底辺VTuberのえん罪死刑転生、生前の理不尽さがポイント化されたので無双してきます

第90話 無力なる一撃

リアナは
モルゴスの侮辱に耐えきれず
怒りが爆発した。

「お前を殺すっ！」

と叫びながら
彼女は剣を振りかざし
魔王に向かって斬りかかった。


しかし
モルゴスは冷静そのものだった。

モルゴスは余裕の表情を浮かべながら
リアナの攻撃をいとも簡単に受け止め
鋭い剣さばきで応戦した。


「赤子のように非力だな？
聖剣士リアナよ」

モルゴスは冷笑を浮かべ
まるで彼女の怒りすら楽しんでいるかのように
攻撃を軽々とかわし続けた。

リアナの剣が激しく振り下ろされるたびに
空気が切り裂かれる音が響く。

しかし
魔王モルゴスはまったく動じることなく
余裕の表情を浮かべ続けていた。

モルゴスの黒いマントが揺れる中
彼の動きは滑らかで
リアナの剣をいとも簡単に受け流していた。

「しかし、それでも勇者パーティの中ではお前がナンバーワンだがな
聖剣士リアナよ」

と冷笑を浮かべながらモルゴスは言った。
嘲笑と侮蔑の嵐だった。

リアナの怒りはさらに燃え上がった。

彼女は渾身の力を込めて
再び剣を振り下ろすが
モルゴスは軽々とそれを受け止めた。

「通じないとわかっていて
いつまで続ける気かな？」

モルゴスは冷たく言い放ち
片手でリアナの剣を弾き返す。

モルゴスの力は圧倒的で
まるで彼女の攻撃が子供の遊びのように思えるほどだった。

「お前の仲間たち
殺される直前の顔は本当にひどかったぞ
お前も間違いなくそうなる」

モルゴスは挑発的に言いながら
剣を華麗に振り回し
リアナに反撃を試みた。

モルゴスの剣さばきは鋭く
リアナはかろうじてその攻撃をかわすものの
余裕のない表情を浮かべ始めた。

「まだまだっ！」

リアナは決意を込めて反撃しようとするが
モルゴスの余裕は揺るぎなかった。

モルゴスの笑みが広がり
まるで戦い自体を楽しんでいるかのように感じられた。

魔王モルゴスはリアナの剣を軽々と受け流しながら
ふと冷酷な笑みを浮かべた。

「そういえば
リアナ…お前は今
妊娠しているのだろう？」

「！」

「その子は私の指先で一瞬にして殺せそうだがな…ふふ」

リアナは驚き
一瞬動きが止まった。

モルゴスがその事実に気づいていたとは思いもよらなかった。

しかし
モルゴスは続けてさらに侮辱的な言葉を放った。



「しかも
その子の父親は
得体の知れない男…優斗とか言ったな？

お前の選んだ相手が
どれほどの価値を持っているのか
私には疑問だがな……」

彼は嘲笑を浮かべ
剣を一振りしてリアナに迫った。

リアナの心に怒りと不安が交錯したが
彼女はその挑発に負けず
必死に戦いを続けた。

「優斗様は…私のことをどこまでも思ってくれて
大切にしてくれる人
素敵な夫なのよ
彼を侮辱することは許さない！」

リアナはモルゴスの容赦ない侮辱に
胸が張り裂けるような悔しさを感じ
涙が目にあふれそうになった。

リアナは必死に感情を抑えようとするが
魔王の言葉が次々と心に突き刺さる。



「優斗様のこともっ！
仲間のこともっ！
私の大切なものをっ！」

リアナは涙を拭いながら
怒りに震える声で言い放った

それでも彼女は剣を握りしめ
モルゴスに向かって再び立ち向かった。

リアナは怒りと悔しさに駆られ
感情的になってしまった。

剣を振り下ろす攻撃は力任せになり
冷静さを欠いた戦い方になっていた。

彼女が得意とする影魔法

『シャドウシフト』もうまく発動できず
瞬時に影に溶け込んで
敵の攻撃を避けることができなかった。

リアナは必死にシャドウシフトを使おうとしたが
感情の乱れが集中力を奪い
魔法は不安定な状態で何度も失敗していた。

魔王モルゴスはその様子を見て冷笑しながら
「どうした、リアナ？
その影の魔法が得意ではなかったのか？」

と嘲笑を浴びせた。

リアナは何とか冷静さを取り戻そうとしたが
モルゴスの挑発が彼女の心を乱し続けていた。

リアナは
怒りを抑えきれず

（感情が抑えられないのだったら、むしろぶつけてやる！）

そして

『シャドウ・ストーム』

を発動した。

全身から漆黒のエネルギーが噴き出し
影が彼女の周囲に集まる。

次の瞬間
影から黒い稲妻が一斉に放たれ
雷鳴のごとき轟音が王の間に響き渡る。

影の電撃が複数方向からモルゴスを包み込み
激しい攻撃を浴びせかけた。

「これで終わりだっ！
死ね、魔王よ！」

リアナは叫び
影の雷がモルゴスに直撃するのを見た。

モルゴスの姿は稲妻に飲み込まれ
その巨体が一瞬揺らぐように見えた。

空間全体が暗くなり
黒い電撃がモルゴスを襲い続ける。

しかし
魔王は笑みを浮かべたまま
影の攻撃に耐えているように見えた。

「ふふ…これって？
お前の全力なのか？
真面目にやれ」

モルゴスは余裕の表情を浮かべながら
影の雷の中から声を発した。

リアナは全力で放った
『シャドウ・ストーム』の攻撃が
モルゴスにまったく通じないことに愕然としてしまった。

黒い稲妻がモルゴスを包み込んだはずなのに
魔王モルゴスは傷一つ負わず
まるで楽しんでいるかのように笑みを浮かべていた。

「そんな…どうして…？」

リアナの声は震え
手に持つ剣がわずかに揺れる。

これほどの力を込めた攻撃が無効化されるとは
彼女の心には絶望感が広がっていた。