底辺VTuberのえん罪死刑転生、生前の理不尽さがポイント化されたので無双してきます

第93話 影を裂く救いの光

リアナは魔王モルゴスに襟元を掴まれ
無理やり持ち上げられていた。

彼女は必死に足をバタバタさせて抵抗しようとしたが
地面から完全に浮かされ
足は空を蹴るだけで
どうしようもない状況だった。

息苦しさと絶望が彼女を襲い
リアナは必死に力を振り絞ろうとするが
魔王の圧倒的な力に全く対抗できなかった。


モルゴスは不気味な笑みを浮かべながら
リアナの左脇腹に再び剣を振り下ろした。

鋭い一撃が彼女の脇腹を切り裂き
3本の肋骨が正確に断ち切られた。

リアナは苦痛に顔を歪め
息を詰まらせたが
モルゴスの手はさらに強く彼女を締め付けていた。


リアナの足先から
赤い血がポタポタと地面に落ち始めた。

切り裂かれた左脇腹からの出血が止まらず
彼女の体力は急速に奪われていった。

痛みと絶望がリアナを襲う中
彼女は必死に耐えようとしていたが
魔王モルゴスの冷酷な視線がその努力を
嘲笑しているかのようだった。



モルゴスは冷たい笑みを浮かべながら
リアナにさらに追い打ちをかけるように言った。

「どうだリアナ？
もし私が今
お前の骨盤を二つに切り裂いたら…
お腹に宿している生命も
ストンと地面に落ちるだろうな」

その言葉には残酷な嘲笑が込められており
リアナの絶望を楽しんでいるかのようだった。

リアナはモルゴスの残酷な言葉に恐怖を感じ
抑えきれない涙が頬を伝った。

彼女はお腹の中にいる命を守りたい一心で必死に耐えていたが
魔王の冷酷な嘲笑に
心が追い詰められていた。

恐怖と無力感が彼女を覆い尽くし
リアナの涙は静かに流れ落ちた。

モルゴスは冷酷な笑みを浮かべながら
リアナの涙を見下ろし
「この惨めな表情を
YouTube動画に投稿してやろうか？
他の勇者パーティの最期も見事な負けっぷりだったが
お前の方がもっと惨めだ」

と嘲笑った。

その言葉にさらなる屈辱が込められ
リアナは心が砕けそうになった。

モルゴスはリアナの苦しみを楽しむかのように
その場を支配していた。

その瞬間
リアナの耳に優斗の声が響いた。

Google Meet越しに
優斗は必死にリアナに呼びかけていた。

「リアナ！聞こえるか？
勇者様が！
レオンハルト様がここに駆けつけてくれたんだ！

だから
今から俺が君のところに行く！
もう大丈夫だ待っててくれ！」

優斗の言葉は
リアナに希望を取り戻させるかのようだった。

モルゴスの嘲笑が響く中
優斗の声はリアナの心に勇気を与えていた。

リアナは涙をこぼしながら
残された最期の力を振る。

震える指先を天に向けて掲げ
全身の力を振り絞った

「優斗様……」

その小さな声に込められたのは
必死の思いだった。

シャドウシフトの魔力が彼女の体から溢れ出し
優斗を呼び寄せるための転送魔法が発動した。

次の瞬間
影が揺らぎ
優斗の姿がリアナの目の前に現れた。


優斗はリアナの元に駆け寄り
彼女が魔王モルゴスに
襟元を掴まれて持ち上げられているのを見て
怒りに燃えた。

瞬時に動き
モルゴスの隙を突いてリアナを奪い取るように引き寄せた。

優斗はリアナをしっかりと抱きかかえ
彼女を守るようにその場に立ちはだかった。

「もう君を傷つけさせはしない」

と決意を込めた声で言い放ち
モルゴスを睨みつけた。

「優斗様……ありがとうございます」

「リアナ、もう大丈夫だ
俺がここにいる」