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第3話 VTuber異世界転生3
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「リアナ様は人間界で唯一の聖剣士。彼女がいない今、魔族がいつ攻めてくるか分からない」
「……」
俺は顔面蒼白になる。
(おいおい。この街どころか、人類全体がやばいだろ! 人類最後の希望が魔王に監禁されているなんてさ)
「皆、恐れているのじゃよ」
「それはそうでしょ!彼女を助け出す方法はないのですか?」
老人はしばらく沈黙した後、ゆっくりと答えた。
「助けに行く勇気と力がある者がいれば、話は別じゃが……」
「なるほど……いるのですか?その勇気のある人って」
「いない!」
「なるほど……」
「闇の帝国は恐ろしい場所なんじゃよ。魔王直属の都市国家じゃ」
老人の話を聞いた後、俺はしばらく黙って考え込んだ。
俺はどこに行っても悪運しかない、と人生諦めモードに突入するかと思いきや。
しばらくすると、生前によく体験した、どこからともなく根気のない自信が湧いてくるのであった。
決意を込めて拳を握りしめ、力強く言葉を発した。
「俺は北条優斗、冤罪で死刑になった男だ!」
俺はなんだか誇らしげに老人に向かって言った。
「な、なんと」
びっくりした老人は俺の目を見つめた後、希望ある表情に変わった。
俺は続けた。
「俺は再生回数ゼロの底辺YouTuberだった!」
「むう……」
「だけど、この異世界に来たのには、きっと何か意味があると思っている!」
「おお」
「俺は自分をやり直したい。無力な、そして底辺の自分から脱却して、本当の俺を見つけ出すんだ、リアナ様だっけ?……を救い出して、この街に再び希望をもたらしてみせる。それが俺の新しい人生の始まりだ!」
老人は俺の決意を聞いて、にっこりと微笑んだ。
「お前さん、本当に勇敢な心を持っているんじゃな。ありがとう、その気持ちだけで十分嬉しいよ。ただ、無理はしないでくれ。闇の帝国は恐ろしい場所じゃ。自分の身を守ることも大切じゃからな」
老人の言葉に俺は深くうなずき、決意を新たにした。
「ありがとう、必ず、リアナ様を救い出してみせます」
(俺はいったい何を言っているんだ?そんな約束してどうするんだよっ!?)
と葛藤するがまあ、俺みたいな底辺な人間もいずれ魔王と戦わざるを得なくなるよな。きっと。こっちでも冴えない人生だったな……
老人はにっこりと笑いながら
俺に街の歴史やエピソードを語り始めた。
「ここフロレンシアは、古くから魔法と剣術の両方が栄えてきた街なんじゃ。遠い昔、この地には強力な魔法使いと勇敢な戦士たちが住んでいて、彼らが力を合わせて闇の帝国の侵略を何度も退けてきたんじゃよ。街の名前『フロレンシア』は、繁栄と平和を象徴する言葉から来ているんじゃ」
老人は目を細めながら、続けた。「この街にはたくさんの英雄たちの物語があるが、中でも一番有名なのは『光の騎士団』の伝説だ。彼らは魔族と戦い、街を守り続け
「街を守り続けた。リアナ・ミスティアも、その光の騎士団の末裔で、勇者パーティの一員として戦っていたんじゃ。彼女の美しさと剣の腕前は、街の人々にとって大きな希望の光だった」
老人は少し寂しげな表情を浮かべた。
「だが、今はその希望が闇の帝国に奪われてしまった。街の人々は不安と恐怖に包まれているんじゃよ。リアナが戻ってくることを信じて待っているんじゃが、現実は厳しい」
「いろいろ、ありがとう。爺さん」
「いや、なあに」
老人はにっこりと返した。
「ところで、爺さんの名前は?」
「わしか?」
「ああ」
「セオドアと申す」
「ありがとう、セオドアさん。俺は行くよ」
俺はセオドアという老人の話を聞きながら、フロレンシアの人々の苦しみと希望をわずかながらも共有できた気がする。
それに現実を知った今、すごい絶望的なはずなんだけど。
生前の冤罪で死刑になるよりは随分とマシだ。
「……」
俺は顔面蒼白になる。
(おいおい。この街どころか、人類全体がやばいだろ! 人類最後の希望が魔王に監禁されているなんてさ)
「皆、恐れているのじゃよ」
「それはそうでしょ!彼女を助け出す方法はないのですか?」
老人はしばらく沈黙した後、ゆっくりと答えた。
「助けに行く勇気と力がある者がいれば、話は別じゃが……」
「なるほど……いるのですか?その勇気のある人って」
「いない!」
「なるほど……」
「闇の帝国は恐ろしい場所なんじゃよ。魔王直属の都市国家じゃ」
老人の話を聞いた後、俺はしばらく黙って考え込んだ。
俺はどこに行っても悪運しかない、と人生諦めモードに突入するかと思いきや。
しばらくすると、生前によく体験した、どこからともなく根気のない自信が湧いてくるのであった。
決意を込めて拳を握りしめ、力強く言葉を発した。
「俺は北条優斗、冤罪で死刑になった男だ!」
俺はなんだか誇らしげに老人に向かって言った。
「な、なんと」
びっくりした老人は俺の目を見つめた後、希望ある表情に変わった。
俺は続けた。
「俺は再生回数ゼロの底辺YouTuberだった!」
「むう……」
「だけど、この異世界に来たのには、きっと何か意味があると思っている!」
「おお」
「俺は自分をやり直したい。無力な、そして底辺の自分から脱却して、本当の俺を見つけ出すんだ、リアナ様だっけ?……を救い出して、この街に再び希望をもたらしてみせる。それが俺の新しい人生の始まりだ!」
老人は俺の決意を聞いて、にっこりと微笑んだ。
「お前さん、本当に勇敢な心を持っているんじゃな。ありがとう、その気持ちだけで十分嬉しいよ。ただ、無理はしないでくれ。闇の帝国は恐ろしい場所じゃ。自分の身を守ることも大切じゃからな」
老人の言葉に俺は深くうなずき、決意を新たにした。
「ありがとう、必ず、リアナ様を救い出してみせます」
(俺はいったい何を言っているんだ?そんな約束してどうするんだよっ!?)
と葛藤するがまあ、俺みたいな底辺な人間もいずれ魔王と戦わざるを得なくなるよな。きっと。こっちでも冴えない人生だったな……
老人はにっこりと笑いながら
俺に街の歴史やエピソードを語り始めた。
「ここフロレンシアは、古くから魔法と剣術の両方が栄えてきた街なんじゃ。遠い昔、この地には強力な魔法使いと勇敢な戦士たちが住んでいて、彼らが力を合わせて闇の帝国の侵略を何度も退けてきたんじゃよ。街の名前『フロレンシア』は、繁栄と平和を象徴する言葉から来ているんじゃ」
老人は目を細めながら、続けた。「この街にはたくさんの英雄たちの物語があるが、中でも一番有名なのは『光の騎士団』の伝説だ。彼らは魔族と戦い、街を守り続け
「街を守り続けた。リアナ・ミスティアも、その光の騎士団の末裔で、勇者パーティの一員として戦っていたんじゃ。彼女の美しさと剣の腕前は、街の人々にとって大きな希望の光だった」
老人は少し寂しげな表情を浮かべた。
「だが、今はその希望が闇の帝国に奪われてしまった。街の人々は不安と恐怖に包まれているんじゃよ。リアナが戻ってくることを信じて待っているんじゃが、現実は厳しい」
「いろいろ、ありがとう。爺さん」
「いや、なあに」
老人はにっこりと返した。
「ところで、爺さんの名前は?」
「わしか?」
「ああ」
「セオドアと申す」
「ありがとう、セオドアさん。俺は行くよ」
俺はセオドアという老人の話を聞きながら、フロレンシアの人々の苦しみと希望をわずかながらも共有できた気がする。
それに現実を知った今、すごい絶望的なはずなんだけど。
生前の冤罪で死刑になるよりは随分とマシだ。
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