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第66話 二人の誓い

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リアナは優斗の言葉を聞いた瞬間
驚きと喜びが混ざったような表情を浮かべた。

次の瞬間
彼女の瞳には涙が溢れ
静かに頬を伝って落ちていった。


「優斗様…」

リアナは涙を拭おうともせず
震える声で続けた。



「本当に…嬉しいです
私が…ずっと願っていたことが
こうして現実になるなんて…」

その言葉には
これまでの苦労や葛藤
そして彼への強い想いが込められていた。

彼女は涙をこぼしながらも
優斗に向かって微笑んでいた。

優斗はそんな彼女の姿を見て
驚きつつも心が温かくなるのを感じた。

何も言えないまま
ただそっとリアナの手を握り返した。

「リアナ…泣かないで
君の気持ちは
ちゃんと俺にも届いてるよ」

優斗は優しくリアナの手を包み込みながら
彼女をそっと引き寄せた。

リアナはその温もりに包まれ
さらに涙を流しながらも
安心したように彼の胸に顔をうずめた。


「ありがとう
優斗様…本当に…ありがとう」


彼女の涙は止まらなかったが
その瞳には深い感謝と幸せが輝いていた。


優斗はリアナが少し落ち着いたのを見て
優しく声をかけた。

「リアナ
少し休もうか
今は回復が必要だよ」
「はい」

リアナは涙を拭きながら
優斗の言葉に頷いた。

優斗は微笑みながら
彼女の肩をそっと抱き寄せた。

「大丈夫だよ
ミリアムがかけてくれた極寒を防ぐアイスプロテクションは
まだ3時間は効力があるから
しばらくは安全だ
今は体力を回復させることが大事だよ」

リアナはその言葉に安心したように息を吐き
優斗の胸に少し身を委ねた。



「…好きです。優斗様」

彼女はゆっくりと瞳を閉じ
優斗の温もりを感じながら静かに眠りについた。

3時間後
リアナは目を覚まし
優斗もまた目を開けた。

二人はお互いの目を見合わせ
静かな決意を共有するように頷き合った。


「さあ、行こう
深淵回廊を抜けて
地上へ向かうんだ」

優斗は立ち上がり
周囲を確認した。

ミリアムのアイスプロテクションの効果は薄れてきていたが
まだ寒気から彼らを守っていた。

リアナもまた
少し疲れが残っているものの
回復していることを感じ取っていた。

「優斗様…私たちは
必ず地上にたどり着きます。
もう一度
光の中で戦うために」

リアナの声には強い意志が宿っており
彼女の瞳は深淵の暗闇を見つめていた。

優斗は彼女の隣に立ち
肩を並べるようにして前方を見据えた。

「そうだね。
地上に出るのが俺たちの目的だ
深淵回廊は難関だけど
一緒に乗り越えよう」

二人は歩みを進め
冷たい空気が肌に触れる中で
深淵回廊の奥へと足を踏み入れた。

険しい岩壁がそびえ
道は複雑に絡み合い
どこまでも続く暗闇が彼らを包んでいた。

「この回廊は長いけど
どんな困難があっても乗り越えてみせる
俺たちには
地上に戻って
まだやるべきことがたくさんあるから」

優斗の言葉にリアナは頷き
二人の旅は続いた。

深淵回廊の終わりには
地上へと通じる光が待っていることを信じながら
彼らは共に歩みを進めていった。
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