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第四十五話 研究施設
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「…………」
マール家に向かう馬車の中で、まるで人形のようにジッとしながら、ぼんやりと外を眺めていると、いつの間にかマール家の屋敷に到着したようで、御者に馬車から降ろされた。
……沢山の人が、あたしのことを出迎えてくれているなぁ……なにか言ってるみたいだけど、全然頭に入ってこない。
「ミシェル様、ようこそマール家へ。此度の婚約を受けてくれたこと、誠に感謝申し上げます」
「……あ、はい……」
ボーっとしていると、いつの間にか目の間に立っていたスィヤンフィ様に声をかけられていた。
これから夫になる人が、わざわざ来てくれたのに、それすら気づけないなんて……これじゃあ、アラン様があたしを捨てたくなる気持ちもよくわかるよ……あはっ……あははっ……。
「これは、想像以上に魔法が効いてしまっているようだな……あの程度の出力でこれとは……まったく面倒な……こほん……ミシェル様、顔をお上げください」
「……?」
スィヤンフィ様は、なにかぶつぶつと独り言を言ってから、あたしの顎をクイっと上げた。それは、前の世界で読んだ漫画にあった、顎クイと同じものだった。
「ミシェル様、少し元気を出してください」
「……スィヤンフィ様……ワタクシは……ごめんなさい、少し落ち込んでしまっていて」
「何があったかは存じませんが、よければ後でお話を聞きますよ」
「ありがとうございます。そう言ってもらえるだけで、少し楽になりました」
スィヤンフィ様が優しく慰めてくれたおかげで、あたしの体に少しばかりの気力が戻ってきた。
すぐにいつも通りの元気になるのは無理かもしれないけど……一日でも早く立ち直って、また頑張らないと。
あたしを好きになって結婚の申し出をしてくれたスィヤンフィ様の好意に報いるためにも。
不敬な態度を取ってしまい、何かしらの形でバーンズ家に迷惑をかけないためにも。
そして……大切な家族の待っている世界に帰るためにも。
「それはなによりです。では、あなたの部屋にご案内……の前に、一つ御覧になってほしいものがございまして」
「……はあ……なんでしょうか?」
「あなたに以前提示した、メリットに繋がる話です。こちらへどうぞ」
屋敷に通されたあたしは、スィヤンフィ様と共に、地下へと続く階段を降りていく。そこにあったのは、ぼんやりと赤く光る魔法陣だった。
「これは転移魔法陣です」
「スィヤンフィ様は、転移魔法が使えるのですか!?」
「ええ。まだ完成には至っていないうえに、使うには多くの制約がありますが、普通に使う程度には問題ありません。さあ、どうぞ」
「…………」
転移魔法が失敗すれば、大変なことになってしまうことを知っている以上、迂闊に乗るわけにはいかない……はずなのだが、スィヤンフィ様は躊躇なく転移魔法に乗り、どこかへ消えてしまった。
スィヤンフィ様が大丈夫なら、あたしだって大丈夫だよね……怖いけど、乗るしかない!
「えいっ!!」
目をギュッと瞑って魔法陣に乗ると、瞑っていても周りが明るくなっているのがわかるくらい、眩しい場所に飛ばされた。
ここが転移先の場所? それとも転移中? もしかして……失敗して死んじゃったとか!?
「着きました。目を開けても大丈夫ですよ」
「スィヤンフィ様……」
何があっても耐えられるように我慢していると、ポンっと肩に手が乗った感覚を感じた。
それに従って目を開けると、あたしは薄暗い廊下にある、分厚い扉の前に立っていた。その扉は、まるであたしの侵入を拒んでいるかのようだ。
「この中に、お見せしたいものがございます。とても面白い物なので、ぜひ楽しみにしてください」
「は、はぁ……わかりました」
スィヤンフィ様に連れられて部屋の中に入ると、無駄に広くて薄暗い部屋だった。
ランプやロウソクといった、一般的に普及されている光源は一切目につかない。その代わりに部屋を照らしていたのは、ぼんやりと光る液体が入ったカプセルだった。
……ううん、違う……入っているのは液体だけじゃない! こ、これは……!?
「え……なに、これ……動物や植物が……大きなカプセルの中に……うそっ、こっちには人間に、エルフまで!?」
これは、どうみても普通の研究施設じゃない。まるで漫画の世界に出てくるマッドサイエンティストの研究施設みたいな……い、一体どういうことなの!?
「うっ……うえぇ……!」
部屋の中に満ち溢れる、動物や植物たちの怒りや悲しみや憎悪……あの森のものに勝るとも劣らない、どす黒い感情が、部屋の中に充満している。
その感情を感じるだけで、気分が悪くなってきた。
「おや、どうしました? そんな驚いて、尻もちまでついて」
「スィヤンフィ様、ここは一体何なんですか!?」
「ここは私の実験施設ですよ。ここでは魔道具店で売っている魔道具の開発や、個人的な研究を行っているのです」
「じゃあ、この人達は……!」
「もちろん、私の実験サンプルです」
サンプル……? 動物や植物を使うのは聞いたことがあるけど、人の形をしているものを使うのは、許されない。
「人体実験は、国の法で固く禁じられています! これが発覚すれば、極刑は免れませんよ!」
「そこはご心配なく。この研究は、国の上層部の人間達も関わっております」
「は……?」
「今のだと、やや語弊がありますね。私の魔法で彼らの認識をいじり、私達のしていることは慈善活動と思わせておりますので、ご安心を」
てっきりこれは、スィヤンフィ様が暴走しているものだと思ってたけど、まさか国まで巻き込んでいただなんて……!
「こんなことをして、人間として心が痛まないんですか!?」
「ふーん……うーん……ふむー…………」
しばらく考えながらウロウロしていたスィヤンフィ様は、何か結論付いたようで、にこやかに笑ってみせた。
「いくつかの視点で君の質問を考えてみましたが、全く痛みませんね。彼らは生き物ではなく、サンプルでしか無いのだから」
スィヤンフィ様……良い人だと思ってたのに……蓋を開けてみたら、とんでもないマッドサイエンティストだった……ど、どうすればいいの?
「あっ……も、もしかしてあたしを実験のサンプルにするんですか!?」
「ええ。今すぐではありませんが……ハーフエルフは貴重な存在ですからね。そんな存在を見過ごすのは、あまりにも惜しい。だから、あなたに魔法で暗示をかけた」
「ま、魔法……?」
あたしが魔法に対して才能があまりないからなのか、魔法を使われた覚えが全く――いや待って。もしかして、たまにスィヤンフィ様の目が赤く光っていたのは、もしかして……!?
あ、あまりにも迂闊だった。あそこで気のせい? とか呑気なことを考えていないで、怪しんでいればこんなことには……!
「暗示って、なにをかけたんですか!?」
「アラン様に対して不信感を強く抱くように、そして他の人間よりも気分が落ち込みやすくしました。思った以上に効きすぎてしまって面倒だったので、先程調整をいたしましたがね」
「なら……アラン様にもなにか暗示をかけたんですか!?」
「…………」
どうして急にアラン様があたしに酷いことを言ってきたのかわからなかったし、あたしが信じられなくなったのも、スィヤンフィ様の魔法のせいなら理解できる!
やっぱりアラン様は、あたしを捨てるようなことをするはずがない――そんな甘い考えを否定するように、今まで饒舌に喋ってたスィヤンフィ様の口が、堅く閉ざされた。
どうしてそこで止めるの? アラン様にもなにか暗示をかけたんだよね? だから、あたしに酷いことを言ったんだよね? ねえ、そうだって言ってよ!
「あなたの期待に添えられなくて、大変心苦しいですが、私が魔法を使ったのは、ミシェル様だけです。此度の結婚を許可したのは、彼の意志です」
「う、うそっ……嘘だ! あなたはアラン様に魔法をかけたんだ! そうじゃなきゃ、あたしを捨てるようなことをするはずが……!」
「実験施設を見せたうえに、ここまで丁寧に話したというのに、そこだけ嘘をつくメリットは、私にはありません」
それじゃあ、アラン様の態度は、嘘偽りが無いものだったの……? もしかしたら、アラン様は魔法のせいでおかしくなってて、本当はまだあたしのことを……って思ってたけど……そんな甘い幻想なんて、あるわけないってことだね……。
「おや、そんな涙を流して……綺麗な顔が台無しですよ」
「放っておいてください……」
「……ふぅ。それで、いつまでそこで隠れて見物しているのですか。そろそろ出てきたらどうですか?」
「えっ……?」
「もう、どうして言っちゃうわけ? ノリわっるいわー」
ケラケラと、人を小馬鹿にしたような笑い声をあげながらあたしの前に出てきた女性の姿は、とても見覚えがあった。
ううん、見覚えがあるなんてレベルじゃない。あ、あの子は……!
「エリーザ、様……?」
マール家に向かう馬車の中で、まるで人形のようにジッとしながら、ぼんやりと外を眺めていると、いつの間にかマール家の屋敷に到着したようで、御者に馬車から降ろされた。
……沢山の人が、あたしのことを出迎えてくれているなぁ……なにか言ってるみたいだけど、全然頭に入ってこない。
「ミシェル様、ようこそマール家へ。此度の婚約を受けてくれたこと、誠に感謝申し上げます」
「……あ、はい……」
ボーっとしていると、いつの間にか目の間に立っていたスィヤンフィ様に声をかけられていた。
これから夫になる人が、わざわざ来てくれたのに、それすら気づけないなんて……これじゃあ、アラン様があたしを捨てたくなる気持ちもよくわかるよ……あはっ……あははっ……。
「これは、想像以上に魔法が効いてしまっているようだな……あの程度の出力でこれとは……まったく面倒な……こほん……ミシェル様、顔をお上げください」
「……?」
スィヤンフィ様は、なにかぶつぶつと独り言を言ってから、あたしの顎をクイっと上げた。それは、前の世界で読んだ漫画にあった、顎クイと同じものだった。
「ミシェル様、少し元気を出してください」
「……スィヤンフィ様……ワタクシは……ごめんなさい、少し落ち込んでしまっていて」
「何があったかは存じませんが、よければ後でお話を聞きますよ」
「ありがとうございます。そう言ってもらえるだけで、少し楽になりました」
スィヤンフィ様が優しく慰めてくれたおかげで、あたしの体に少しばかりの気力が戻ってきた。
すぐにいつも通りの元気になるのは無理かもしれないけど……一日でも早く立ち直って、また頑張らないと。
あたしを好きになって結婚の申し出をしてくれたスィヤンフィ様の好意に報いるためにも。
不敬な態度を取ってしまい、何かしらの形でバーンズ家に迷惑をかけないためにも。
そして……大切な家族の待っている世界に帰るためにも。
「それはなによりです。では、あなたの部屋にご案内……の前に、一つ御覧になってほしいものがございまして」
「……はあ……なんでしょうか?」
「あなたに以前提示した、メリットに繋がる話です。こちらへどうぞ」
屋敷に通されたあたしは、スィヤンフィ様と共に、地下へと続く階段を降りていく。そこにあったのは、ぼんやりと赤く光る魔法陣だった。
「これは転移魔法陣です」
「スィヤンフィ様は、転移魔法が使えるのですか!?」
「ええ。まだ完成には至っていないうえに、使うには多くの制約がありますが、普通に使う程度には問題ありません。さあ、どうぞ」
「…………」
転移魔法が失敗すれば、大変なことになってしまうことを知っている以上、迂闊に乗るわけにはいかない……はずなのだが、スィヤンフィ様は躊躇なく転移魔法に乗り、どこかへ消えてしまった。
スィヤンフィ様が大丈夫なら、あたしだって大丈夫だよね……怖いけど、乗るしかない!
「えいっ!!」
目をギュッと瞑って魔法陣に乗ると、瞑っていても周りが明るくなっているのがわかるくらい、眩しい場所に飛ばされた。
ここが転移先の場所? それとも転移中? もしかして……失敗して死んじゃったとか!?
「着きました。目を開けても大丈夫ですよ」
「スィヤンフィ様……」
何があっても耐えられるように我慢していると、ポンっと肩に手が乗った感覚を感じた。
それに従って目を開けると、あたしは薄暗い廊下にある、分厚い扉の前に立っていた。その扉は、まるであたしの侵入を拒んでいるかのようだ。
「この中に、お見せしたいものがございます。とても面白い物なので、ぜひ楽しみにしてください」
「は、はぁ……わかりました」
スィヤンフィ様に連れられて部屋の中に入ると、無駄に広くて薄暗い部屋だった。
ランプやロウソクといった、一般的に普及されている光源は一切目につかない。その代わりに部屋を照らしていたのは、ぼんやりと光る液体が入ったカプセルだった。
……ううん、違う……入っているのは液体だけじゃない! こ、これは……!?
「え……なに、これ……動物や植物が……大きなカプセルの中に……うそっ、こっちには人間に、エルフまで!?」
これは、どうみても普通の研究施設じゃない。まるで漫画の世界に出てくるマッドサイエンティストの研究施設みたいな……い、一体どういうことなの!?
「うっ……うえぇ……!」
部屋の中に満ち溢れる、動物や植物たちの怒りや悲しみや憎悪……あの森のものに勝るとも劣らない、どす黒い感情が、部屋の中に充満している。
その感情を感じるだけで、気分が悪くなってきた。
「おや、どうしました? そんな驚いて、尻もちまでついて」
「スィヤンフィ様、ここは一体何なんですか!?」
「ここは私の実験施設ですよ。ここでは魔道具店で売っている魔道具の開発や、個人的な研究を行っているのです」
「じゃあ、この人達は……!」
「もちろん、私の実験サンプルです」
サンプル……? 動物や植物を使うのは聞いたことがあるけど、人の形をしているものを使うのは、許されない。
「人体実験は、国の法で固く禁じられています! これが発覚すれば、極刑は免れませんよ!」
「そこはご心配なく。この研究は、国の上層部の人間達も関わっております」
「は……?」
「今のだと、やや語弊がありますね。私の魔法で彼らの認識をいじり、私達のしていることは慈善活動と思わせておりますので、ご安心を」
てっきりこれは、スィヤンフィ様が暴走しているものだと思ってたけど、まさか国まで巻き込んでいただなんて……!
「こんなことをして、人間として心が痛まないんですか!?」
「ふーん……うーん……ふむー…………」
しばらく考えながらウロウロしていたスィヤンフィ様は、何か結論付いたようで、にこやかに笑ってみせた。
「いくつかの視点で君の質問を考えてみましたが、全く痛みませんね。彼らは生き物ではなく、サンプルでしか無いのだから」
スィヤンフィ様……良い人だと思ってたのに……蓋を開けてみたら、とんでもないマッドサイエンティストだった……ど、どうすればいいの?
「あっ……も、もしかしてあたしを実験のサンプルにするんですか!?」
「ええ。今すぐではありませんが……ハーフエルフは貴重な存在ですからね。そんな存在を見過ごすのは、あまりにも惜しい。だから、あなたに魔法で暗示をかけた」
「ま、魔法……?」
あたしが魔法に対して才能があまりないからなのか、魔法を使われた覚えが全く――いや待って。もしかして、たまにスィヤンフィ様の目が赤く光っていたのは、もしかして……!?
あ、あまりにも迂闊だった。あそこで気のせい? とか呑気なことを考えていないで、怪しんでいればこんなことには……!
「暗示って、なにをかけたんですか!?」
「アラン様に対して不信感を強く抱くように、そして他の人間よりも気分が落ち込みやすくしました。思った以上に効きすぎてしまって面倒だったので、先程調整をいたしましたがね」
「なら……アラン様にもなにか暗示をかけたんですか!?」
「…………」
どうして急にアラン様があたしに酷いことを言ってきたのかわからなかったし、あたしが信じられなくなったのも、スィヤンフィ様の魔法のせいなら理解できる!
やっぱりアラン様は、あたしを捨てるようなことをするはずがない――そんな甘い考えを否定するように、今まで饒舌に喋ってたスィヤンフィ様の口が、堅く閉ざされた。
どうしてそこで止めるの? アラン様にもなにか暗示をかけたんだよね? だから、あたしに酷いことを言ったんだよね? ねえ、そうだって言ってよ!
「あなたの期待に添えられなくて、大変心苦しいですが、私が魔法を使ったのは、ミシェル様だけです。此度の結婚を許可したのは、彼の意志です」
「う、うそっ……嘘だ! あなたはアラン様に魔法をかけたんだ! そうじゃなきゃ、あたしを捨てるようなことをするはずが……!」
「実験施設を見せたうえに、ここまで丁寧に話したというのに、そこだけ嘘をつくメリットは、私にはありません」
それじゃあ、アラン様の態度は、嘘偽りが無いものだったの……? もしかしたら、アラン様は魔法のせいでおかしくなってて、本当はまだあたしのことを……って思ってたけど……そんな甘い幻想なんて、あるわけないってことだね……。
「おや、そんな涙を流して……綺麗な顔が台無しですよ」
「放っておいてください……」
「……ふぅ。それで、いつまでそこで隠れて見物しているのですか。そろそろ出てきたらどうですか?」
「えっ……?」
「もう、どうして言っちゃうわけ? ノリわっるいわー」
ケラケラと、人を小馬鹿にしたような笑い声をあげながらあたしの前に出てきた女性の姿は、とても見覚えがあった。
ううん、見覚えがあるなんてレベルじゃない。あ、あの子は……!
「エリーザ、様……?」
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