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第21話 絶望からの解放と再生

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俺たちが戦場の静寂に包まれている間
カインが口を開いた。

「優斗さん
まだやるべきことが残っています
街の人々を助け出さないと」

「そうだな、急ごう」

俺はカインに頷き
他の仲間たちと共に街の中心へと向かった。



街の広場には
拘束された人々がまだ縛られたままだった。

グリムズによって人々に
仕掛けられた体内爆弾がまだ残っており
皆、怯えた表情をしていた。


グリムズが死んだから
もう爆発する心配はない。

しかし、早く体内から爆弾を
取り出してやらないと
皆、不安でたまらないだろう。

俺たちは急いで彼らの元に駆け寄り
解放するための準備を始めた。

「安心してください
もう安全です
今から皆さんを解放します」


俺は人々に向かって声をかけ
仲間たちと一緒に一人ずつ縄を
解いていった。

拘束されていた人々の中には
子供や老人も多く
彼らの顔には疲労と恐怖の跡が残っていた。

解放が進む中
一人の女性が涙を浮かべながら
俺に感謝の言葉をかけてきた。


「本当にありがとうございます
私たちはもう
終わりだと思っていました」

「大丈夫です
これからは安心して暮らせます
街も再建しましょう」

俺は彼女の肩に手を置き
優しく微笑んだ。


カインも近づいてきて
俺に耳打ちした。


「優斗さん
爆弾の解除も急がないと
リンクデッド式の爆弾が
まだ作動中かもしれません」

「分かっている
爆弾の位置を教えてくれ」


カインは頷き
街中の爆弾の位置を詳細に
説明してくれた。

俺たちはその情報をもとに
手分けして爆弾の解除作業に取り掛かった。

俺は一つ目の爆弾に向かい
慎重に解体を始めた。

リンクデッド式の爆弾はグリムズの命と連動しているため
彼の死と共に爆弾が解除されることを確認した。

次々に解除される爆弾を確認しながら
俺は仲間たちの努力に感謝した。


「優斗さん
すべての爆弾が無事に解除されました!」

カインが報告してきた。


しかし
爆弾が解除されたといっても
人々の体内に残った爆弾を取り除く必要がある。

俺は人々の元に戻り
魔法を使って体内の爆弾を抜き取ることを決意した。


「みんな
今から魔法で体内の爆弾を取り除きます
安心してください」

人々は驚いて

「魔法で爆弾を?」
「はい、体内に埋め込まれた爆弾魔法を除去するための解除魔法です」

俺は集中し
戦力912万の恩恵で習得した

『エクスプロシオン・エクソシズム』

の呪文を唱え始めた。



青白い光が手から放たれ
人々の体に浸透していく。

光が爆弾を包み込み
次々と安全に体外へと運び出された。


「これで大丈夫です
もう爆弾はありません」

俺は笑顔を作って
人々の無事を確認した。


「本当にありがとうございます!」

人々は喜びと感謝の言葉を俺たちに向けてくれた。


「よし、これで一安心」

街の人々が次々と解放され
彼らの歓声が広場に響き渡った。

俺たちは彼らと共に喜び合い
この勝利を祝った。



「みんな、本当にありがとう
これからこの街の再建に取り組んでいこう」


街の人々を解放し
爆弾の解除も完了した後
俺たちは街の再建に向けて動き始めた。

しかし
まだ心に引っかかることがあった。

知り合いの武器屋
グレンの姿が見当たらないのだ。

「カイン、グレンを見かけたか?」


俺は不安を抱えながらカインに尋ねた。



「いや、見ていない
彼も捕まっていたはずなんだが…」


カインも困惑した表情を浮かべている。

不安な気持ちを抑えつつ
俺たちはグレンの家と店を探しに向かった。

武器屋のドアを開けると
店内は荒らされ
商品の多くが散乱していた。



「グレン!」

俺は叫びながら店内を探し回った。

しかし
返事はない。

カインが奥の部屋に向かい
しばらくしてから重い表情で戻ってきた。

「優斗さん…グレンが…」

俺は心臓が凍りつくような感覚を覚えた。

急いで奥の部屋に駆け込むと
そこには無惨な姿のグレンが横たわっていた。


「グレン…」

俺は膝をつき
彼の遺体に手を伸ばした。

彼は抵抗した形跡があり
最期まで戦ったことが分かる。

「なんてことだ…」


カインも目を伏せ
悲しみを堪えている。

グレンはただの武器屋ではなかった。

彼はいつも俺たち冒険者を支えてくれた信頼できる仲間だった。

その彼がこんな形で命を落とすなんて
耐え難い現実だった。



「グレン、必ずお前の仇を討つ
お前の死を無駄にはしない」


俺は誓いを立て
静かに彼の目を閉じた。

その後
街の人々と共にグレンの葬儀を執り行った。

彼の死を悼む人々が集まり
涙を流しながら別れを告げた。

「グレンさんは最後まで私たちを守ってくれました」

一人の女性が涙ながらに語った。

俺は彼女の言葉に頷き
グレンの意志を受け継ぐ決意を新たにした。


「彼の犠牲を無駄にしないためにも
これからの戦いを必ず勝ち抜こう」

俺たちは再び立ち上がり
グレンのためにも
そして街の未来のためにも
戦い続けることを誓った。

彼の勇気と献身は
俺たちの心に深く刻まれた。

そして
それが俺たちの新たな力となるのだ。
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