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第四十六話 裏切り……!?
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私とずっと一緒に巡礼の旅をしてきたココ様。明るくて、優しくて、いつも私の心配をしてくれたあのココ様が、ジーク様達の敵……!?
だ、駄目……頭の回転が追い付かない……視界がグルグルしますし、足に力が入りません……。
「シエル!」
地面に激突する寸前に、ジーク様が私の体を支えてくださいました。そのおかげで、なんとか倒れる事は免れました。
でも……状況が良くなったわけではありません。ココ様に聞こうにも、悲しそうに俯いているだけで……答える気配はありません。
「クククッ……そいつはオレ様自ら指名したんだよ。巡礼に耐え抜いた力を見込んでなぁ。容姿も悪くないしな。あと……オレ様とこいつにボコられる姿を見たら、お前はどんな顔で泣いてくれるんだ? なぁ……シエル……!」
「貴様……!!」
舌なめずりをしながら不敵に笑うその顔は、まさに不気味としか言えません。今からでも、私の大切な物や人を、根こそぎ奪っていく悪魔のようです。
ですが、そんな悪魔から守ってくれるように、二人の騎士……ううん、ジーク様とクリス様が間に入ってきました。
「共に苦難を超えてきた相手を使って愚弄するなんて、どんな神経をしている!? 貴様もだ! なぜこのような男の命令に従ってる!? 貴様はシエルの友じゃなかったのか!?」
「わた……私……ごめんなさい……ごめんなさい……」
詰め寄ろうとするジーク様を止めるように、クリス様が肩をギュッと掴んで止めていました。
そんなやり取りを見ていたら、ココ様の様子がおかしいのに気づきました。なんていうか……ずっと怯えているというか……その怯え方が、尋常じゃありません。
「きっと彼女にも理由があるんだよ。そうじゃなければ、こんな男の下に素直に従うとは思えない」
「……ごめんなさい……本当に……」
「おいおい、一応オレ様は王子だってのをわかって無さそうだな? そこの気持ち悪い白女に、小さいゴミみたいな領主の息子共が!」
イライラしてるのを前面に出していたアンドレ様は、テーブルを蹴り飛ばしてひっくり返すと、態度が良くないジーク様の胸ぐらを掴んできました。
「ふん、貴様のような男が即位した暁には、この国は腐れ落ちるだろうな。後になって、小さいゴミみたいな領主が運営する領地に泣きつきに来るなよ?」
「貴様……ああ言えばこう言う……! 本当に癪に障る連中だ! 今回の一戦で、絶対にボコボコにして、てめえらの大切な物、全部壊してやるからよぉ……」
「はぁ……ここまで無能な男とは思っても無かった。弱い犬程欲吠えるとはこの事だな。知識も犬以下なら、吠えてもおかしくはないか」
「て、てめえ……!!!!」
ジーク様は、掴まれていた胸ぐらを引き剥がすと、悠々と私の隣へと移動してきました。その勇ましい顔は……カッコよすぎて言葉が出ません。
「お前は勝てないし、奪う事もできない。なぜなら俺達は強い。そして、大切なものは身を挺して守るからだ」
「ふあ……!」
真っ直ぐ、そして力強い言葉をぶつけるジーク様じゃ、私の肩を抱きながら、高らかに宣言しました。
う、うわぁぁぁぁカッコいいよぉぉぉぉぉぉぉ!! これ、私と一生添い遂げるって受け取っちゃ駄目なのはわかってるんですけど、変に勘違いしちゃいます!
……あ、でも……ただ同居人だから守るってだけかも……もしそうなら、恥ずかしすぎてお嫁にいけません……たぶん誰も貰ってくれないでしょうけど……。
「アンドレ様、あまり大事にすると、お父上のお耳に入ってしまうかもしれません」
「ちっ……もういい。さっさとオレ様の前から消えろ!」
兵士の方になだめられたアンドレ様は、私達を見下すような目つきでそう言うと、私達を部屋から追い出しました。
……ちょっと危ない瞬間もありましたが、何とか挨拶が終わって一安心です。あれが挨拶と言っていいのかは少々疑問ですけど……。
そもそも、あれって挨拶というより、宣戦布告に近いように思うのは、私の気のせいでしょうか?
「それにしても、彼女の様子がなんだか変だったのが気にかかるね」
控室に戻る途中、ふと足を止めたクリス様は、神妙な面持ちでぽつりと呟きました。
「シエルと旅をして、慕っていた人間がこんな事に加担するのは、俺もおかしいと思う」
「そ、そうですよ! ココ様はとてもお優しい方です! アンドレ様の酷い行いに手を貸すなんて思えません!」
「……私の杞憂ならいいんだが……念な為、確認しておいて損はないだろう。二人は先に控え室に戻っておいてくれ。私もすぐに戻る」
そう言うと、クリス様は止まる間も無く走り去ってしまいました。
念の為って、どういう事なんでしょうか? もしかして、ココ様がこんな事に手を貸した原因が、クリス様には見当がついてたりするんでしょうか?
私には皆目見当も付きませんが、クリス様を信じて控え室に戻るとしましょう……。
****
ついに迎えた試合の時間――私は一人で観客席へと赴きました。周りはこれまでの試合で白熱したのか、凄まじい熱気に包まれています。
そんな中、私は観客席の最前列にある席に座りました。すぐ前には、観客席に被害が来ないように、魔法の障壁が貼られていました。
ちなみにこの席は、事前にベルモンド家の方が、私の為に確保しておいた席だと伺っています。
「はぁ……緊張でお腹が痛い……」
これから行われるのは、あくまで試合です……戦争ではないはずなのに、今までのやり取りや、アンドレ様の性格を考えると……これは血で血を洗う争いのようにしか思えません。
やっぱり……あの時ベルモンド家を出ていった方が良かったかもしれません。そうすれば、お二人をこんな事に巻き込む事は無かったのに……。
私……なにしているんだろう。ジーク様を一人ぼっちにしないから始まって、回復術師になって恩返しをしようとしたのに失敗して……結局後悔ばかりして……本当に馬鹿みたい。
『わぁぁぁぁぁぁ!!』
自分の情けなさを嘆いていると、一段と周りの歓声が大きくなりました。何事かと思って顔を上げると、丁度ジーク様達四人が出てきたようです。
……もうここまで来たら、後悔してるよりも、頑張ってるお二人を応援して、無事に帰ってくるのを祈りましょう。
「すぅ~……頑張れぇぇぇぇ!!!!」
周りの目なんて一切気にせずに、体全部に力を入れて応援を送ると、ジーク様とクリス様がこちらを見てくれました。
その姿は……私に大丈夫だって言ってくれているように思えて……不思議と安心できました。
ジーク様……クリス様……私はご迷惑ばかりおかけして、安全な所で応援する事しか出来ない馬鹿な女ですけど……ここで見守っています。もし怪我をしちゃったら、私が絶対に治してみせます! それがどんなにいけない事だとしても……!
だ、駄目……頭の回転が追い付かない……視界がグルグルしますし、足に力が入りません……。
「シエル!」
地面に激突する寸前に、ジーク様が私の体を支えてくださいました。そのおかげで、なんとか倒れる事は免れました。
でも……状況が良くなったわけではありません。ココ様に聞こうにも、悲しそうに俯いているだけで……答える気配はありません。
「クククッ……そいつはオレ様自ら指名したんだよ。巡礼に耐え抜いた力を見込んでなぁ。容姿も悪くないしな。あと……オレ様とこいつにボコられる姿を見たら、お前はどんな顔で泣いてくれるんだ? なぁ……シエル……!」
「貴様……!!」
舌なめずりをしながら不敵に笑うその顔は、まさに不気味としか言えません。今からでも、私の大切な物や人を、根こそぎ奪っていく悪魔のようです。
ですが、そんな悪魔から守ってくれるように、二人の騎士……ううん、ジーク様とクリス様が間に入ってきました。
「共に苦難を超えてきた相手を使って愚弄するなんて、どんな神経をしている!? 貴様もだ! なぜこのような男の命令に従ってる!? 貴様はシエルの友じゃなかったのか!?」
「わた……私……ごめんなさい……ごめんなさい……」
詰め寄ろうとするジーク様を止めるように、クリス様が肩をギュッと掴んで止めていました。
そんなやり取りを見ていたら、ココ様の様子がおかしいのに気づきました。なんていうか……ずっと怯えているというか……その怯え方が、尋常じゃありません。
「きっと彼女にも理由があるんだよ。そうじゃなければ、こんな男の下に素直に従うとは思えない」
「……ごめんなさい……本当に……」
「おいおい、一応オレ様は王子だってのをわかって無さそうだな? そこの気持ち悪い白女に、小さいゴミみたいな領主の息子共が!」
イライラしてるのを前面に出していたアンドレ様は、テーブルを蹴り飛ばしてひっくり返すと、態度が良くないジーク様の胸ぐらを掴んできました。
「ふん、貴様のような男が即位した暁には、この国は腐れ落ちるだろうな。後になって、小さいゴミみたいな領主が運営する領地に泣きつきに来るなよ?」
「貴様……ああ言えばこう言う……! 本当に癪に障る連中だ! 今回の一戦で、絶対にボコボコにして、てめえらの大切な物、全部壊してやるからよぉ……」
「はぁ……ここまで無能な男とは思っても無かった。弱い犬程欲吠えるとはこの事だな。知識も犬以下なら、吠えてもおかしくはないか」
「て、てめえ……!!!!」
ジーク様は、掴まれていた胸ぐらを引き剥がすと、悠々と私の隣へと移動してきました。その勇ましい顔は……カッコよすぎて言葉が出ません。
「お前は勝てないし、奪う事もできない。なぜなら俺達は強い。そして、大切なものは身を挺して守るからだ」
「ふあ……!」
真っ直ぐ、そして力強い言葉をぶつけるジーク様じゃ、私の肩を抱きながら、高らかに宣言しました。
う、うわぁぁぁぁカッコいいよぉぉぉぉぉぉぉ!! これ、私と一生添い遂げるって受け取っちゃ駄目なのはわかってるんですけど、変に勘違いしちゃいます!
……あ、でも……ただ同居人だから守るってだけかも……もしそうなら、恥ずかしすぎてお嫁にいけません……たぶん誰も貰ってくれないでしょうけど……。
「アンドレ様、あまり大事にすると、お父上のお耳に入ってしまうかもしれません」
「ちっ……もういい。さっさとオレ様の前から消えろ!」
兵士の方になだめられたアンドレ様は、私達を見下すような目つきでそう言うと、私達を部屋から追い出しました。
……ちょっと危ない瞬間もありましたが、何とか挨拶が終わって一安心です。あれが挨拶と言っていいのかは少々疑問ですけど……。
そもそも、あれって挨拶というより、宣戦布告に近いように思うのは、私の気のせいでしょうか?
「それにしても、彼女の様子がなんだか変だったのが気にかかるね」
控室に戻る途中、ふと足を止めたクリス様は、神妙な面持ちでぽつりと呟きました。
「シエルと旅をして、慕っていた人間がこんな事に加担するのは、俺もおかしいと思う」
「そ、そうですよ! ココ様はとてもお優しい方です! アンドレ様の酷い行いに手を貸すなんて思えません!」
「……私の杞憂ならいいんだが……念な為、確認しておいて損はないだろう。二人は先に控え室に戻っておいてくれ。私もすぐに戻る」
そう言うと、クリス様は止まる間も無く走り去ってしまいました。
念の為って、どういう事なんでしょうか? もしかして、ココ様がこんな事に手を貸した原因が、クリス様には見当がついてたりするんでしょうか?
私には皆目見当も付きませんが、クリス様を信じて控え室に戻るとしましょう……。
****
ついに迎えた試合の時間――私は一人で観客席へと赴きました。周りはこれまでの試合で白熱したのか、凄まじい熱気に包まれています。
そんな中、私は観客席の最前列にある席に座りました。すぐ前には、観客席に被害が来ないように、魔法の障壁が貼られていました。
ちなみにこの席は、事前にベルモンド家の方が、私の為に確保しておいた席だと伺っています。
「はぁ……緊張でお腹が痛い……」
これから行われるのは、あくまで試合です……戦争ではないはずなのに、今までのやり取りや、アンドレ様の性格を考えると……これは血で血を洗う争いのようにしか思えません。
やっぱり……あの時ベルモンド家を出ていった方が良かったかもしれません。そうすれば、お二人をこんな事に巻き込む事は無かったのに……。
私……なにしているんだろう。ジーク様を一人ぼっちにしないから始まって、回復術師になって恩返しをしようとしたのに失敗して……結局後悔ばかりして……本当に馬鹿みたい。
『わぁぁぁぁぁぁ!!』
自分の情けなさを嘆いていると、一段と周りの歓声が大きくなりました。何事かと思って顔を上げると、丁度ジーク様達四人が出てきたようです。
……もうここまで来たら、後悔してるよりも、頑張ってるお二人を応援して、無事に帰ってくるのを祈りましょう。
「すぅ~……頑張れぇぇぇぇ!!!!」
周りの目なんて一切気にせずに、体全部に力を入れて応援を送ると、ジーク様とクリス様がこちらを見てくれました。
その姿は……私に大丈夫だって言ってくれているように思えて……不思議と安心できました。
ジーク様……クリス様……私はご迷惑ばかりおかけして、安全な所で応援する事しか出来ない馬鹿な女ですけど……ここで見守っています。もし怪我をしちゃったら、私が絶対に治してみせます! それがどんなにいけない事だとしても……!
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