そこは獣人たちの世界

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第三章

昇格試験受付

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朝起きればいつの間にかベットの上だ。正直ベットにまで来た記憶がないからまた運んでもらったんだろう。くすぐりの特訓が始まってからはずっとこうだ。というかお風呂場でするときはいつもか。
背中に包み込むような温かさを感じる。ガロが裸のまま抱き着いたまま寝てるんだ。ついでに僕も裸のままだけど。お腹のあたりに腕が回されてる。結構がっしり掴んでるからそっとではなくしっかり力を入れてどかして起き上がって寝室に置かれた服を着る。
ちらっとガロを見るけど起きる気配はない。いつもより僕が少し早く起きただけっぽい。日の高さもそうだけどだいたい7時起きなのが6時半だ。でもすでに朝日は登り始めてみえている。日の出てる時間が長いのは夏だからだろうな。昨日も30時くらいまで夕日で明るかったし。
このまま全裸で毛布もかけずに寝るガロを見てるのも悪くはないけど、先に起きたときは僕が起こすことになってる。でも珍しいな、ここのところ僕のほうが疲れて起きるの遅いくらいだったのに。もしかしたら寝たのが早かったのかも。寝たというか、意識を失ったともいえるけど。

「ガロ、起きて、朝だよー。」

「んん、ん?あぁ、もう朝か?っていつもより少し早いじゃねぇか。まぁいいか。」

ちょっとゆするとすぐ起きた。いやそうな顔しながらもガロも服を上下に着る。すぐに出かけるってことなんだろう。家に居続けるなら上の服は少しでも脱いでるはずだ。

「朝ごはんは?」

「軽くで済ませてギルドに行くぞ。あれだけキオが耐えられるようになったんだ。10日後のCランク昇格試験の受付をしよう。」

「10日後?日にちが決まってるの?」

「職員も多く動員する試験だからな30日に1回、定期的に行われている。」

そっか、職員が一人試験官になるんじゃなく、何人か動員するから定期的なのか。今までの昇格試験とは違うものってかんじがつよいな。

「王都意外でもCランクにはなれるんだっけ?」

「王都に来れない冒険者も少なくないから他でもやってはいるが、聖都とポートリアだけだからな。結局王都が一番いい。」

「あー、それじゃ王都で受付して王都でやるのがよさそうだね。」

「ま、そういうことだ。」

そんな会話を交えた後に下に降りたら、ほんとに軽くベーコンを乗せたパンを朝食にする。まぁ僕は1つだったのにガロは3つペロッと平らげてたけど。そしてすぐにギルドにと出発する。

「おそらく今日は人が多いだろうからな。早く起きれてよかっただろ。」

「え?なんで?」

「10日前からCランク昇格試験の受付開始だからだ。」

「あぁ、なるほど。」

まぁだいたい何時もギルドは人多いけれど、いつも以上に多いんだろう。たまにすごく多いなって日があったのはそのせいかな?そんなことを考えつつギルドにと到着。

「わかってると思うが、今日はキオが話すんだぞ。」

「わかってるよ・・・」

まぁ初めのころはちょっとくらいは緊張したけど、何度か僕が依頼を受けたりもしてさすがになれてる。別に大したことない受け答えだ。元の世界でちょっと経験ある接客と比べ物にもならない。
いつもよりも確かに少し人の並びも多いけど、並んで待つのももう慣れっこだ。ゆっくり自分の番になるまで待つ。スマホでもいじれればもっといいけど、そうもいかないからガロと他愛ない会話をしたり、ほんとボケーっと待ったりする。今日はボケーっと、というよりは昇格試験が10日後ってことはガロの訓練が厳しくなりそうだなと震えて待っていた。

「お待たせいたしました。本日のご用件は?」

「はい、Cランクの昇格試験の受付をお願いしたいんですけど。」

「かしこまりました。ギルドカードを提示してください。」

言われるままに自分のギルドカードを猫種の女性職員にと渡す。あまり見るのは失礼だけど、この人は人間風の胸の双球が育っている。雌の人には複乳の人もそこそこいるらしいけど、雄はほとんど人間と同じ二つらしいんだよね。ガロに聞いた話だから定かではないけど。
まぁ、別に昔から胸に興味があったわけじゃない。むしろ異質にでかすぎるとちょっと気持ち悪い。この人はそこまでではないけど、興味ないんだけど相手が座ってるからたまたま目に入るってのはある話だろう。

「何を見てるんだキオ?」

「何って?別に?」

「いや、お前、なんでもない。」

「ん?まぁいいや。」

話しかけてきたガロのほうを見たんだけど、もしかして僕が胸に目が言ってたのが気になったのかな?多分失礼だから気をつけろってことなんだろう。意識せず相手の顔を見てればいいよね。

「お待たせしました。Dランクのキオさん。確認いたしました。Cランク昇格試験の受付が終わりました。10日後の朝の6時にギルドへ集合してください。」

「わかりました。」

ギルドカードを返却してもらって列から外れれば、次の人に愛想よくまたお待たせいたしましたと受付を再開する。もっとランクを上げたになら、そのうち僕もあの受付仕事をすることになるんだよね。

「もうだいぶ時間の指定が当たり前になってるな。春の終わりごろに出たばかりだってのに。」

「もう夏になってそこそこだからね。僕としてはわかりやすくてありがたいよ。」

「そうか、キオは時間というのに慣れてるんだよな。俺としてはあいまいな方が少し遅れたり、早すぎたりしても気にならないんだがな。」

そうか、ガロの場合は大事なことに遅れるってのは少なそうだから早く着すぎることがあったのかな?確かに6時といわれて4時くらいから待ってるとちょっと周りから見ると変な感じだよね。
時間の概念がなければそういうのも気にならなかったのかな。まぁ今考えたようなあんまりにも早すぎることはなかったんだろうけど。それより少し遅れてもいいってのは確かにあっただろうな。
もしかしたらそこに困ってる冒険者は、僕が思ってるよりも多いのかもしれない。時間指定されても慣れてないと遅れるって元の世界でも聞いたことがあるし。でもギルド役員としては便利になった、と思いたい。
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