5 / 100
第4話 理不尽ポイント
しおりを挟む
俺は心のどこかで、ここにいる意味
そして新しい人生を始めるチャンスがここにあると確信した!
「俺にできることは何か?」
俺は心の中で根拠のない自信に満ち溢れがら自問した。
セオドア爺さんと別れた後
彼に勧められた武器屋へ向かった。
今すぐ武器が必要だと感じた。
街の中心部を歩いていると
ひときわ目立つ石造りの建物が見えてきた。
看板には「グレンの武器屋」と書かれている。
「よし、ここだな…」
俺はドアを押し開け、中に入った。
店内には剣や盾、弓や矢など
様々な武器が所狭しと並んでいた。
カウンターの奥には、筋骨隆々の店主が立っていた。
彼が俺に気づき、力強い声で声をかけてきた。
「いらっしゃい、何をお探しかね?」
「強い武器が必要なんです」
俺は少し緊張しながらも答えた。
店主は頷き、棚からいくつかの剣を取り出してカウンターに並べた。
「これらは全て高品質の剣だ。どれも戦いに適している。君の手に合うものを選ぶといい」
俺は一本ずつ手に取ってみた。
剣の重さやバランスを確かめながら、自分に合うものを探す。
しばらくすると、一振りの剣が手に馴染む感触を感じた。
剣を持ったこともない俺だが、これが何か意味のある出会いのような気がする。
それは美しい銀色の刃で、握りもしっかりしている。
「この剣がいいです」
俺は決意を込めて言った。
店主は微笑みながら頷いた。
「いい選択だ。 その剣は『銀の閃光』と呼ばれる名剣だ」
「へー」
「実は、その『銀の閃光』は魔王が長年、大切に隠し持っていた伝説の剣なのだよ」
「え? そんな物がどうしてここに?」
「勇者レオンハルト様が魔王討伐で、魔王の側近である漆黒の騎士団長ヴァルガスを倒した際に手に入れたそうだ」
「魔王の側近を!? すごい!」
「そう、勇者レオンハルト様は人間界最強なのさ。 で、レオンハルト様の使いが軍事費調達のために、うちに持ってきた。その時買い取らせてもらった物なんだよ」
「そうなんですね!」
「軽くて扱いやすいが、鋭さは群を抜いている。 まあ、しかし。みんな興味は持ってくれたが、誰も手に触れようとしなかったよ。 手に馴染まないと、かえって自分に危険だからね」
「ふーん」
「君がそれを選んだのは何かの縁かもしれん。 どうやら、しっかりと馴染んでいるようだ」
「確かに……」
俺は『銀の閃光』を軽く振ってみた。
確かにこの剣、俺の手と一体化したように振り心地がいい。
「ただ、ちょっと値が張るぜ」
「いくらですか?」
「49万ジュエルだ」
「49万ジュエル?」
(あれ? この世界の通貨ってどうなっているんだ?)
「君だったら、この金額、払えないこともないだろう?」
「え? どういうことですか?」
「うちの決済システムで君のクレジット信用スコアを見るとその金額は払えなくもないって判定している」
俺は首をかしげる。
「クレジット信用スコア?」
「クレジットカードを作るときに、審査が必要だろ?その時に使われる金融システムなんだ」
「……」
(なるほど、こっちの世界にもクレジットカードってあるんだ)
「これは君の支払い能力も確認できるのだ。何か高価なアイテムとか所有していないか?」
店主に問われると、俺は自分のアイテムボックスを確認する。
すると
『理不尽ポイント 1個』というアイテムがある。
(何だこれ?)
説明文を確認すると。
どうやら生前、理不尽な人生を送った人だけに与えられる特別なボーナスらしい。
(た、確かに..俺の人生は間違いなく、日本史上トップレベルに理不尽だったかも知れない...)
「よし。 使ってみるか」
そして新しい人生を始めるチャンスがここにあると確信した!
「俺にできることは何か?」
俺は心の中で根拠のない自信に満ち溢れがら自問した。
セオドア爺さんと別れた後
彼に勧められた武器屋へ向かった。
今すぐ武器が必要だと感じた。
街の中心部を歩いていると
ひときわ目立つ石造りの建物が見えてきた。
看板には「グレンの武器屋」と書かれている。
「よし、ここだな…」
俺はドアを押し開け、中に入った。
店内には剣や盾、弓や矢など
様々な武器が所狭しと並んでいた。
カウンターの奥には、筋骨隆々の店主が立っていた。
彼が俺に気づき、力強い声で声をかけてきた。
「いらっしゃい、何をお探しかね?」
「強い武器が必要なんです」
俺は少し緊張しながらも答えた。
店主は頷き、棚からいくつかの剣を取り出してカウンターに並べた。
「これらは全て高品質の剣だ。どれも戦いに適している。君の手に合うものを選ぶといい」
俺は一本ずつ手に取ってみた。
剣の重さやバランスを確かめながら、自分に合うものを探す。
しばらくすると、一振りの剣が手に馴染む感触を感じた。
剣を持ったこともない俺だが、これが何か意味のある出会いのような気がする。
それは美しい銀色の刃で、握りもしっかりしている。
「この剣がいいです」
俺は決意を込めて言った。
店主は微笑みながら頷いた。
「いい選択だ。 その剣は『銀の閃光』と呼ばれる名剣だ」
「へー」
「実は、その『銀の閃光』は魔王が長年、大切に隠し持っていた伝説の剣なのだよ」
「え? そんな物がどうしてここに?」
「勇者レオンハルト様が魔王討伐で、魔王の側近である漆黒の騎士団長ヴァルガスを倒した際に手に入れたそうだ」
「魔王の側近を!? すごい!」
「そう、勇者レオンハルト様は人間界最強なのさ。 で、レオンハルト様の使いが軍事費調達のために、うちに持ってきた。その時買い取らせてもらった物なんだよ」
「そうなんですね!」
「軽くて扱いやすいが、鋭さは群を抜いている。 まあ、しかし。みんな興味は持ってくれたが、誰も手に触れようとしなかったよ。 手に馴染まないと、かえって自分に危険だからね」
「ふーん」
「君がそれを選んだのは何かの縁かもしれん。 どうやら、しっかりと馴染んでいるようだ」
「確かに……」
俺は『銀の閃光』を軽く振ってみた。
確かにこの剣、俺の手と一体化したように振り心地がいい。
「ただ、ちょっと値が張るぜ」
「いくらですか?」
「49万ジュエルだ」
「49万ジュエル?」
(あれ? この世界の通貨ってどうなっているんだ?)
「君だったら、この金額、払えないこともないだろう?」
「え? どういうことですか?」
「うちの決済システムで君のクレジット信用スコアを見るとその金額は払えなくもないって判定している」
俺は首をかしげる。
「クレジット信用スコア?」
「クレジットカードを作るときに、審査が必要だろ?その時に使われる金融システムなんだ」
「……」
(なるほど、こっちの世界にもクレジットカードってあるんだ)
「これは君の支払い能力も確認できるのだ。何か高価なアイテムとか所有していないか?」
店主に問われると、俺は自分のアイテムボックスを確認する。
すると
『理不尽ポイント 1個』というアイテムがある。
(何だこれ?)
説明文を確認すると。
どうやら生前、理不尽な人生を送った人だけに与えられる特別なボーナスらしい。
(た、確かに..俺の人生は間違いなく、日本史上トップレベルに理不尽だったかも知れない...)
「よし。 使ってみるか」
29
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
弱小領主のコレクター生活~アイテムチートで冒険、領地運営をしながら最強領主に成り上がります~
瀬口恭介
ファンタジー
VRMMORPG『トワイライト』をプレイしている主人公『レクト』は生粋のアイテムコレクターである。
今日も元気にアイテムを集めていると、突然世界が崩れ始める。気が付くと、男の娘なアバター丸ごと異世界に転移してしまっていた。
しかも、その世界でレクトは領主という立場に設定されていて……
ゲーム内のアイテムを異世界で再現、使用し人間の国どころか他種族相手にも成り上がり! そしてゆくゆくは全ての国を手に入れちゃう!? 大胆不敵な異世界攻略物語!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しております。
※毎週土曜日更新中!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)
こばやん2号
ファンタジー
どこにでもいそうなごくごく平凡な男「小橋 大和(こばし やまと)」が
唯一の趣味と言っていいバーチャルオンラインゲームをプレイしている最中に
突然別の世界に飛ばされてしまう
いきなりのことに戸惑う男だったが
異世界転生ものの小説やマンガ・アニメの知識と
やりこんできたRPGゲームの経験を活かし
その世界で奮闘する大和と
その世界で出会った仲間たちとともに
冒険をしていくうちに
気付けば【勇者】として崇められ
魔王討伐に向かわなければならない始末
そんな大和の活躍を描いた
ちょっぴり楽しくちょっぴりエッチでちょっぴり愉快な
異世界冒険活劇である
借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件
羽黒 楓
ファンタジー
借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる