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第5話 彼の温もり
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大丈夫。即興で行った森の浄化だって出来たんだし、今回もきっと上手くいく。たくさん勉強したんだ……あの日々を思い出して、いつも通りやれば!
「聖なる光よ、邪悪な魔力を浄化せよ! そして……かの地と民に安寧を与えたまえ!」
私の言葉と共に、私の身体から強い光があふれ出す。刹那、その光は巨大な光の柱となって、空に伸びていき――爆発するように辺りに一気に広がっていった。
「っ……あぁ……あれは……太陽……?」
ガレス様の震えた声に反応するように、私は空を見上げると、そこには雲一つない青空が広がっていた。
でも……まだ空の雲は消えたけど、辺りを包む瘴気の気配は半分も消えていない。もっともっと集中して、魔力を注ぎ込まなくては。
「……くっ……」
不味い。瘴気が多すぎて、私の浄化の魔法では全てを消しきれそうもない。一旦休んで、再度浄化をすればいいかもしれないけど……瘴気は新たな瘴気を生む……少しでも残しておいたら堂々巡りになって意味がないというのに……!
「……っ! あの魔法なら……!」
光魔法では全て浄化しきれないのなら、闇魔法がある。少し使っただけでも反動で倒れてしまうくらいに危険なものだけど、光魔法よりも多く浄化できる可能性がある。
大丈夫、私なら出来る。あの時は知らなくて倒れてしまっただけ。わかっていれば……少しは耐えられるはず!
「やってやる……私は聖女なんだ!」
意気込みを新たにしながら、浄化の魔法を解除する。それから間髪入れずに、今度は漆黒の魔法陣を展開すると、大の大人がすっぽり入れてしまうくらいの大きさの漆黒の球体を生み出した。
「フェリシア、それは……君が言っていた例の闇魔法か?」
「はい。私の聖女の力である光魔法だけでは、力が及ばなくて浄化しきれません。ここまで濃度が高くなった瘴気を少しでも残しておいたら、瘴気が新たな瘴気を生み出してしまいます。だから……この闇魔法で、瘴気を全て飲み込みます!」
「そんな事をして、君の身体は大丈夫なのか!?」
「わかりません。なにせ闇魔法に関しては未知数ですし、使った事も殆どないので……ですが、浄化に関しては信頼できると思います! さあ、この国を苦しめる瘴気を全て飲み込んで!」
私の願いに応えるように、漆黒の球体は天高く昇っていくと、球体は凄まじい勢いで瘴気を飲み込み始める。それと同時に、以前と同じように私の身体から一気に魔力が無くなると同時に、身体が重くなった。
「フェリシア!? その汗は……!」
「だい、じょうぶ……です! すぐに……みんなが安心して……幸せに暮らせる国に戻しますから……!」
やっぱり闇魔法を使うと、尋常じゃなくらい魔力を持っていかれる。しかも森の浄化の時よりも闇魔法を維持しているせいで、もう限界が近づいてきている。
でも……そんなの関係ない。この力がたとえ悪魔の子の力だとしても、この国を救えるなら、いくらでも利用してやる!
「どうしてそこまで……この国は君にとって何の縁もない国だろう!? なのに……!」
「国とか関係ありません! 目の前で苦しんでいる民がいて助けないなんて、何が聖女ですか!? 大勢の民を助けられるなら……この身がどうなっても構いません!」
「フェリシア……君は……」
――聖女に絶対なると決めた、まだ幼かった時。私は本当のお父様を亡くした。
お父様は、結界の隙間から入ってきた瘴気の浄化をするために、お母様と一緒に現場に向かって……その時の事故で高濃度の瘴気に侵された。
お母様も必死に瘴気の浄化に努めたけど、全ての瘴気を浄化できず……お父様は私達が見守る中でモンスターと化し、その場で殺された。
目の前で変貌するお父様……そして殺されたお父様を見て、幼かった私は決心した。お母様よりも凄い聖女になって、二度と私のような人間を生み出してはいけないと。
だから……だから! 瘴気で困っている人を助けるために、私は逃げるわけにはいかない! たとえこの命がここで尽きようとも! 絶対に!!
「ぐっ……負けない……!」
「フェリシア!」
「えっ……?」
呼吸が苦しい。目の前が暗くなってきた。身体中が震え、脂汗が止まらないし、感覚も段々無くなってきた。そんな私を支えるように、ガレス様が背中から抱きしめてくれた。
「ち、近寄っては駄目です……あなたの魔力まで持っていかれてしまうかもしれません……」
「それは好都合だ。僕の魔力も使ってくれ。これでもこの国で一番の使い手なんだ」
「ガレス様……でも……」
「目の前で君が僕達のために必死に頑張ってるのに、何もしないわけにはいかないだろう? それに……一人の男として、君のような魅力的な女性を放ってなどおけない」
「ガレス様……ありがとうございます。とても心強いです」
「こちらこそ、国と民のために……本当にありがとう」
ガレス様の身体から、私の中に魔力が染みわたっていく。ううん、それだけじゃない……ガレス様の温もり、吐息、生命の鼓動。いろいろなものが私に伝わってくる。それは、私は一人じゃないんだと思えるものだった。
「ふぅぅぅ……これは中々強力な魔法だな……瘴気と一緒に僕達まで飲み込む気か?」
「ガレス様……!」
「大丈夫だ、最後まで付き合う! 君が今まで背負ってきた重荷を、僕にも背負わせてくれ!」
「っ……!!」
あぁ……暖かい……心も身体も……。
私を救ってくれて、看病や身の回りの事をしてくれて……何処の誰かなんてわからないのに置いてくれる優しいガレス様……どうしよう、私……こんな時だというのに、ガレス様にドキドキしてしまう。身体の感覚が無くなってきてるのに、顔だけが火を噴いたみたいに熱くなっているのがわかる。
そして……どうしようもないくらい心強くて、嬉しい。この胸の内から湧き出る暖かい気持ちが……私の力になる。
――ああ、そっか。私、この人の事が……いや、それはこの危機を乗り越えてから考えよう
「父上! 私達も参加しましょう!」
「うむっ! ぬおっ!? なんて魔力だ……近づく事が出来ん!」
私とガレス様の邪魔をするなと言わんばかりに、白と黒の魔力が私達を包み込んでしまった。
これでは逃げ場がない……いや、そもそも逃げる必要なんてない。だって……私は一人じゃないんだから!
「ガレス様、一気に瘴気を飲み込みます。耐えられますか?」
「ああ。幼い頃から剣と魔法の修行をしてきたから、多少の我慢強さは保証するよ」
「心強いです。では……いきますよ!」
漆黒の球体に更に魔力を込めると、瘴気を吸収する勢いが増していく。それと同時に、私達の魔力も加速度的に吸われていく。
「ぬぅぅぅぅ!! 負けてたまるか! 僕だって……民を守るんだ!」
「外から感じる瘴気はあと僅かです! もうひと踏ん張り!」
私はガレス様の両手に自分の手を重ねると、最後の力を振り絞り、残りの瘴気を全て回収をする。
そして……努力の甲斐もあり、全ての瘴気を飲み込んだところで、私達は力尽きた。漆黒の球体は役目を終えて消えていくのを、大の字になっていた私達はボーっと見送った。
「フェリシア……生きているか……?」
「はい……ガレス様も、ご無事ですか……?」
「無事かどうかは……何とも言えないな。とにかく魔力を使いすぎたせいで、異様に眠い……そして、腹が減った……」
「私もです……お腹ペコペコ……」
「互いに……腹が減ってるのは……生きてる証拠だ……今はそれを喜ぼう……」
ガレス様の仰ることは正しい。死んでたらお腹なんて空かないもの。そう考えると、ちょっとおかしくてクスクスと笑ってしまい……ガレス様も釣られて笑っていた。
――互いの手を、絶対に離さないように固くつなぎながら。
「聖なる光よ、邪悪な魔力を浄化せよ! そして……かの地と民に安寧を与えたまえ!」
私の言葉と共に、私の身体から強い光があふれ出す。刹那、その光は巨大な光の柱となって、空に伸びていき――爆発するように辺りに一気に広がっていった。
「っ……あぁ……あれは……太陽……?」
ガレス様の震えた声に反応するように、私は空を見上げると、そこには雲一つない青空が広がっていた。
でも……まだ空の雲は消えたけど、辺りを包む瘴気の気配は半分も消えていない。もっともっと集中して、魔力を注ぎ込まなくては。
「……くっ……」
不味い。瘴気が多すぎて、私の浄化の魔法では全てを消しきれそうもない。一旦休んで、再度浄化をすればいいかもしれないけど……瘴気は新たな瘴気を生む……少しでも残しておいたら堂々巡りになって意味がないというのに……!
「……っ! あの魔法なら……!」
光魔法では全て浄化しきれないのなら、闇魔法がある。少し使っただけでも反動で倒れてしまうくらいに危険なものだけど、光魔法よりも多く浄化できる可能性がある。
大丈夫、私なら出来る。あの時は知らなくて倒れてしまっただけ。わかっていれば……少しは耐えられるはず!
「やってやる……私は聖女なんだ!」
意気込みを新たにしながら、浄化の魔法を解除する。それから間髪入れずに、今度は漆黒の魔法陣を展開すると、大の大人がすっぽり入れてしまうくらいの大きさの漆黒の球体を生み出した。
「フェリシア、それは……君が言っていた例の闇魔法か?」
「はい。私の聖女の力である光魔法だけでは、力が及ばなくて浄化しきれません。ここまで濃度が高くなった瘴気を少しでも残しておいたら、瘴気が新たな瘴気を生み出してしまいます。だから……この闇魔法で、瘴気を全て飲み込みます!」
「そんな事をして、君の身体は大丈夫なのか!?」
「わかりません。なにせ闇魔法に関しては未知数ですし、使った事も殆どないので……ですが、浄化に関しては信頼できると思います! さあ、この国を苦しめる瘴気を全て飲み込んで!」
私の願いに応えるように、漆黒の球体は天高く昇っていくと、球体は凄まじい勢いで瘴気を飲み込み始める。それと同時に、以前と同じように私の身体から一気に魔力が無くなると同時に、身体が重くなった。
「フェリシア!? その汗は……!」
「だい、じょうぶ……です! すぐに……みんなが安心して……幸せに暮らせる国に戻しますから……!」
やっぱり闇魔法を使うと、尋常じゃなくらい魔力を持っていかれる。しかも森の浄化の時よりも闇魔法を維持しているせいで、もう限界が近づいてきている。
でも……そんなの関係ない。この力がたとえ悪魔の子の力だとしても、この国を救えるなら、いくらでも利用してやる!
「どうしてそこまで……この国は君にとって何の縁もない国だろう!? なのに……!」
「国とか関係ありません! 目の前で苦しんでいる民がいて助けないなんて、何が聖女ですか!? 大勢の民を助けられるなら……この身がどうなっても構いません!」
「フェリシア……君は……」
――聖女に絶対なると決めた、まだ幼かった時。私は本当のお父様を亡くした。
お父様は、結界の隙間から入ってきた瘴気の浄化をするために、お母様と一緒に現場に向かって……その時の事故で高濃度の瘴気に侵された。
お母様も必死に瘴気の浄化に努めたけど、全ての瘴気を浄化できず……お父様は私達が見守る中でモンスターと化し、その場で殺された。
目の前で変貌するお父様……そして殺されたお父様を見て、幼かった私は決心した。お母様よりも凄い聖女になって、二度と私のような人間を生み出してはいけないと。
だから……だから! 瘴気で困っている人を助けるために、私は逃げるわけにはいかない! たとえこの命がここで尽きようとも! 絶対に!!
「ぐっ……負けない……!」
「フェリシア!」
「えっ……?」
呼吸が苦しい。目の前が暗くなってきた。身体中が震え、脂汗が止まらないし、感覚も段々無くなってきた。そんな私を支えるように、ガレス様が背中から抱きしめてくれた。
「ち、近寄っては駄目です……あなたの魔力まで持っていかれてしまうかもしれません……」
「それは好都合だ。僕の魔力も使ってくれ。これでもこの国で一番の使い手なんだ」
「ガレス様……でも……」
「目の前で君が僕達のために必死に頑張ってるのに、何もしないわけにはいかないだろう? それに……一人の男として、君のような魅力的な女性を放ってなどおけない」
「ガレス様……ありがとうございます。とても心強いです」
「こちらこそ、国と民のために……本当にありがとう」
ガレス様の身体から、私の中に魔力が染みわたっていく。ううん、それだけじゃない……ガレス様の温もり、吐息、生命の鼓動。いろいろなものが私に伝わってくる。それは、私は一人じゃないんだと思えるものだった。
「ふぅぅぅ……これは中々強力な魔法だな……瘴気と一緒に僕達まで飲み込む気か?」
「ガレス様……!」
「大丈夫だ、最後まで付き合う! 君が今まで背負ってきた重荷を、僕にも背負わせてくれ!」
「っ……!!」
あぁ……暖かい……心も身体も……。
私を救ってくれて、看病や身の回りの事をしてくれて……何処の誰かなんてわからないのに置いてくれる優しいガレス様……どうしよう、私……こんな時だというのに、ガレス様にドキドキしてしまう。身体の感覚が無くなってきてるのに、顔だけが火を噴いたみたいに熱くなっているのがわかる。
そして……どうしようもないくらい心強くて、嬉しい。この胸の内から湧き出る暖かい気持ちが……私の力になる。
――ああ、そっか。私、この人の事が……いや、それはこの危機を乗り越えてから考えよう
「父上! 私達も参加しましょう!」
「うむっ! ぬおっ!? なんて魔力だ……近づく事が出来ん!」
私とガレス様の邪魔をするなと言わんばかりに、白と黒の魔力が私達を包み込んでしまった。
これでは逃げ場がない……いや、そもそも逃げる必要なんてない。だって……私は一人じゃないんだから!
「ガレス様、一気に瘴気を飲み込みます。耐えられますか?」
「ああ。幼い頃から剣と魔法の修行をしてきたから、多少の我慢強さは保証するよ」
「心強いです。では……いきますよ!」
漆黒の球体に更に魔力を込めると、瘴気を吸収する勢いが増していく。それと同時に、私達の魔力も加速度的に吸われていく。
「ぬぅぅぅぅ!! 負けてたまるか! 僕だって……民を守るんだ!」
「外から感じる瘴気はあと僅かです! もうひと踏ん張り!」
私はガレス様の両手に自分の手を重ねると、最後の力を振り絞り、残りの瘴気を全て回収をする。
そして……努力の甲斐もあり、全ての瘴気を飲み込んだところで、私達は力尽きた。漆黒の球体は役目を終えて消えていくのを、大の字になっていた私達はボーっと見送った。
「フェリシア……生きているか……?」
「はい……ガレス様も、ご無事ですか……?」
「無事かどうかは……何とも言えないな。とにかく魔力を使いすぎたせいで、異様に眠い……そして、腹が減った……」
「私もです……お腹ペコペコ……」
「互いに……腹が減ってるのは……生きてる証拠だ……今はそれを喜ぼう……」
ガレス様の仰ることは正しい。死んでたらお腹なんて空かないもの。そう考えると、ちょっとおかしくてクスクスと笑ってしまい……ガレス様も釣られて笑っていた。
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