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第40話 氷点下

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その後
リアナとダリオン
ミリアム
セレナの4人は
昼夜の概念がない深淵回廊を進み続けた。

氷点下の厳しい寒さが彼らを包み込み
体力を削り取っていく。

道中

どれほど歩いても空の色や光の変化はなく
永遠に続くかのような暗闇が四方を支配していた。


足元には氷の層が広がり
踏みしめるたびに冷たい
感触が伝わってくる。


3日間という時間も
ここではただの数字に過ぎず


リアナたちは疲労と寒さに耐えながら
ひたすら歩き続けた。互いに励まし合い
時折リアナが魔法で暖を取ることで
辛うじて進む力を保っていた。



氷点下の深淵回廊を歩き続ける中
ミリアムが疲れた声で話し始めた。

「リアナ様、この寒さ
もう限界かもしれません…。
私たちは無事に地上に戻れるのでしょうか…?」

リアナは振り返り
優しく微笑んで言った。

「ミリアム、大丈夫よ。
私たちには互いがいるわ。
どんな困難でも乗り越えられると信じている。
もう少しの辛抱よ」

ダリオンが頷きながら言葉を続けた。

「リアナ様が一緒なら
どんな危険な道でも俺たちは進めます。
この寒さだって
あなたの言葉で少しは和らぐ気がする」

セレナはまだ痛みが残る右腕を押さえながら
決意を込めた声で言った。

「私もリアナ様を信じています。だから
何があっても諦めません。必ず地上に戻りましょう
一緒に」

リアナは再び前を向き
深呼吸してから静かに答えた。

「ありがとう
みんな。私も必ずこの危険な地底から
全員を無事に地上に帰らせると誓うわ。さあ
もう少し進みましょう」

互いに言葉を交わしながら
彼らは再び歩き出した。暗闇の中
互いの存在が光となり
厳しい環境を乗り越える力となっていた。

さらに1日が過ぎ
深淵回廊を進むリアナと3人は
冷え切った空気の中で足を止めた。
リアナは周囲を見渡しながら
静かに言った。


「少し休憩しましょう。
もう4日間も歩き続けているから
みんな疲れていわ」

ダリオンがすぐに反応し
真剣な表情で答えた。


「リアナ様
私たちは平気です。
このまま進みましょう。
先を急がなければ」

しかし
リアナは優しく首を振り
彼の言葉を制した。


「いいえ、ダリオン。
あなたたちは確かに強いけれど
無理をしてはいけないわ。
皆が疲れているのがわかる。
休息も戦いの一部よ」

ミリアムとセレナも
リアナの言葉に静かに頷いた。
彼女たちの表情には疲労が滲んでいたが
同時にリアナの気遣いに感謝の意が表れていた。

リアナは微笑みながら
皆に向かって続けた。


「ここで少し休んで
体力を回復させましょう。
まだ長い道のりが待っているわ」


ダリオンは少し躊躇したが
最終的にリアナの言葉に従い
剣を地面に立てて静かに座り込んだ。
他の二人もそれに倣い
冷えた岩に腰を下ろした。


リアナは皆が落ち着いたことを確認し
彼らの前に立ち
再び微笑んだ。


「大丈夫
私たちなら乗り越えられるわ。
少しの休息が私たちの力になる。
さあ、今はしっかり休んで
また歩き出しましょう」

リアナは皆が休息をとっている間に
ミリアムのそばに歩み寄った。

寒さに耐えながらも
その強い意志を感じ取ると
リアナは優しく声をかけた。


「ミリアム
お願いがあるの。
アイスプロテクションを使って
この寒さからみんなを守って欲しいの」

ミリアムはリアナの申し出を聞いて
すぐに頷いたが
リアナは続けて申し訳なさそうに言葉を続けた。


「魔力を使わせてしまって
本当にごめんね。
こんな時に負担をかけたくはなかったんだけど…」

ミリアムはリアナの謝罪を受けて
微笑んで答えた。


「リアナ様
気にしないでください。
私の魔法が皆の助けになるのなら
喜んで使います。
それにリアナ様がこうして
気遣ってくれるだけで十分です」

リアナはその言葉に安堵し
優しく微笑み返した。


「ありがとう、ミリアム。
あなたの力が頼りになるわ」
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