そこは獣人たちの世界

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第三章

聖都食品店

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緊張のレヴィーアさんとの対面を終えてようやく一応の自由時間となる予定だったけど、とんでもない話を聞いちゃってもしかしてそれどころじゃないのかな…

「ねぇガロ、聖都での買いものとか、難しい感じ?」

「ん?あぁ、そうだな、今日のうちに済ませちまうか。7日以内にはのぼりはじめろって言ってたし、明日から5日間がっつり特訓してから登ることになる。今日くらいは買い物行ってもいいぞ?」

「うっ、そ、それはありがとうというか、いやな予感というか。」

「まぁそういうな。買い物ならいい場所を知ってる。いろいろ集まってる聖都の食品店だ。」

とりあえずはお買い物タイムしてもいいみたいだ。ガロに連れられるままギルドを出て大通りを進んでいく。このあたりはギルドに負けず大きい建物が多い。そのうちの一つが目的の食品店だったようだ。
王都くらいに大きい店だ。人もどんどん出入りしてる。ちょっと楽しみに入っていく。何も言わなくても入り口でかごを持ってくれるガロの優しさをかみしめつつ、人の流れ通りに中を進み始める。王都と同じように広く棚の間隔があけられてるから別に流れ通りじゃなくても進めるけど、せっかくだからね。
そしてまずは野菜類。だいたいベジタの町の産出で王都でも見たものばかりで代り映えはしないけど、補充した方がいいのはレタスとキュウリ、そしてトマトかな。よく使うから消費が早い。まだまだいっぱい入ってるから一気に大量に使わなければ10日は全然平気だろうけど。
野菜コーナーの次は果物コーナー。やっぱりリンゴは大量にいろんなところ産のリンゴがある。ただ王都と違ってセリーヌ産のリンゴが置いてなかった。パンに使うから買い足そうと思ってたんだけどな・・・

「セリーヌの町のリンゴ、おいてないんだね。」

「転移石を使ったからすぐに思えたかもしれないが、セリーヌと聖都は王都を挟んで真逆だからな。わざわざ仕入れたりはしないんだろう。リンゴを買い足すならヌット産のを買い足すのが一番無難なんじゃないか?」

「そうだね、そうするよ。」

ヌット産のリンゴならはずさないだろう。オレンジも桃もおいしかったし。それにしても果物も同じようなものかと思ったけど、一応王都で見たことないのも置いてある。ミカンに梨、そしてオリーブそのものだ。オリーブは王都で見たハスカップより数はあるけど値段は高い。ハスカップは置いてないし、代わりの高級品だなこりゃ。
ミカンと梨はおいしそう断尾で買い足しておく。どっちもヌット産なのに、王都に降ろしていないのは聖都での協約みたいのがあるんだろう。あんまりきにしちゃいけない。
あと一階は豆類とハーブ類で、王都で見なかったものは豆には落花生がハーブにはパセリとセージがうってたけど、買わずに一階は終了。気になるけど大葉とミントくらいでこと足りてるし、まぁラベンダーとかでハーブティー作ってみるのも悪くないかもだけど、王都にもうってたし。
そして次は二階、とおもったら地下もあるようだ。じゃあ王都よりも広いんだなこの店。で、地下にチョコレ-トが取り扱ってると階段横の看板に書いてある。

「下から行くか?」

「うん、そうしたいかな。」

「ちょっと冷えてるらしいけど、俺たちには関係ないもんな。」

同じく横の看板に鱗肌の方への注意で地下は冷えてると書いてある。人間でも気にはしないけど、蜥蜴種とか蛇種の人は急に寒くなるの苦手な人もいるんだよね。竜種にもたまにいるらしいし。神龍種の人にも急に寒くなるのだめな人いるのかな?一応鱗肌だし。
何にせよもこもこボディの狼種の体は暑いときついけど寒いのには強い。それでも地下に来ると確かに涼しくなったことを感じる。人間のままだったら肌寒いくらいの温度かな?
地下に一番に目に入るのは右の棚一列いっぱいのチョコレート、そして真ん中には大きいケース、左の棚は何やら瓶詰めの商品がいっぱい。なんだろうと寄ってみると、全部ジャムだった。ジャム、冷やしておいておくのか。
真ん中のケースも見てみると、凍らされているようで冷温注意の看板も張ってある。その中はアイスクリームが瓶詰めで入っていた。まさかの完成品の甘味。ミルクとクッキーミルク、そしてチョコレートアイスだけだけど、他の人の目当てはそれのようでみんな買っていっている。あと、王都でも見た棒アイスも売ってるようだ。そっちは手を付けられてないけど。

「なんだ、あれ?」

「アイスクリームだよ。棒アイスと違って柔らかいんだよ。」

「ほう、興味あるな。」

そう言ってミルクのをとろうとしたけど、ミルクアイスクリームなら僕でもがんばれば作れると思う。あ、いや、バニラエッセンスがないからバニラアイス作れいないなと作ってなかっただけなんだけど。

「ガロ、それならたぶん僕も作れるから、チョコのにしよう、そっちは難しいかも。」

「ん?そうか、分かった。ジャムはいらないだろうし、あとチョコレートだな。結構種類があるんだな。」

全部板チョコのようだけど、ざっと見ただけでもブラック、ビター、ミルクと包装されてない見本を見るだけで違うし、よく色を見れば調合量で細かに違っているようだ。悩むところだけど無難にビターの真ん中の奴とミルクの一番端の奴を買うことにする。

「それでいいのか?」

「もうこれは勘だね。食べてみないと味わからないから。」

「そんなもんだな。二階はどうする?」

「他のはまぁいいや。一番の目的は買えたし。それにチョコで早速お菓子作りたいんだよね。」

「そうか。じゃあいくか。」

チョコアイスとチョコレートを購入してガロのポーチに入れてもらったら、他の食材の精とならではのも樹にはなったけど、二階には行かずに食料店を後にして帰宅した。
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