底辺VTuberのえん罪死刑転生、生前の理不尽さがポイント化されたので無双してきます

第51話 怒りの刃

優斗は焦りの色を濃くして叫んだ。

「リアナ、早く！
このままだと本当に殺されてしまうぞ！」

優斗の言葉は
まるで命綱のようにリアナの耳に響き渡った。

彼の必死の呼びかけに
リアナは感動で涙がとめどなく溢れてくる

しかし

リアナは震える声で返答した。

「できません、優斗様…」
「え？」


「もしあなたをこちらに移動させたら
あなたも殺されてしまう…」


涙が頬を伝い
リアナの心には恐怖と絶望が渦巻いていた。


それでも
彼を危険な場所に引き込むわけにはいかないという強い決意がその言葉に込められていた。



優斗は強い口調で叫んだ。

「俺はそんなヤツに負けたりはしない！」
「！」
「リアナや勇者パーティを酷い目に合わせたヤツは絶対に許さない」

「……」
それでも
リアナは優しく微笑み
首を横に振って拒否した。


「リアナ、本当に殺されてしまうぞ」


リアナは涙をぬぐい
震える声で答えた。

「優斗様…それでも
私はあなたを死なせたくない…お願い
来ないで…あなたまで失うわけにはいかないの…」

リアナの声には愛と葛藤が入り混じっていた。

優斗を守りたいという気持ちが
リアナの決意を揺るがしていた。

「どうか、生き延びてください」

優斗は一度、呼吸を整え
自らを落ち着かせた。

そして
優斗は笑顔で

「リアナ、君に約束するよ」
「？」


「俺は死んだりはしない！ 絶対にあいつに勝ってみせる」
「……」

「そして君と一緒に生きてみせる！」

優斗の声には揺るぎない決意と
自信が込められていた。

リアナに対する深い想いが
優斗の言葉をさらに力強く響かせた。


優斗は強い声で言い放った。

「君を無事にそこから救い出す！」
「……」


「リアナ、信じてくれ。 君を一人にはしない」
「優斗様……」

彼の声には揺るぎない決意が込められており
その言葉はリアナの心に深く響いた。


リアナは静かに目を閉じた。

心の中で決意を固め
残された最後の力を振り絞って魔力を高める。

その魔力が体内を巡り
影の力が渦巻くように集中していくのを感じた。

「ありがとう、優斗様……」

リアナは涙ながらに小さくつぶやくと
全身に溢れ出す影の力を一気に解放し
シャドウシフトを発動した。


シグリッド・レイヴンは
眉間にわずかな苛立ちを見せながら
リアナに冷たく言い放った。

「聖剣士リアナよ、誰かと会話しているのか？」
「……」

「そんなことより
先ほどのような絶望に染まった表情をもう一度見せてくれ。
聖剣士リアナよ。
貴様が感じるその絶望こそ
私が求めているものだ。
その表情のまま
貴様の首を切断して持ち帰りたいのだよ」


次の瞬間！

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッズ！！！！

シグリッド・レイヴンは
ふと胸元に強烈な痛みが走った！


視線を下に向けると
自分の胸を貫く鋭い剣が見えた。

驚愕と共に振り向くと
そこには血走った目で怒りに
満ちた優斗が立っていた。


「貴様…！」

シグリッド・レイヴンは苦しげに言葉を絞り出すが
優斗の怒りの形相が彼の言葉を遮った。


「それ以上、リアナに触れるな！」
優斗の声には
憎しみと怒りが込められていた。

彼の全身から放たれる殺気は
シグリッド・レイヴンを一瞬で戦慄させるに十分だった。

優斗はさらに力を込め
シグリッド・レイヴンの体を押し倒すように剣を深く突き進めた。

その力強さと怒りは
魔王の配下であるシグリッド・レイヴンにとっても予想外のものだった。

シグリッド・レイヴンは初めて恐怖を感じた。