51 / 53
第五十一話 一件落着
しおりを挟む
「なにやってんだお前は」
最後の最後に間抜けなことをしてしまったと思っていた私だったが、完全に倒れ切る前に不自然に体が宙で止まった。ついでに首が変に締まって、ちょっと苦しい。
何が起こったのか確認すると、私の後ろにシャフト先生が立っていた。どうやら倒れる私の襟を引っ張り上げて、薬品との接触を避けてくれたんだわ。
「助けてくれて、ありがとうございます」
「おう、そろそろ時間切れだから見に来たら、丁度良かった。確認してやっから、座って休んでろ」
「いいんですか?」
「適材適所だ。丁度実験が暇になってな」
「ありがとうございます……それでその、そろそろ放してくれると……首が締まって……」
「あん? それくらい我慢しろや」
なんとも横暴な態度を取りつつも、シャフト先生は私を開放してくれた。
助けてくれたのはとても感謝しているけど、せめて手とか腕を掴むとかにしてほしかったと思うのは欲張りなのかしら。後ろから襟をグイッてやるなんて……。
「ふむ、これは……なるほどな」
「だ、ダメ……です、か……?」
シャフト先生は、私の作った薬を観察しながら、ぽつりと言葉を漏らした。
これでちゃんと出来ていなかったら、もう時間が無い。それに、私の魔力も休憩で戻った分も含めて、全て使い切ってしまった。恐らく、次を作るにはしばらくの休息が必要なるだろう。
お願い……見た目は上手く出来てるんだから、ちゃんと中身も完成してて!
「お前はワシの期待に応えた。ギリギリ合格だな」
「それって……」
「ああ。ちゃんと完成している」
シャフト先生の完成しているという言葉を聞いて、完全に全身から力が抜けた私は、椅子に座っているのも出来なくなり、その場で床に大の字で倒れてしまった。
「なにしてるんだ、みっともない。ちゃんと座ってろ」
「そ、そうなんですけど……体に力が入らなくて……あの、本当に……? 私に、出来たんですか……?」
「ああ」
改めて聞いても、返ってくるのは望んでいたものだった。本当に私、出来たんだ……!
「後はワシの方で処置をするから、帰って休んでおけ」
「いえ……最後までお付き合いさせてください」
「その体たらくでよく言えたもんだ。途中で泣き言を言ったら叩きだすからな」
そう言うと、シャフト先生は私を優しくおんぶをしてくれた――なんてことはなく、なんと私を片手で担ぎ上げて、教室を後にした。
いやいやいや、ちょっと待って! この運び方って、完全に大柄な男性がタルを片手で運ぶ持ち方よね!? シャフト先生にそんな筋力があったのにも驚きだけど、それよりも、もう少し運び方があると思うの!
****
なんとかレオ様がいる保健室まで到着出来た私は、シャフト先生から降ろされながら、深々と溜息を漏らした。
なんていうか……凄く疲れた。いや、向こうにいた時から疲れてはいたんだけど……それとは別の疲れというか……明け方だから、生徒がいなかったのが救いだったわ。
「あ、アメリアちゃん!?」
「え、ローガン様にレイカ様!?」
保健室にやってくると、ずっと看病をしてくれていたセシル様の他に、ローガン様とレイカ様もいらっしゃった。他にも数人の使用人がいて、みんなレオ様の心配をしていた。
うぅ……誰にも見られて無くて良かったと思ったら、想定外の人達に見られてしまった……もうお嫁にいけない……。
「ちょっと、私達の大切な娘をなんて運び方をしていらっしゃるの!? 事と次第によっては、絶対に許しませんことよ!!」
「よせレイカ。何か事情があるのだろう」
「ああ。こいつが疲労で動けなくなっているのに、ついてくると言い出したから、連れてきた。ワシは片手が不自由なもんで、こんな運び方になっちまったが」
二人の前でも、いつもの姿勢を全く崩さないシャフト先生は、私を降ろして椅子に座らせた。
……この場を乗り切るために、適当な嘘をついてるわね。片手が不自由だなんて話、一切聞いたことが無いもの。
でも、怒るレイカ様を納得させるには、ある意味手っ取り早い方法なのかもしれない。
「事情はセシル殿から聞いている。何も出来ない不甲斐ない私達の代わりに……息子を助けてほしい」
「もちろんです。そのために薬を作ってきました」
「アメリア、お前が薬を飲ませてやれ」
「え、私がですか?」
「そうだ。お前が作った薬なんだから、最後まで責任をもって終わらせろ。手くらいは動くだろ?」
「それくらいなら……」
私はシャフト先生に支えてもらいながら、持ってきた薬をレオ様の口元に持っていった。
レオ様、凄く苦しそう……大丈夫ですよ、この薬ですぐによくなるはずですから。
「うっ……ごほっ!!」
「えっ!? レオ様!?」
薬を飲んだレオ様は、さっきよりも苦しそうな表情を浮かべながら、強く咳き込んだ。それだけじゃなく、口からは血も出始めていた。
ど、どういうことなの!? もしかして、私の薬は失敗していたというの!?
「薬に反応した毒が、最後の抵抗を見せているだけだ。ものによっては、こういう反応が出るのは、お前も勉強してんだろ」
「あっ……た、確かにそうでした……ごめんなさい、動揺しちゃって」
「まあわからんでもないがな。口と鼻に血が溜まらないようにしながら、薬をゆっくり与え続けろ」
「はいっ」
目の前で苦しんでいる姿を見ると、これで本当に合っているのか不安になるけど、シャフト先生に言われた通りに薬を飲ませ続ける。
飲ませてから、しばらくは咳き込んだりしていたけど、次第に落ち着いてきて――そのまま深い眠りについていた。
「さっきまで苦しそうだったレオの顔が、こんなに穏やかに……もう大丈夫なんですの?」
「……シャフト先生?」
「ああ。飲ませた薬で体内の毒が無害になった。あとは気長に傷の手当てをすれば、また騒がしくなるだろう」
「っ……!? 良かった……本当に良かった……!」
もう大丈夫とわかったみんなの喜びの雄たけびが、静かだった保健室を超えて外にまで響き渡った。
良かった……幼かったあの頃とは違って、目の前で苦しんでいる人を助けられたんだ……!
「アメリアちゃん、本当にありがとう!!」
「レイカ様! 私、出来ました……!」
「本当にありがとう、アメリア」
感極まって涙を流すレイカ様と、確かに微笑んで喜ぶローガン様、そして喜んで抱き合ったり涙を流す使用人達を見ていたら、本当にもう大丈夫なんだと実感できて……同時に一番の疲労感に襲われて。
……私はそのまま、意識を手放した。
最後の最後に間抜けなことをしてしまったと思っていた私だったが、完全に倒れ切る前に不自然に体が宙で止まった。ついでに首が変に締まって、ちょっと苦しい。
何が起こったのか確認すると、私の後ろにシャフト先生が立っていた。どうやら倒れる私の襟を引っ張り上げて、薬品との接触を避けてくれたんだわ。
「助けてくれて、ありがとうございます」
「おう、そろそろ時間切れだから見に来たら、丁度良かった。確認してやっから、座って休んでろ」
「いいんですか?」
「適材適所だ。丁度実験が暇になってな」
「ありがとうございます……それでその、そろそろ放してくれると……首が締まって……」
「あん? それくらい我慢しろや」
なんとも横暴な態度を取りつつも、シャフト先生は私を開放してくれた。
助けてくれたのはとても感謝しているけど、せめて手とか腕を掴むとかにしてほしかったと思うのは欲張りなのかしら。後ろから襟をグイッてやるなんて……。
「ふむ、これは……なるほどな」
「だ、ダメ……です、か……?」
シャフト先生は、私の作った薬を観察しながら、ぽつりと言葉を漏らした。
これでちゃんと出来ていなかったら、もう時間が無い。それに、私の魔力も休憩で戻った分も含めて、全て使い切ってしまった。恐らく、次を作るにはしばらくの休息が必要なるだろう。
お願い……見た目は上手く出来てるんだから、ちゃんと中身も完成してて!
「お前はワシの期待に応えた。ギリギリ合格だな」
「それって……」
「ああ。ちゃんと完成している」
シャフト先生の完成しているという言葉を聞いて、完全に全身から力が抜けた私は、椅子に座っているのも出来なくなり、その場で床に大の字で倒れてしまった。
「なにしてるんだ、みっともない。ちゃんと座ってろ」
「そ、そうなんですけど……体に力が入らなくて……あの、本当に……? 私に、出来たんですか……?」
「ああ」
改めて聞いても、返ってくるのは望んでいたものだった。本当に私、出来たんだ……!
「後はワシの方で処置をするから、帰って休んでおけ」
「いえ……最後までお付き合いさせてください」
「その体たらくでよく言えたもんだ。途中で泣き言を言ったら叩きだすからな」
そう言うと、シャフト先生は私を優しくおんぶをしてくれた――なんてことはなく、なんと私を片手で担ぎ上げて、教室を後にした。
いやいやいや、ちょっと待って! この運び方って、完全に大柄な男性がタルを片手で運ぶ持ち方よね!? シャフト先生にそんな筋力があったのにも驚きだけど、それよりも、もう少し運び方があると思うの!
****
なんとかレオ様がいる保健室まで到着出来た私は、シャフト先生から降ろされながら、深々と溜息を漏らした。
なんていうか……凄く疲れた。いや、向こうにいた時から疲れてはいたんだけど……それとは別の疲れというか……明け方だから、生徒がいなかったのが救いだったわ。
「あ、アメリアちゃん!?」
「え、ローガン様にレイカ様!?」
保健室にやってくると、ずっと看病をしてくれていたセシル様の他に、ローガン様とレイカ様もいらっしゃった。他にも数人の使用人がいて、みんなレオ様の心配をしていた。
うぅ……誰にも見られて無くて良かったと思ったら、想定外の人達に見られてしまった……もうお嫁にいけない……。
「ちょっと、私達の大切な娘をなんて運び方をしていらっしゃるの!? 事と次第によっては、絶対に許しませんことよ!!」
「よせレイカ。何か事情があるのだろう」
「ああ。こいつが疲労で動けなくなっているのに、ついてくると言い出したから、連れてきた。ワシは片手が不自由なもんで、こんな運び方になっちまったが」
二人の前でも、いつもの姿勢を全く崩さないシャフト先生は、私を降ろして椅子に座らせた。
……この場を乗り切るために、適当な嘘をついてるわね。片手が不自由だなんて話、一切聞いたことが無いもの。
でも、怒るレイカ様を納得させるには、ある意味手っ取り早い方法なのかもしれない。
「事情はセシル殿から聞いている。何も出来ない不甲斐ない私達の代わりに……息子を助けてほしい」
「もちろんです。そのために薬を作ってきました」
「アメリア、お前が薬を飲ませてやれ」
「え、私がですか?」
「そうだ。お前が作った薬なんだから、最後まで責任をもって終わらせろ。手くらいは動くだろ?」
「それくらいなら……」
私はシャフト先生に支えてもらいながら、持ってきた薬をレオ様の口元に持っていった。
レオ様、凄く苦しそう……大丈夫ですよ、この薬ですぐによくなるはずですから。
「うっ……ごほっ!!」
「えっ!? レオ様!?」
薬を飲んだレオ様は、さっきよりも苦しそうな表情を浮かべながら、強く咳き込んだ。それだけじゃなく、口からは血も出始めていた。
ど、どういうことなの!? もしかして、私の薬は失敗していたというの!?
「薬に反応した毒が、最後の抵抗を見せているだけだ。ものによっては、こういう反応が出るのは、お前も勉強してんだろ」
「あっ……た、確かにそうでした……ごめんなさい、動揺しちゃって」
「まあわからんでもないがな。口と鼻に血が溜まらないようにしながら、薬をゆっくり与え続けろ」
「はいっ」
目の前で苦しんでいる姿を見ると、これで本当に合っているのか不安になるけど、シャフト先生に言われた通りに薬を飲ませ続ける。
飲ませてから、しばらくは咳き込んだりしていたけど、次第に落ち着いてきて――そのまま深い眠りについていた。
「さっきまで苦しそうだったレオの顔が、こんなに穏やかに……もう大丈夫なんですの?」
「……シャフト先生?」
「ああ。飲ませた薬で体内の毒が無害になった。あとは気長に傷の手当てをすれば、また騒がしくなるだろう」
「っ……!? 良かった……本当に良かった……!」
もう大丈夫とわかったみんなの喜びの雄たけびが、静かだった保健室を超えて外にまで響き渡った。
良かった……幼かったあの頃とは違って、目の前で苦しんでいる人を助けられたんだ……!
「アメリアちゃん、本当にありがとう!!」
「レイカ様! 私、出来ました……!」
「本当にありがとう、アメリア」
感極まって涙を流すレイカ様と、確かに微笑んで喜ぶローガン様、そして喜んで抱き合ったり涙を流す使用人達を見ていたら、本当にもう大丈夫なんだと実感できて……同時に一番の疲労感に襲われて。
……私はそのまま、意識を手放した。
13
お気に入りに追加
1,934
あなたにおすすめの小説
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
屋敷侍女マリーヌの備忘録
紺
恋愛
顔も家柄も平均以下である私マリーヌが唯一自慢できること、それはドルトイット公爵家の屋敷侍女であることだけだった。
穏やかでイケメンな旦那さま、かわいくて天使のような奥さま、賢くて両親思いの坊っちゃん、高給料で人手も足りた職場環境はまさに天国のようなだった。
────ユキと呼ばれる、完璧な侍女頭が辞めるまでは。
彼女の退職をきっかけに王国最高貴族“ドルトイット公爵家”の秘密が暴かれる。
ざまぁ必須、後半ほんのり恋愛要素。
※第三者視点で物語が進みます。苦手な方はお控えください。
※誤字脱字にご注意下さい。
無属性魔法って地味ですか? 「派手さがない」と見捨てられた少年は最果ての領地で自由に暮らす
鈴木竜一
ファンタジー
《本作のコミカライズ企画が進行中! 詳細はもうしばらくお待ちください!》
社畜リーマンの俺は、歩道橋から転げ落ちて意識を失い、気がつくとアインレット家の末っ子でロイスという少年に転生していた。アルヴァロ王国魔法兵団の幹部を務めてきた名門アインレット家――だが、それも過去の栄光。今は爵位剥奪寸前まで落ちぶれてしまっていた。そんなアインレット家だが、兄が炎属性の、姉が水属性の優れた魔法使いになれる資質を持っていることが発覚し、両親は大喜び。これで再興できると喜ぶのだが、末っ子の俺は無属性魔法という地味で見栄えのしない属性であると診断されてしまい、その結果、父は政略結婚を画策し、俺の人生を自身の野望のために利用しようと目論む。
このまま利用され続けてたまるか、と思う俺は父のあてがった婚約者と信頼関係を築き、さらにそれまで見向きもしなかった自分の持つ無属性魔法を極め、父を言いくるめて辺境の地を領主として任命してもらうことに。そして、大陸の片隅にある辺境領地で、俺は万能な無属性魔法の力を駆使し、気ままな領地運営に挑む。――意気投合した、可愛い婚約者と一緒に。
婚約破棄を画策したのは悪役令嬢(私)です。
アリス
恋愛
「アイネリーディン・クロックタワー公爵令嬢!貴様よくも俺のかわいいナンシー・バックレア男爵令嬢を虐げたな…ッ!?」
「…なっ!?事実無根ですわ、第三王子殿下…ッ!!」
「ええい、うるさいうるさーーいッッ!!貴様のような性根の腐った女と10年も婚約者で居たとは…!」
「第三王子殿下……!?な、なにを…」
…パシーーンッ!!
本日は王城で王太子と王太子妃両殿下の結婚10周年の結婚記念日だ。
その目出度い日に響くのは第三王子が婚約者たる公爵令嬢の頬を平手打ちする音。
──シーーンッ──…
静まり返る応接間(メインホール)で第三王子の憤怒に塗れたが鳴り声が響いた。
「貴様との婚約は破棄だ!そして俺はかの真に愛しい“真実の愛”で結ばれたナンシー・バックレア男爵令嬢と結婚する!!…貴様は目障りだから国外追放…この国から出て行けッ!!」
「婚約破棄…畏まりました。国外追放…は第三王子殿下(あなた)にその権限は御座いませんよ?」
ニヤリと嗤ったのだった──。
結婚式間近に発覚した隠し子の存在。裏切っただけでも問題なのに、何が悪いのか理解できないような人とは結婚できません!
田太 優
恋愛
結婚して幸せになれるはずだったのに婚約者には隠し子がいた。
しかもそのことを何ら悪いとは思っていない様子。
そんな人とは結婚できるはずもなく、婚約破棄するのも当然のこと。
【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のアリスティアは婚約者に真実の愛を見つけたと告白され婚約を解消を求められる。
恋する相手は平民であり、正反対の可憐な美少女だった。
アリスティアには拒否権など無く、了承するのだが。
側近を婚約者に命じ、あげくの果てにはその少女を侯爵家の養女にするとまで言われてしまい、大切な家族まで侮辱され耐え切れずに修道院に入る事を決意したのだが…。
「ならば俺と永遠の愛を誓ってくれ」
意外な人物に結婚を申し込まれてしまう。
一方真実の愛を見つけた婚約者のティエゴだったが、思い込みの激しさからとんでもない誤解をしてしまうのだった。
辺境伯の夫は私よりも元娼婦を可愛がります。それなら私は弟様と組んで、あなたの悪事を暴きますね?
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢アシュリーは辺境伯ジャスパーの元へ嫁いだ。しかし夫ジャスパーはアシュリーに“友達”を用意したと言って、屋敷に元娼婦ワンダを住まわせていた。性悪のワンダはアシュリーに虐められたと嘘を吐き、夫はその言葉ばかりを信じて……やがてアシュリーは古城に幽閉されてしまう。彼女はそこで出会った夫の異母弟メレディスと手を組み、夫の悪事を暴き出す――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる