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第二十七話 ケンカは駄目!
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「レオ様、やめてください!」
私はレオ様の元に駆け寄ると、背中から強く抱きついて動きを止めた。
ここでレオ様を止める魔法が使えたり、即座に説得が出来る話術でもあればよかったのだけど、所詮私は無能な人間。こんな物理的な方法でしか、止める術が無かった。
「どうして止める? こいつらは君に酷いことをしたというのに」
「そうですけど! でも、レオ様も彼女達と同じにならないでほしいんです!」
「大丈夫だ。同じになるのはほんの一瞬だ。すぐに君の元に帰ってくる」
一度は振りほどかれてしまったが、再度レオ様に抱きついて止める。その間に、シャーロットが魔法の詠唱を済ませていた。
「全く、何から何まで馬鹿ねお姉様は!」
「本当ですわ。わざわざ味方の邪魔をする愚か者がどこに――」
「黙れ。耳障りなんだよ」
シャーロットとフローラの悪口は、レオ様の短い言葉でぴしゃりと止められた。それくらい、レオ様の気迫は尋常じゃなかった。
いくら友達の私を助けてくれるためとはいえ、近くに立っているだけで、肌がピリピリしてくるくらい気迫を、普通の人が出せるのだろうか?
この気迫、どこかで感じたことがあるような……って、今はそんなことを考える暇はない!
「レオ様、今すぐあなたの目を覚まさせてあげますからね! 集え水よ! 忌々しい奴を貫く槍となれ!」
シャーロットが頭上に水を集め、その形を槍の形に変えると、そのまま私達に向かって放たれた。
しかし、真っ黒な魔力に包まれた右手で掴むと、そのまま蒸発させてしまった。
「へぇ、これは思ったよりやるかもね。でも……」
シャーロットの視線の先には、まだ私がレオ様にしがみついて離れないという状況が広がっていた。
「あたしさ、お姉様にも当然負けたことないけど、他の人にも負けたことが無いの。だから、今もあたしの方が上だって認めさせないと、気が済まないの」
ブツブツと何か言いながら、シャーロットはいくつも水の槍を出す。それと同時に、大小様々な魚も作って泳がせ始めていた。
このままでは本格的にぶつかり合ってしまう。こんなふざけた争いなんて、やめるべきだ!
「駄目よ!ケンカなんて……! お互いにとってなにも良いことが無いわ! あなた達も見つかったら、タダでは済まない!」
「あたしらは特別だからね。見られてもおとがめなし。騒ぎを起こしてもおとがめなし。それはフローラも一緒よ。でも……お姉様とレオ様はどうかな?」
「正直危ないかもしれませんわね。二人仲良く退学とか? でもそれだと、同時にいなくなって面白くありませんね」
「なら、やっぱりこいつらを引き剥がして、お姉様だけポイすればいいね! その後、レオ様とたっぷり遊びましょ!」
「貴様ら……!!」
「ダメ!!」
今までで一番の大声で静止をした瞬間、私達の上から何かが降ってきた。それから間もなく、私達は真っ白な煙に包まれた。
「きゃあ!? なによこれ!?」
「前が見えませんわ!」
これは、煙幕? 誰かの魔法なのか、何かの道具なのか……それにあの二人の様子から察するに、二人の仕業でもなさそうだ。それなら一体誰が? もしかしてレオ様?
何がどうなってるのかわからないけど、これはここから離れるチャンスだ。このチャンスを逃すわけにはいかない!
「レオ様、こっちです!」
「アメリア!?」
私はレオ様の腕に強く抱きつくと、そのまま引っ張ってこの場を後にした。煙幕でかなり視界が悪くなっていたとはいえ、どっちに行けばいいかくらいならわかる。
「放すんだアメリア! 俺は奴らを!!」
「ここは逃げるんです!」
抵抗するレオ様を必死に引っ張って、なんとか学園の中心にある広場の近くにある、校舎を繋ぐ連絡路に来ることが出来た。
今は授業中だから人通りがないけど、ここなら騒ぎになったら誰かしらが止めに来てくれる……と思う。さすがにこんな所で騒ぎになってたら、誰か止めに来るわよね?
「ここまで来れば安心ね」
「……アメリアは先に体育館に戻って、授業に参加するといいよ」
「レオ様は?」
「俺はさっきの場所に戻る。奴らに野放しに出来ない。ここで徹底的に叩かないと、また懲りずに嫌がらせをしてくる」
レオ様は、眉間に深いシワを刻みながら、私に背を向ける。
せっかくのチャンスを活かして逃げて来たのに、これでは意味が無い。なんとかしてレオ様を止めるだけじゃなく、説得をしなければ。
そう思った私は、レオ様の肩を引っ張ってこちらに向かせてから、思い切り頬と叩いた。
「アメ、リア……?」
「ごめんなさい。守ってもらってばかりも私が、こんなことをする資格なんてありません。むしろ、迷惑ばかりかけてる私が叩かれるべきでしょうし、ケンカをしてはいけないと言っておきながら、暴力を振るってしまいました」
自分が原因なのに、偉そうに言っている自覚はあるし、言っていることが滅茶苦茶なのもわかっている。それでも、私は言葉を止めることはしなかった。
「でも……でも! あなたに目を覚ましてほしかった! あなたを止めたかった! 私なんかのために……大切なあなたに酷いことをしてほしくなかった……」
「アメリア……」
「……ごめんなさい、全部私が悪いんです。私がもっとしっかりしていれば……だから……私達はもう……」
「それ以上は何も言うな!」
寂しさや悲しみ、悔しさを押し殺しながらその場を去ろうとしたが、レオ様に手を引っ張られて……そのままレオ様の胸の中に引っ張られた。
「悪いのは全部あいつらだ。アメリアはただの被害者なんだ。だから……そんな自分を悪く言うな」
「でも……元はといえば、私に勉強も魔法も才能が無かったのが発端なんです。だから、私のせいなんです」
「俺はアメリアの事情はよく知らない。でも、才能が無いからといって、虐げられるなんて断じて許されることじゃない!」
私の背に回す腕に、力が込められた。それが、どれだけ私のために怒ってくれているかが痛いほど伝わってきて……私も応えるように、レオ様の服を掴む手に力が入った。
「だから、アメリアに酷いことをする奴らを許さない……と言いたいところなんだが、アメリアはそれを望まないんだよね?」
「はい。争いや暴力で何とかしようとしても、何の解決にもならないと思うんです」
「争いで解決するのは、動物と同じってところか……耳が痛いな。俺はまだまだ成長しきれていないようだ」
動物と同じって……どういうことだろう? レオ様は動物とは違うと思うのだけど……?
「アメリアの気持ちはよくわかった。俺も、これからはなるべく感情的にならないようにする!」
「なるべく、なんですか?」
「しょ、しょうがないだろ! 大切な人……そう、大切な友達を傷つけられたら、誰だって怒るだろう! それだよ!」
その気持ちは……いじめられて心が冷たくなっていた時はわからなかったけど、レオ様と交流をして暖かくなり始めている心なら、なんとなくわかる。
だからといって、暴力は良くないわ。何でも話し合いで解決をすれば……まあ、それが出来れば苦労はしないんでしょうけどね……。
「そうだ、怒りでつい忘れていた! アメリア、随分と濡れていたけど大丈夫!? ケガはしてないかい!?」
「ビショビショですけど、ケガは無いので安心してください」
ぶつけられた時に倒れちゃったけど、特に大きなケガはしていない。あのままだったら、多分もっと酷い目に合わされていただろうし……レオ様には感謝と申し訳なさしかない。
「本当に? 君がケガしていたら、俺は心が苦しすぎて生きていけない!」
「大げさですって」
「大げさなものか! 急いで保健室で診てもらう!」
「だから大丈夫ですって」
「自分では大丈夫だと思ってても、ケガはしているものだよ。これ経験者の言葉だから」
「そ、そうですか」
レオ様は、過去にそんなケガをしたことがあるのだろうか。経験者がそう言うなら、素直に聞いた方が良さそうね。
「じゃあ行ってきます」
「俺も行くよ。一人になったら、また怒りが暴走しそうだし」
「わかりました。授業中なので、静かに」
「ああ。はっ……そうだ。静かにする方法の一つとして、足音を減らせばいい。そのために、アメリアをお姫様抱っこを――」
「恥ずかしいのでやめてくださいっ!」
自分から大声を出してしまった恥ずかしさと、いつもの調子に戻ってきたレオ様をみて安心したのが混ざって、よくわからない感情のまま、私はレオ様と一緒に保健室へと向かった――
「……ったく、世話のかかるガキ共だ。ワシが手を打たなかったらどうなっていたか。まあ、以前出来た失敗作の処理に丁度良かったか……さて、次の研究に移るとすっか」
私はレオ様の元に駆け寄ると、背中から強く抱きついて動きを止めた。
ここでレオ様を止める魔法が使えたり、即座に説得が出来る話術でもあればよかったのだけど、所詮私は無能な人間。こんな物理的な方法でしか、止める術が無かった。
「どうして止める? こいつらは君に酷いことをしたというのに」
「そうですけど! でも、レオ様も彼女達と同じにならないでほしいんです!」
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シャーロットが頭上に水を集め、その形を槍の形に変えると、そのまま私達に向かって放たれた。
しかし、真っ黒な魔力に包まれた右手で掴むと、そのまま蒸発させてしまった。
「へぇ、これは思ったよりやるかもね。でも……」
シャーロットの視線の先には、まだ私がレオ様にしがみついて離れないという状況が広がっていた。
「あたしさ、お姉様にも当然負けたことないけど、他の人にも負けたことが無いの。だから、今もあたしの方が上だって認めさせないと、気が済まないの」
ブツブツと何か言いながら、シャーロットはいくつも水の槍を出す。それと同時に、大小様々な魚も作って泳がせ始めていた。
このままでは本格的にぶつかり合ってしまう。こんなふざけた争いなんて、やめるべきだ!
「駄目よ!ケンカなんて……! お互いにとってなにも良いことが無いわ! あなた達も見つかったら、タダでは済まない!」
「あたしらは特別だからね。見られてもおとがめなし。騒ぎを起こしてもおとがめなし。それはフローラも一緒よ。でも……お姉様とレオ様はどうかな?」
「正直危ないかもしれませんわね。二人仲良く退学とか? でもそれだと、同時にいなくなって面白くありませんね」
「なら、やっぱりこいつらを引き剥がして、お姉様だけポイすればいいね! その後、レオ様とたっぷり遊びましょ!」
「貴様ら……!!」
「ダメ!!」
今までで一番の大声で静止をした瞬間、私達の上から何かが降ってきた。それから間もなく、私達は真っ白な煙に包まれた。
「きゃあ!? なによこれ!?」
「前が見えませんわ!」
これは、煙幕? 誰かの魔法なのか、何かの道具なのか……それにあの二人の様子から察するに、二人の仕業でもなさそうだ。それなら一体誰が? もしかしてレオ様?
何がどうなってるのかわからないけど、これはここから離れるチャンスだ。このチャンスを逃すわけにはいかない!
「レオ様、こっちです!」
「アメリア!?」
私はレオ様の腕に強く抱きつくと、そのまま引っ張ってこの場を後にした。煙幕でかなり視界が悪くなっていたとはいえ、どっちに行けばいいかくらいならわかる。
「放すんだアメリア! 俺は奴らを!!」
「ここは逃げるんです!」
抵抗するレオ様を必死に引っ張って、なんとか学園の中心にある広場の近くにある、校舎を繋ぐ連絡路に来ることが出来た。
今は授業中だから人通りがないけど、ここなら騒ぎになったら誰かしらが止めに来てくれる……と思う。さすがにこんな所で騒ぎになってたら、誰か止めに来るわよね?
「ここまで来れば安心ね」
「……アメリアは先に体育館に戻って、授業に参加するといいよ」
「レオ様は?」
「俺はさっきの場所に戻る。奴らに野放しに出来ない。ここで徹底的に叩かないと、また懲りずに嫌がらせをしてくる」
レオ様は、眉間に深いシワを刻みながら、私に背を向ける。
せっかくのチャンスを活かして逃げて来たのに、これでは意味が無い。なんとかしてレオ様を止めるだけじゃなく、説得をしなければ。
そう思った私は、レオ様の肩を引っ張ってこちらに向かせてから、思い切り頬と叩いた。
「アメ、リア……?」
「ごめんなさい。守ってもらってばかりも私が、こんなことをする資格なんてありません。むしろ、迷惑ばかりかけてる私が叩かれるべきでしょうし、ケンカをしてはいけないと言っておきながら、暴力を振るってしまいました」
自分が原因なのに、偉そうに言っている自覚はあるし、言っていることが滅茶苦茶なのもわかっている。それでも、私は言葉を止めることはしなかった。
「でも……でも! あなたに目を覚ましてほしかった! あなたを止めたかった! 私なんかのために……大切なあなたに酷いことをしてほしくなかった……」
「アメリア……」
「……ごめんなさい、全部私が悪いんです。私がもっとしっかりしていれば……だから……私達はもう……」
「それ以上は何も言うな!」
寂しさや悲しみ、悔しさを押し殺しながらその場を去ろうとしたが、レオ様に手を引っ張られて……そのままレオ様の胸の中に引っ張られた。
「悪いのは全部あいつらだ。アメリアはただの被害者なんだ。だから……そんな自分を悪く言うな」
「でも……元はといえば、私に勉強も魔法も才能が無かったのが発端なんです。だから、私のせいなんです」
「俺はアメリアの事情はよく知らない。でも、才能が無いからといって、虐げられるなんて断じて許されることじゃない!」
私の背に回す腕に、力が込められた。それが、どれだけ私のために怒ってくれているかが痛いほど伝わってきて……私も応えるように、レオ様の服を掴む手に力が入った。
「だから、アメリアに酷いことをする奴らを許さない……と言いたいところなんだが、アメリアはそれを望まないんだよね?」
「はい。争いや暴力で何とかしようとしても、何の解決にもならないと思うんです」
「争いで解決するのは、動物と同じってところか……耳が痛いな。俺はまだまだ成長しきれていないようだ」
動物と同じって……どういうことだろう? レオ様は動物とは違うと思うのだけど……?
「アメリアの気持ちはよくわかった。俺も、これからはなるべく感情的にならないようにする!」
「なるべく、なんですか?」
「しょ、しょうがないだろ! 大切な人……そう、大切な友達を傷つけられたら、誰だって怒るだろう! それだよ!」
その気持ちは……いじめられて心が冷たくなっていた時はわからなかったけど、レオ様と交流をして暖かくなり始めている心なら、なんとなくわかる。
だからといって、暴力は良くないわ。何でも話し合いで解決をすれば……まあ、それが出来れば苦労はしないんでしょうけどね……。
「そうだ、怒りでつい忘れていた! アメリア、随分と濡れていたけど大丈夫!? ケガはしてないかい!?」
「ビショビショですけど、ケガは無いので安心してください」
ぶつけられた時に倒れちゃったけど、特に大きなケガはしていない。あのままだったら、多分もっと酷い目に合わされていただろうし……レオ様には感謝と申し訳なさしかない。
「本当に? 君がケガしていたら、俺は心が苦しすぎて生きていけない!」
「大げさですって」
「大げさなものか! 急いで保健室で診てもらう!」
「だから大丈夫ですって」
「自分では大丈夫だと思ってても、ケガはしているものだよ。これ経験者の言葉だから」
「そ、そうですか」
レオ様は、過去にそんなケガをしたことがあるのだろうか。経験者がそう言うなら、素直に聞いた方が良さそうね。
「じゃあ行ってきます」
「俺も行くよ。一人になったら、また怒りが暴走しそうだし」
「わかりました。授業中なので、静かに」
「ああ。はっ……そうだ。静かにする方法の一つとして、足音を減らせばいい。そのために、アメリアをお姫様抱っこを――」
「恥ずかしいのでやめてくださいっ!」
自分から大声を出してしまった恥ずかしさと、いつもの調子に戻ってきたレオ様をみて安心したのが混ざって、よくわからない感情のまま、私はレオ様と一緒に保健室へと向かった――
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