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第七十六話 いざ故郷へ!
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私の故郷と思われる場所に行く準備を始めてから三日後、私とオーウェン様はバッチリ準備を終えて、出発を目前に控えていた。
「えっと、えっと……忘れ物はないわよね……いつもの道具一式はあるし、薬に使えるものも満遍なく持ったし……」
「エリンお姉ちゃん、確認するの十七回目だよ?」
「そ、そんなにしてたかしら?」
これまでも、教会に行ったりオーリボエに行ったりと、遠くに行く機会はあった。
でも、今回は前の二つとは比べ物にならないくらい遠くに行かなければならないと思うと、いくら準備と確認を重ねても足りないくらいだわ。
「大丈夫だ、俺も一緒に何度も確認したからな」
「ですが……」
「忘れ物をしたら絶対にダメというわけではないのだから、少し肩の力を抜いた方が良い」
「オーウェン様……」
オーウェン様に両肩を優しくさすってもらいながら、そっと言ってくれた言葉のおかげで、少しだけ緊張がほぐれてくれた。
「さあ、出発しよう。ロドルフ殿、ココのことをよろしくお願いします」
「お任せくだされ」
「なるべく早く帰ってこれるようにするからね」
「わたしのことは気にしないで、楽しんできてね! あ、お土産は期待してるから!」
冗談交じりに笑うココちゃんにつられて私も笑いながら、私はオーウェン様と一緒にパーチェに向かって歩き出した。
今日もとってもいいお天気で、過ごしやすい気温だ。これならいつもだったら晴れやかな気分で歩けるのだけど、今回は状況が特殊だからなのか、緊張や不安や喜びといった、様々な感情が心の奥底で渦巻いている。
「エリン、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。ちょっと落ち着かないだけなので……あ、もしかして手汗酷いですか!?」
「それは問題ないから、気にしないでいいよ」
「そう、ですか」
落ち着いていないせいで、いつもは気にもしないことが気になってしまうなんて、ちょっぴり自分が情けない。オーウェン様みたいに、落ち付いた大人になりたいわ……。
「……周りに誰もいないな」
「え? そ、そうですね」
「…………」
「きゃっ!?」
パーチェに向かう途中、突然足を止めたオーウェン様は、周りに誰もいないことを確認したと思ったら、私のことを優しく抱きしめた。
「お、オーウェン様……!?」
「大丈夫。なにがあっても、俺がついている。だから、そんなに不安に思わずに、ようやく帰れるかもしれない故郷や家族との再会を、楽しみにしておいた方がいいだろう?」
「……そうですね。オーウェン様の言う通りだと思います」
……暖かい。オーウェン様の温もりだけじゃない。オーウェン様の暖かい言葉や気持ちが、私の体を包みこんでくれる。
こんなことをされたら、更に好きになってしまうわ。これ以上、オーウェン様の虜にさせないでほしい。色々と大変だから。
「もう大丈夫です」
「そうか。それじゃあ行こうか」
オーウェン様から離れると、恋人がする手の繋ぎ方をして再び歩き出す。
あっ……しまった。ちゃんと励ましてもらったお礼をしていなかった。ちゃんと私の感謝の気持ちを伝えなきゃ。
「励ましてくれて、ありがとうございます」
「礼を言われるほどのことじゃないさ」
「もう、そういうところですよ……本当大好き……」
「……エリン?」
「あっ……!」
優しいうえに謙虚な姿勢を見せられてしまい、無意識に大好きと言う言葉が出てしまった。
これでも一応お付き合いをさせてもらってるけど、告白の時以来、こうして言葉で愛情を伝えたことは無かった。
なぜかって? それは、その……言うのが恥ずかしかったから……。
「い、今のは違うんです! いや、全くこれっぽっちも違くは無いんですけど、今のはなんていうか、その……!」
「エリン」
必死に意味がない言い訳を並べる私の唇が、オーウェン様の唇で塞がれた。その衝撃があまりにも凄まじくて……その場で固まってしまった。
たった数秒程の唇同士の触れ合いが終わると、オーウェン様はニッコリと微笑みながら、私の頬に手を添えた。
「大丈夫、ちゃんとわかってるから。俺も大好き……いや、愛しているよ」
「お、オーウェン様……わ、わた……はふぁ……」
私は、自分のしてしまったことや、オーウェン様からの愛情表現き耐えきれなくなり、変な声を上げながら意識を失った。
お母さん、ごめんなさい……私、お母さんの所に行く前に、大好きなオーウェン様に身も心も骨抜きにされちゃったよ……。
****
「……う~ん……あれ、ここは?」
目が覚めると、先程までいたパーチェへの行くための道ではなく、とてもこじんまりとした部屋の中だった。
それも、部屋の中が小刻みに揺れているし、頭はちょっと固いような柔らかいような、でも暖かくて良い匂いがする不思議な枕があって……状況が色々と飲み込めない。
「エリン、目が覚めたか」
「オーウェン様……?」
オーウェン様は上から覗き込むように、私のことを見ながら安堵の表情を浮かべる。
もしかして……ううん、きっとそうだ。今の私は、オーウェン様に膝枕をされている!
「あ、あのあの……私! すぐに退きますから!」
「落ち着くんだ。少しそのままでいた方が良い。丁度他に客もいないみたいだから、周りの目を気にする必要も無い」
「は、はい……」
オーウェン様の提案に素直に頷くと、オーウェン様は私の頭をそっと撫で始めた。
……こうやって膝枕をされながら頭を撫でられた経験なんていないから、なんだかくすぐったいわ。
「エリンの髪は、サラサラしていて綺麗だな」
「そうでしょうか……? ところで、客と言っていましたけど……ここはどこですか?」
「馬車の中だよ。倒れたエリンを連れてパーチェまで無事についたあと、目的の馬車に乗りこんで今に至るというわけだ」
「うぅ、私ってば最初からオーウェン様にご迷惑をおかけしてしまったんですね」
「気にすることは無い。元はといえば、俺が原因だからな」
「オーウェン様は悪くありません!」
私がもっと恋愛のことに耐性があれば倒れずに済んだのだから、オーウェン様は何一つ悪いことは無い。
人によっては、急にそんなことをするのが悪いって思う人もいるかもしれないけど、私が自分の方が悪いって思うんだから、それでいいじゃない?
「確かに私はドキドキしすぎて倒れちゃいましたけど……好きって言葉も、き……キスも嬉しかったですから」
「エリン……そんなことを言われたら、もっとしたくなるだろう?」
「い、今はちょっと……」
今オーウェン様に色々されたら、ドキドキの過剰摂取で、今度は数日間は寝込みそうだ。そうなったら、折角の旅が台無しになってしまう。
「そうか……残念だ。まだ到着には時間がかかるようだから、少し休んでいると良い。最近仕事が立て込んでいたから、疲れているだろう?」
「それはオーウェン様も一緒でしょう?」
「俺か? 俺は騎士として鍛えられた体力があるからな。まだまだ余裕だよ」
「さすがはオーウェン様ですね。私も騎士の鍛錬をしたら、少しは体力がつくでしょうか?」
「つくだろうが、オススメはしないな。毎朝腹筋と腕立てと素振りを千回ずつやってもいいというのなら、止めないよ」
せ、千回……うん、私には縁がなかったものとして、諦めるのがよさそうだ。
「鍛錬はまたいつかの機会にしておきます」
「ああ、それがいい」
おかしそうに笑うオーウェン様は、私の頭を撫で続けながら、ゆったりとしたメロディーの鼻歌を歌い始めた。
仕事で疲れている私の体に、オーウェン様の温もりと頭を撫でられるのに加えて、この優しいメロディーは、今の私には効果てきめんだったようで、五分もしないうちに、再び眠りについてしまった――
「えっと、えっと……忘れ物はないわよね……いつもの道具一式はあるし、薬に使えるものも満遍なく持ったし……」
「エリンお姉ちゃん、確認するの十七回目だよ?」
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これまでも、教会に行ったりオーリボエに行ったりと、遠くに行く機会はあった。
でも、今回は前の二つとは比べ物にならないくらい遠くに行かなければならないと思うと、いくら準備と確認を重ねても足りないくらいだわ。
「大丈夫だ、俺も一緒に何度も確認したからな」
「ですが……」
「忘れ物をしたら絶対にダメというわけではないのだから、少し肩の力を抜いた方が良い」
「オーウェン様……」
オーウェン様に両肩を優しくさすってもらいながら、そっと言ってくれた言葉のおかげで、少しだけ緊張がほぐれてくれた。
「さあ、出発しよう。ロドルフ殿、ココのことをよろしくお願いします」
「お任せくだされ」
「なるべく早く帰ってこれるようにするからね」
「わたしのことは気にしないで、楽しんできてね! あ、お土産は期待してるから!」
冗談交じりに笑うココちゃんにつられて私も笑いながら、私はオーウェン様と一緒にパーチェに向かって歩き出した。
今日もとってもいいお天気で、過ごしやすい気温だ。これならいつもだったら晴れやかな気分で歩けるのだけど、今回は状況が特殊だからなのか、緊張や不安や喜びといった、様々な感情が心の奥底で渦巻いている。
「エリン、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。ちょっと落ち着かないだけなので……あ、もしかして手汗酷いですか!?」
「それは問題ないから、気にしないでいいよ」
「そう、ですか」
落ち着いていないせいで、いつもは気にもしないことが気になってしまうなんて、ちょっぴり自分が情けない。オーウェン様みたいに、落ち付いた大人になりたいわ……。
「……周りに誰もいないな」
「え? そ、そうですね」
「…………」
「きゃっ!?」
パーチェに向かう途中、突然足を止めたオーウェン様は、周りに誰もいないことを確認したと思ったら、私のことを優しく抱きしめた。
「お、オーウェン様……!?」
「大丈夫。なにがあっても、俺がついている。だから、そんなに不安に思わずに、ようやく帰れるかもしれない故郷や家族との再会を、楽しみにしておいた方がいいだろう?」
「……そうですね。オーウェン様の言う通りだと思います」
……暖かい。オーウェン様の温もりだけじゃない。オーウェン様の暖かい言葉や気持ちが、私の体を包みこんでくれる。
こんなことをされたら、更に好きになってしまうわ。これ以上、オーウェン様の虜にさせないでほしい。色々と大変だから。
「もう大丈夫です」
「そうか。それじゃあ行こうか」
オーウェン様から離れると、恋人がする手の繋ぎ方をして再び歩き出す。
あっ……しまった。ちゃんと励ましてもらったお礼をしていなかった。ちゃんと私の感謝の気持ちを伝えなきゃ。
「励ましてくれて、ありがとうございます」
「礼を言われるほどのことじゃないさ」
「もう、そういうところですよ……本当大好き……」
「……エリン?」
「あっ……!」
優しいうえに謙虚な姿勢を見せられてしまい、無意識に大好きと言う言葉が出てしまった。
これでも一応お付き合いをさせてもらってるけど、告白の時以来、こうして言葉で愛情を伝えたことは無かった。
なぜかって? それは、その……言うのが恥ずかしかったから……。
「い、今のは違うんです! いや、全くこれっぽっちも違くは無いんですけど、今のはなんていうか、その……!」
「エリン」
必死に意味がない言い訳を並べる私の唇が、オーウェン様の唇で塞がれた。その衝撃があまりにも凄まじくて……その場で固まってしまった。
たった数秒程の唇同士の触れ合いが終わると、オーウェン様はニッコリと微笑みながら、私の頬に手を添えた。
「大丈夫、ちゃんとわかってるから。俺も大好き……いや、愛しているよ」
「お、オーウェン様……わ、わた……はふぁ……」
私は、自分のしてしまったことや、オーウェン様からの愛情表現き耐えきれなくなり、変な声を上げながら意識を失った。
お母さん、ごめんなさい……私、お母さんの所に行く前に、大好きなオーウェン様に身も心も骨抜きにされちゃったよ……。
****
「……う~ん……あれ、ここは?」
目が覚めると、先程までいたパーチェへの行くための道ではなく、とてもこじんまりとした部屋の中だった。
それも、部屋の中が小刻みに揺れているし、頭はちょっと固いような柔らかいような、でも暖かくて良い匂いがする不思議な枕があって……状況が色々と飲み込めない。
「エリン、目が覚めたか」
「オーウェン様……?」
オーウェン様は上から覗き込むように、私のことを見ながら安堵の表情を浮かべる。
もしかして……ううん、きっとそうだ。今の私は、オーウェン様に膝枕をされている!
「あ、あのあの……私! すぐに退きますから!」
「落ち着くんだ。少しそのままでいた方が良い。丁度他に客もいないみたいだから、周りの目を気にする必要も無い」
「は、はい……」
オーウェン様の提案に素直に頷くと、オーウェン様は私の頭をそっと撫で始めた。
……こうやって膝枕をされながら頭を撫でられた経験なんていないから、なんだかくすぐったいわ。
「エリンの髪は、サラサラしていて綺麗だな」
「そうでしょうか……? ところで、客と言っていましたけど……ここはどこですか?」
「馬車の中だよ。倒れたエリンを連れてパーチェまで無事についたあと、目的の馬車に乗りこんで今に至るというわけだ」
「うぅ、私ってば最初からオーウェン様にご迷惑をおかけしてしまったんですね」
「気にすることは無い。元はといえば、俺が原因だからな」
「オーウェン様は悪くありません!」
私がもっと恋愛のことに耐性があれば倒れずに済んだのだから、オーウェン様は何一つ悪いことは無い。
人によっては、急にそんなことをするのが悪いって思う人もいるかもしれないけど、私が自分の方が悪いって思うんだから、それでいいじゃない?
「確かに私はドキドキしすぎて倒れちゃいましたけど……好きって言葉も、き……キスも嬉しかったですから」
「エリン……そんなことを言われたら、もっとしたくなるだろう?」
「い、今はちょっと……」
今オーウェン様に色々されたら、ドキドキの過剰摂取で、今度は数日間は寝込みそうだ。そうなったら、折角の旅が台無しになってしまう。
「そうか……残念だ。まだ到着には時間がかかるようだから、少し休んでいると良い。最近仕事が立て込んでいたから、疲れているだろう?」
「それはオーウェン様も一緒でしょう?」
「俺か? 俺は騎士として鍛えられた体力があるからな。まだまだ余裕だよ」
「さすがはオーウェン様ですね。私も騎士の鍛錬をしたら、少しは体力がつくでしょうか?」
「つくだろうが、オススメはしないな。毎朝腹筋と腕立てと素振りを千回ずつやってもいいというのなら、止めないよ」
せ、千回……うん、私には縁がなかったものとして、諦めるのがよさそうだ。
「鍛錬はまたいつかの機会にしておきます」
「ああ、それがいい」
おかしそうに笑うオーウェン様は、私の頭を撫で続けながら、ゆったりとしたメロディーの鼻歌を歌い始めた。
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