド様に手を掴まれて、止められてしまった。
「ど、どうして止めるんですか?」
「事実だから仕方がないのです。体が資本の騎士がこのようなことになったら、面白がるのも無理はありません。特に彼は、古くからエクウェス家と因縁のある家のご子息ですからね」
「…………」
「あなたが怒ってくれるだけで、私は満足です。だから……私のために、あなたが汚れ役になる必要はありません」
ウィルフレッド様はとても真剣な表情で、私の手を掴む手に力を入れた。
きっとウィルフレッド様も、悔しいに違いない。それでも、変に事を荒立てないようにするために、そして私を守るために、こうして止めてくれたのだろう。
……落ち着くのよ、私。元々は何か言われた時に励ますために、私はここに来たんだ。変に言い争って問題を起こしたら、それこそウィルフレッド様に迷惑をかけてしまうじゃない。
「私は、大丈夫です。ほら、ルナと話している時のような、楽しそうな笑顔を見せてください」
「……こうですか?」
ウィルフレッド様に笑顔を見せると、満足げに微笑みながら頷いてくれた。
ふぅ、ウィルフレッド様の優しくて美しい微笑みを見ていたら、少しだけ落ち着くことが出来た。まだパーティーは始まってすらいないのだから、今のうちに落ち付いてかなきゃ。
「……ねえ、あの女……」
「ん……? まさか……エレナ? どうしてこんな場所に? てっきりどこかで死んだと思ってたのに」
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