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第十二話 薬草を手に入れよう!
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無事に住まわせてもらえるようになった私は、今まで使っていた部屋に戻ってくると、思わず大きく息を漏らしながら、ベッドにボフンッと倒れこんだ。
私の気持ちが、ウィルフレッド様に伝わってよかった。でも、喜んでばかりもいられないのも事実だ。
まずウィルフレッド様の体をしっかりと診させてもらって、どこがどういう風に悪いのかをしっかり確認しないといけない。右目や右手、そして右足が不自由なのはわかっているけど、それ以外にも不自由になっている部分があるかもしれない。
「そうだ、触媒も集めた方が良いわね」
魔法というのは、使用者の魔力を使って魔法を発動させるけど、触媒を使って魔法を強化することが出来る。例えば、炎の魔力が込められた石を触媒にして、炎の魔法の威力をあげたりとかね。
回復魔法の場合は、薬効がある薬草なんかを使うのが一般的だ。疲労回復や怪我、病気の種類によって使い分けられる。
あとは魔力が沢山ある道具を使って、魔法の力をあげたりもできるけど……中々そんな都合の良いものは無い。
そんな利点しかないように思える触媒だけど、一度使うと無くなってしまうから、一々仕入れないといけないのが欠点ね。
「ウィルフレッド様の場合だと怪我に入るから、その辺りに効能がある薬草が欲しいわね」
後は、回復魔法について書かれている本なんかも欲しい。母さんに色々教わっているとはいえ、私は元々未熟だし、母さんの知っている全てを教えてもらえたわけじゃないからね。
「よし、本はとりあえず図書館とかで探すとして……あっ!!」
今頃になって、私はとんでもないことに気が付いてしまった。それは……お金の問題だ。
アーロイ様の所から逃げ出す時、お金なんて当然持っていなかったし、その後にお金を手に入れる機会も無かった。だからといって、ウィルフレッド様にねだるのも、なんだか気が引ける……。
「何処か日雇いのお仕事でも探して、お金を工面しましょう」
そうなると、町にあるギルドに行って仕事を探すのが早そうね。
ギルドというのは、色んなお仕事を紹介してくれる施設の総称だ。余程の田舎町でない限りは支社があるから、ギルドを探すの自体は困らない。
ただ、問題はどこに町があるのかということだ。この周りは山と草原が広がる土地。自然が豊かなのは良いことだけど、町の影も形も見えないから、どこに行けばいいかわからない。
「考えてもわからないし、誰かに聞いてみようかしら」
そんなことを思っていると、部屋のドアが力強くノックされたのとほぼ同時に、元気な声が聞こえてきた。
「エレナお姉ちゃーん! あーそーぼー!」
「ルナちゃん。待ってて、今行きます」
ドアを開けると、そこにはこの前読んであげたものとは別の絵本を抱きしめるように持つルナちゃんと、フワフワと飛びながら頭を下げるシーちゃんの姿があった。
「えへへ、この絵本を読んでほしいの!」
「もちろんいいですよ。その前に、一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」
「なんだろう? ルナに答えられることなら、何でも答えちゃうよ!」
「じゃあ中でお話しましょうか」
ルナちゃんとシーちゃんを部屋の中に招いた私は、ソファに腰を掛けると、私の隣にルナちゃんとシーちゃんが座った。
「それで、聞きたいことって?」
「私、町に行きたいんだけど、どっちに行けば町があるか知ってますか?」
「町? えっと~……」
「い、一番近い所ですと……南にあります」
う~ん……と、顎に小さな指を当てて考えるルナちゃんの代わりに、シーちゃんが答えてくれた。
「でも、どうして急に……?」
「話すとちょっと長くなるんですけど……私、ここに住んでウィルフレッド様の治療をしようと思うんです。それで――」
さらに事情を説明しようとしたが、体がねじ切れちゃうんじゃないかと思うくらい、勢いよく振り返ったルナちゃんに驚いてしまって、思わず言葉を止めた。
「エレナお姉ちゃん、一緒に住んでくれるの!? それに、お兄様を治してくれるの!? エレナお姉ちゃんってお医者様なの!?」
「私はお医者様じゃなくて、聖女なの」
「聖女!? えっとえっと……聖女って……」
「世界で見ても数が少ない、回復魔法の使い手……ですね。エレナ様がそんな凄い人だったなんて……」
そういえば、ウィルフレッド様にはお話したけど、あの時はルナちゃんは席を外してたから、私の魔法に関しては知らないのよね。
「絶対に治るかの約束は出来ない――じゃないわね。時間がたくさんかかっちゃうかもだけど、治してみせるわ」
ここで予防線を張るのは簡単だ。でも、そんなことをしたら決意が鈍ってしまうと思った私は、あえて断言した。
すると、ルナちゃんはお日様の光が反射した湖のように、キラキラした目で私を見つめた。
「~~~~っ!! ルナ、すっごく嬉しい! お兄様のこと、よろしくね!」
「ええ、任せてください」
「もう、一緒に住むのにそんな大人みたいな話し方しないでよっ! シーちゃんもそう思うよね!」
「えっと……それじゃあ……私に任せて、ルナちゃん、シーちゃん」
「うんっ!」
「よかったですね、ご主人様」
こんなに喜んでもらえるなんて、これだけでも今回のことをしようと思って良かったと思えるわ。
って……何か忘れてるような……そうだ、どうして町に行きたいかの説明をするんだった。
「話を戻すと……ウィルフレッド様の治療をするために、回復魔法の触媒に使える薬草が欲しいの」
「しょく、ばい……?」
「そうね、簡単に言うと……私の魔法を少しの間強くする植物ね」
「そうなんだね。ルナはお金を持ってないから……お兄様に相談するよ!」
「いや、ウィルフレッド様には迷惑をかけられないから……って、待って待って!」
任せてと言わんばかりに胸を叩いたルナちゃんは、吹き抜ける風のように去っていった。それがあまりにも素早くて、部屋を出た時には既にその姿が無くなっていた――
****
翌日、私は大きな馬車に揺られながら、誰にも聞こえないくらい小さな溜息を漏らした。
おかしい、どうしてこうなってしまったのだろう。私はただ薬草を買う為に、町に行きたかっただけなのに、こんな豪華な馬車で送ってもらうなんて、想定もしていなかった。
それに、お金についても……。
「えへへ、お兄様とエレナお姉ちゃんとシーちゃんとお出かけ~♪」
「楽しそうだね、ルナ」
「うんっ!」
私の対面側に座っているウィルフレッド様とルナちゃんが、楽しそうに笑い合いながら声を弾ませる。
ああ、仲が良い兄妹がこうして楽しそうにしているのは、見ていてとても心が洗われる――じゃなくて。
どうしてウィルフレッド様がいるのかだけど、ルナちゃん経由で私の望みを聞いたウィルフレッド様が、自分のために動いてくれている私に協力しないわけにはいかないと、馬車やお金を用意してくれただけじゃなく、忙しいのにわざわざ一緒に来てくれた。
丁度今日は急ぎの仕事が無いと仰っていたけど、治す立場である聖女の私が、患者であるウィルフレッド様を疲れさせるようなことをしていては、本末転倒だ。
「エレナ殿、なんだか元気が無い様子ですが」
「え、エレナお姉ちゃん元気ないの!? 大丈夫? お腹すいたの?」
「いえ、大丈夫です」
「それならいいが……何かあったらすぐに言ってくださいね」
「はい。ありがとうございます」
……はぁ、疲れさせてるうえに余計な心配までかけてしまったわ。ただでさえ私は聖女として落ちこぼれなんだから、それ以外の所でしっかりしないでどうするのよ。
「到着いたしました」
「ああ、わかった。エレナ殿、私は少々降りるのに時間が掛かってしまうので、ここで座って待っていてもらえますか?」
「私もお手伝いしますよ!」
「いえ、お客人にそんなことをさせるわけにはいきません」
「お兄様、エレナお姉ちゃんはもうお客様じゃないよ!」
「その通りです。専属の聖女として、手伝わせてください」
私とルナちゃんに詰め寄られたウィルフレッド様は、観念したかのように苦笑いを浮かべた。
「わかりました、それでは使用人と一緒に肩を貸してもらえますか?」
「任せてください!」
私は一緒に乗っていた使用人の男性と一緒に、ウィルフレッド様を馬車から降ろす為に、肩を貸した。
……こうしてしっかり触れると、ちゃんと筋肉はついているのがわかる。本当にこの体でも、鍛錬をしてきたのね。本当に……凄い方だわ。
あと、どうでもいいことだけど……男の人にこんなに触れたことがないから、こんなに密着すると緊張してしまう。
「ありがとうございます、おかげで無事に降りられました」
「いえいえ。それにしても……この町は多くの人が行き交う、賑やかな町ですね」
「そうですね。では目的の物を探しに行きましょうか」
ウィルフレッド様はそう仰ると、使用人と一緒に目の前の店へと入っていった。
ここが目的地の店なのね。見た感じ、色んな植物を取り扱う薬屋さんって感じかしら? 煎じて飲むものや、すりつぶして傷口に塗るものなど、色んな種類が置いてある。
「えっと……確か母さんは、怪我の時はこの薬草を触媒にすると良いって言ってたわね……」
この葉っぱがトゲトゲしている緑の葉っぱが特徴的な薬草と、紫色の丸い葉っぱが特徴的な薬草と……あとこの赤と黄色の薬草もあった方が良いわね。
「私は薬草に関しては無知なのであれですが……色々あるのですね」
「そうですね。同じ様に見えても、効果も違いますし、使い方も違うんですよ。これはすりつぶしますけど、こっちは煎じたり……」
「そうなんですか。エレナ殿の薬草講義を聞いてるだけでも面白いですね」
「ふふっ、実は結構奥が深くて……ってあれ?」
ウィルフレッド様と楽しくおしゃべりをしていると、ルナちゃんが明後日の方向を向いておしゃべりをしていた。
え、そこには何もいないんだけど……ルナちゃん、何が見えているの……!?
私の気持ちが、ウィルフレッド様に伝わってよかった。でも、喜んでばかりもいられないのも事実だ。
まずウィルフレッド様の体をしっかりと診させてもらって、どこがどういう風に悪いのかをしっかり確認しないといけない。右目や右手、そして右足が不自由なのはわかっているけど、それ以外にも不自由になっている部分があるかもしれない。
「そうだ、触媒も集めた方が良いわね」
魔法というのは、使用者の魔力を使って魔法を発動させるけど、触媒を使って魔法を強化することが出来る。例えば、炎の魔力が込められた石を触媒にして、炎の魔法の威力をあげたりとかね。
回復魔法の場合は、薬効がある薬草なんかを使うのが一般的だ。疲労回復や怪我、病気の種類によって使い分けられる。
あとは魔力が沢山ある道具を使って、魔法の力をあげたりもできるけど……中々そんな都合の良いものは無い。
そんな利点しかないように思える触媒だけど、一度使うと無くなってしまうから、一々仕入れないといけないのが欠点ね。
「ウィルフレッド様の場合だと怪我に入るから、その辺りに効能がある薬草が欲しいわね」
後は、回復魔法について書かれている本なんかも欲しい。母さんに色々教わっているとはいえ、私は元々未熟だし、母さんの知っている全てを教えてもらえたわけじゃないからね。
「よし、本はとりあえず図書館とかで探すとして……あっ!!」
今頃になって、私はとんでもないことに気が付いてしまった。それは……お金の問題だ。
アーロイ様の所から逃げ出す時、お金なんて当然持っていなかったし、その後にお金を手に入れる機会も無かった。だからといって、ウィルフレッド様にねだるのも、なんだか気が引ける……。
「何処か日雇いのお仕事でも探して、お金を工面しましょう」
そうなると、町にあるギルドに行って仕事を探すのが早そうね。
ギルドというのは、色んなお仕事を紹介してくれる施設の総称だ。余程の田舎町でない限りは支社があるから、ギルドを探すの自体は困らない。
ただ、問題はどこに町があるのかということだ。この周りは山と草原が広がる土地。自然が豊かなのは良いことだけど、町の影も形も見えないから、どこに行けばいいかわからない。
「考えてもわからないし、誰かに聞いてみようかしら」
そんなことを思っていると、部屋のドアが力強くノックされたのとほぼ同時に、元気な声が聞こえてきた。
「エレナお姉ちゃーん! あーそーぼー!」
「ルナちゃん。待ってて、今行きます」
ドアを開けると、そこにはこの前読んであげたものとは別の絵本を抱きしめるように持つルナちゃんと、フワフワと飛びながら頭を下げるシーちゃんの姿があった。
「えへへ、この絵本を読んでほしいの!」
「もちろんいいですよ。その前に、一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」
「なんだろう? ルナに答えられることなら、何でも答えちゃうよ!」
「じゃあ中でお話しましょうか」
ルナちゃんとシーちゃんを部屋の中に招いた私は、ソファに腰を掛けると、私の隣にルナちゃんとシーちゃんが座った。
「それで、聞きたいことって?」
「私、町に行きたいんだけど、どっちに行けば町があるか知ってますか?」
「町? えっと~……」
「い、一番近い所ですと……南にあります」
う~ん……と、顎に小さな指を当てて考えるルナちゃんの代わりに、シーちゃんが答えてくれた。
「でも、どうして急に……?」
「話すとちょっと長くなるんですけど……私、ここに住んでウィルフレッド様の治療をしようと思うんです。それで――」
さらに事情を説明しようとしたが、体がねじ切れちゃうんじゃないかと思うくらい、勢いよく振り返ったルナちゃんに驚いてしまって、思わず言葉を止めた。
「エレナお姉ちゃん、一緒に住んでくれるの!? それに、お兄様を治してくれるの!? エレナお姉ちゃんってお医者様なの!?」
「私はお医者様じゃなくて、聖女なの」
「聖女!? えっとえっと……聖女って……」
「世界で見ても数が少ない、回復魔法の使い手……ですね。エレナ様がそんな凄い人だったなんて……」
そういえば、ウィルフレッド様にはお話したけど、あの時はルナちゃんは席を外してたから、私の魔法に関しては知らないのよね。
「絶対に治るかの約束は出来ない――じゃないわね。時間がたくさんかかっちゃうかもだけど、治してみせるわ」
ここで予防線を張るのは簡単だ。でも、そんなことをしたら決意が鈍ってしまうと思った私は、あえて断言した。
すると、ルナちゃんはお日様の光が反射した湖のように、キラキラした目で私を見つめた。
「~~~~っ!! ルナ、すっごく嬉しい! お兄様のこと、よろしくね!」
「ええ、任せてください」
「もう、一緒に住むのにそんな大人みたいな話し方しないでよっ! シーちゃんもそう思うよね!」
「えっと……それじゃあ……私に任せて、ルナちゃん、シーちゃん」
「うんっ!」
「よかったですね、ご主人様」
こんなに喜んでもらえるなんて、これだけでも今回のことをしようと思って良かったと思えるわ。
って……何か忘れてるような……そうだ、どうして町に行きたいかの説明をするんだった。
「話を戻すと……ウィルフレッド様の治療をするために、回復魔法の触媒に使える薬草が欲しいの」
「しょく、ばい……?」
「そうね、簡単に言うと……私の魔法を少しの間強くする植物ね」
「そうなんだね。ルナはお金を持ってないから……お兄様に相談するよ!」
「いや、ウィルフレッド様には迷惑をかけられないから……って、待って待って!」
任せてと言わんばかりに胸を叩いたルナちゃんは、吹き抜ける風のように去っていった。それがあまりにも素早くて、部屋を出た時には既にその姿が無くなっていた――
****
翌日、私は大きな馬車に揺られながら、誰にも聞こえないくらい小さな溜息を漏らした。
おかしい、どうしてこうなってしまったのだろう。私はただ薬草を買う為に、町に行きたかっただけなのに、こんな豪華な馬車で送ってもらうなんて、想定もしていなかった。
それに、お金についても……。
「えへへ、お兄様とエレナお姉ちゃんとシーちゃんとお出かけ~♪」
「楽しそうだね、ルナ」
「うんっ!」
私の対面側に座っているウィルフレッド様とルナちゃんが、楽しそうに笑い合いながら声を弾ませる。
ああ、仲が良い兄妹がこうして楽しそうにしているのは、見ていてとても心が洗われる――じゃなくて。
どうしてウィルフレッド様がいるのかだけど、ルナちゃん経由で私の望みを聞いたウィルフレッド様が、自分のために動いてくれている私に協力しないわけにはいかないと、馬車やお金を用意してくれただけじゃなく、忙しいのにわざわざ一緒に来てくれた。
丁度今日は急ぎの仕事が無いと仰っていたけど、治す立場である聖女の私が、患者であるウィルフレッド様を疲れさせるようなことをしていては、本末転倒だ。
「エレナ殿、なんだか元気が無い様子ですが」
「え、エレナお姉ちゃん元気ないの!? 大丈夫? お腹すいたの?」
「いえ、大丈夫です」
「それならいいが……何かあったらすぐに言ってくださいね」
「はい。ありがとうございます」
……はぁ、疲れさせてるうえに余計な心配までかけてしまったわ。ただでさえ私は聖女として落ちこぼれなんだから、それ以外の所でしっかりしないでどうするのよ。
「到着いたしました」
「ああ、わかった。エレナ殿、私は少々降りるのに時間が掛かってしまうので、ここで座って待っていてもらえますか?」
「私もお手伝いしますよ!」
「いえ、お客人にそんなことをさせるわけにはいきません」
「お兄様、エレナお姉ちゃんはもうお客様じゃないよ!」
「その通りです。専属の聖女として、手伝わせてください」
私とルナちゃんに詰め寄られたウィルフレッド様は、観念したかのように苦笑いを浮かべた。
「わかりました、それでは使用人と一緒に肩を貸してもらえますか?」
「任せてください!」
私は一緒に乗っていた使用人の男性と一緒に、ウィルフレッド様を馬車から降ろす為に、肩を貸した。
……こうしてしっかり触れると、ちゃんと筋肉はついているのがわかる。本当にこの体でも、鍛錬をしてきたのね。本当に……凄い方だわ。
あと、どうでもいいことだけど……男の人にこんなに触れたことがないから、こんなに密着すると緊張してしまう。
「ありがとうございます、おかげで無事に降りられました」
「いえいえ。それにしても……この町は多くの人が行き交う、賑やかな町ですね」
「そうですね。では目的の物を探しに行きましょうか」
ウィルフレッド様はそう仰ると、使用人と一緒に目の前の店へと入っていった。
ここが目的地の店なのね。見た感じ、色んな植物を取り扱う薬屋さんって感じかしら? 煎じて飲むものや、すりつぶして傷口に塗るものなど、色んな種類が置いてある。
「えっと……確か母さんは、怪我の時はこの薬草を触媒にすると良いって言ってたわね……」
この葉っぱがトゲトゲしている緑の葉っぱが特徴的な薬草と、紫色の丸い葉っぱが特徴的な薬草と……あとこの赤と黄色の薬草もあった方が良いわね。
「私は薬草に関しては無知なのであれですが……色々あるのですね」
「そうですね。同じ様に見えても、効果も違いますし、使い方も違うんですよ。これはすりつぶしますけど、こっちは煎じたり……」
「そうなんですか。エレナ殿の薬草講義を聞いてるだけでも面白いですね」
「ふふっ、実は結構奥が深くて……ってあれ?」
ウィルフレッド様と楽しくおしゃべりをしていると、ルナちゃんが明後日の方向を向いておしゃべりをしていた。
え、そこには何もいないんだけど……ルナちゃん、何が見えているの……!?
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