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最終章 僕たちの未来へ☆

百里対ティエンシー

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百里とティエンシーの死闘が続いていた。
百里がP226の9パラを連射すると、身軽な動きでティエンシーはそれをかわし、MP5で同じように9パラをばら撒いて応酬する。
そしてこの二人には互いに共通する認識があった!

このアバズレ!
このクソガキ!

ぶち殺したくなるほど気にいらない!
二人共になんとなく…細い瞳などの輪郭が似ているし、姉弟ですか?と呼ばれてもおかしくないくらい顔が似ていた。
それがまた互いをイラつかせるのだ。

「全く僕がこの世でもっとも嫌いなのは、生意気な女だ。
全くこの世は男だけでいいのに、なんで女がいるんだ?
男だけ遺伝子操作で作れるようにすればいいのに!」

「バッカじゃないか?くそガキ!
女がいなきゃ子供が出来ないだろうが!
ひょっとしたらお前学校行ってないだろ!
まさか小学校卒業か?『笑』」

「フフ!僕は確かに学校なんか行っちゃいない!
貧民街の育ちだからね。
でも戸倉様が良い教師をつけてもらい学問は身につけたさ!
時には教養が必要な殺しの仕事もあったからね!
しかしアバズレだって育ちは悪そうだ!
おまけに頭も悪そうだしな。
ニーチェなんて聞けば、食い物だと思ってる輩だろ!『笑』」

「ツァラトゥストラはかく語りき!か?
悪いが私は大学で哲学を専攻していたのさ。
それに私はニーチェが大嫌いだったんでね!
でもお前の様な小汚い男娼からまさかニーチェなんて言葉が出るとは思わなかったよ!」

「………お前は本当に嫌いだ!流しに這い回る害虫より嫌いだ!
殺してやる!」

ティエンシーは顔色を変え、一気に猛攻をかけて百里を襲撃する。
凄まじい弾幕が百里の回りを襲い百里は思わずためらう。
瞬間、ティエンシーが百里の視界から消えた!
まずい!
そう考えた瞬間!
ティエンシーの蹴りが百里を襲い、百里はかわすもののP226を蹴り飛ばされた!

「終わりだアバズレ!」

ティエンシーが百里にMP5を構えようとした瞬間!
百里の右手が一閃し、隠し針がティエンシーの額を襲う。

くっ…

瞬間、ティエンシーが頭を動かし針をかわした瞬時!
百里の別の隠し針がティエンシーの右前腕を突き刺した!

「ぐわっ!」

思わずにティエンシーはMP5を床に落とす。
百里はこの機を逃さずティエンシーの首筋に暗器の針を突き刺そうとした瞬間!
ティエンシーの回し蹴りが炸裂してまともに喰らった百里は一回転して床に倒れた。

「ぐはっ…」
百里の口から血反吐が飛ぶ!
百里は右手の暗器針で返そうとしたが、ティエンシーの貫手が百里の右肘に炸裂して百里は思わず暗器針を落してしまう。
そして右腕は痺れて使いものにならない…
まずい…右腕が使えない…
ティエンシーは仰向けに倒れた百里に馬乗りになり左腕を右足で押さえると、ニヤリと笑い左手で百里の頸動脈を掴み、力を込めて締め上げた!

「があ…あがががっ…あっ…うっ…はぁ……………」

いっ…息が出来ない…
ヤバい…
殺される…

「ハハハハハハハ!
これで終わりだよアバズレ!
ゆっくりと…苦しんで…死んでいけ…『笑笑笑』
たっぷりと楽しんで殺してやる!」
ーーーーー
赤坂東警察署で、片瀬茜の元にヒカルが必死に喰らいついて説得を試みていた。

「片瀬さん。間違いないです。貴也と戸倉は白薔薇に戻っています。
僕らには分かるんです。
今すぐに警察の方を白薔薇にやって下さい。
そして僕たちも白薔薇に行かせて下さい!」

ヒカルは瞳から涙を流して必死に茜を説得していた。
しかし茜は首を縦に振らない。

「あり得ないわ!だって白薔薇は立ち入り禁止になっているのよ。
それに今は都内の爆破事件にてんやわんやで警察官の数も足りないのよ。
それにいくら戸倉でも白薔薇に戻っているなんて…
狂気の沙汰だわ!」

「じゃあ…僕たちだけで白薔薇に行きます。
僕たちもこの闘いだけは見なければいけないんです。
仲間がみんないるんです。」

「馬鹿をおっしゃい!
あなた達をそんな危険に晒せる訳がないでしょう!」

「片瀬さん。いいんじゃないすか?
俺がこの子達を守りますよ!
そうじゃねえと柴野が退院してきた時に怒られちまいます。『笑』」

言ったのは真山だった。
そして赤坂東署に戻ってきた沖田も真山に続く。

「俺も行きます。片瀬参事官。
真山と一緒に戸倉を逮捕しますよ。」

「真山刑事、それに沖田君まで…全く…。」

そこに茜の指揮下に有る婦人警官が現れて、茜に有る連絡があった事を報告する。

「本当なの?その報告は!」

「間違い有りません。救出された上杉綾人君、麻生和希君はヘリでこちらに向かっているそうです。」

「そうなの?上杉君と麻生君は無事なのね。
怪我は無かったの?」

「はい。怪我は無いようです。」

「そうか。良かったわ。
立花君。上杉君と麻生君は救出されたわ。怪我はしてないようよ。
もうこっちに向かってる。」

「そうですか!綾人と和希が良かった…本当に良かった…『涙』」

人質が二人だけ開放?そういう事は戸倉たちは二手に分かれたと云うことになる。
じゃあ…立花君の言う通りに…戸倉は白薔薇?

「分かった!私が全責任を取ります。沖田君。急いで空いてる警察官を総動員しましょう。
それから白薔薇に向かうわよ!
当然全警察官に拳銃使用許可!
発砲許可も出します。
立花君たちはここに…」

茜はヒカルの瞳をジッと見るとため息をついて。

「分かった!君たち全員来なさい。
でも…絶対に許可無く危ないとこに行ったら駄目だからね。
真山君、この子たちの護衛。しっかりと頼むわよ。」
ーーーーー
ティエンシーは百里の首を締め続け百里の瞳からゆっくりと光が失われて行く…
勝ち誇るティエンシー。

ハハハハハ!このアバズレ!
苦しみまくって死んでいきやがった!
しかしティエンシーは油断していた。百里のコンバットブーツには暗器の針が仕込まれていたのだ!
そして百里のとった手段!
ほぼ相手に死んだように見せかけてその瞬間の油断を狙う。
百里のコンバットブーツの先端から針が飛び出したと同時に、身体が柔らかい百里の足先の太針がティエンシーの延髄に突き刺さる!

「ぐっ…がががががっ…」

背後からの思わぬ攻撃にティエンシーが硬直した瞬間!

百里の左腕に暗記針が握られていた。

「地獄に落ちな!クソガキ!」

百里の暗器針がティエンシーの丹精な顔をした額を貫く。
ティエンシーは表情ひとつ変えずに…死んだ。

瞬間下の階から爆発音が響く。
ジュディやマモルと死闘を繰り広げていた木曽が手榴弾で自爆した音だった❗

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