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最終章 僕たちの未来へ☆

羅生島の戦闘!

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音成小夜は妙に15年前。
音成がまだ新人として「Mark8」で初めての実戦での作戦を思い出していた。
南米での作戦で私はまだ17歳だったな。
16でカザフの傭兵キャンプで一年近くの訓練をしてきた。
隊長は煉獄の魔女の異名を取り恐れられたクィンシー・ベラ隊長。
驚いた事に今はもう50も超えたのにまだ現役何だよな。
私が始めて戦場で撃ち殺した兵士。
金髪で逞しいイケメンだった。
先輩兵士の中国女のレベッカがたまたま軍属証を渡して来て名前を知った。
笑いながら初陣の記念だぜ!と手渡して来た軍属証を、震える手で受け取りながら見た名前。
トム・コーディとか書いてあったな。
今でも忘れないよ!
初めて殺した相手だ。
まだランディ、マルディ、ジュディらと知り合うはるか昔の事。

音成は敵を指揮する鹿島今日子がかつてトムの恋人だった事は知らない。

腕時計が20:00の数字を表記する。
作戦開始だ。
ランディ。頼むぜ!

ランディはネパール系イギリス人。
年は27歳で傭兵としてはもっとも油が乗り切っている年。
たまたまだがマルディとも同い年だった。
頭のネジの飛んだ爆弾使いのマルディとはあまり相性は良くないのだが、マルディもクィンシー総隊長と元副長の音成にだけは妙に従順だった。
さて私は愛用のグルカナイフを取り出すと、見張りの二人の男の背面に気配を消して接近して!
左手で口を抑えて喉首を掻っ切る!
プシャー!
赤い鮮血が飛び散るや否やもう一人の見張りが私を見た瞬間!
私はグルカナイフを飛ばして、ナイフはブーメランの様に回転して、見張り兵の心臓に吸い込まれていった。
まずは二人!

良し。ランディがうまく見張りを始末した。
私はサプレッサー付きのSG556を発射して縛られている少年達を見張る二人の兵士を5.56ミリNATO弾で射殺した。
うん!まだまだジュディには負けて無いな!

音成が少年たちに忍びよろうと走ると!

DA DA DADA DA DADA DA DA!

くっ…思わず岩陰に身を潜める音成。
ヅイレンがSG552を構えて音成を撃ってきた。
幸せそうな顔をしてほくそ笑みながら。
レザボア・ドッグスのミスターブロンドに似た表情で。
ただし来ているのは米軍払い下げの野戦服だったが。

「よお。姉ちゃん。待っていたぜ。
俺くらい歴戦の兵隊になると血の匂いで異変に気づくのさ。
だろ。鹿島さん『笑』」

「さすがだね。ヅイレン。
おい。貴様らアマゾネスどもの嬢ちゃんたち。
あんたらはひょっとしてMark8の兵士なんじゃないかい?
悪いが人質の坊やたちには首輪に小型の爆弾がセットしてあるのさ。
戸倉の旦那なら人質に傷はつけないが、あたしは人質の男娼共に感傷なんて無いんでね。
このスマホのスイッチを押せば遠慮なく坊や達の首は吹き飛ぶのさ。
この坊やたちの首と胴を生き別れさせたくなかったら、銃を捨ててこっちに来るんだよ。」

「銃を捨ててそっちへか?
行ける訳無いだろ。直ぐに撃ち殺されちまう。
それに私がMark8だとなぜ分かった?」

「ああっ…それはこの間のヒロとか言う坊やを攫う時に狐目の外人の小娘がいただろう。
動きや佇まいがMark8の兵士と同じ癖だったからね。
クィンシー・ベラの薫陶を受けた娘だって直ぐに分かったさ!」

「娘?あんたが会った相手はもう27歳だぜ。
小娘はないだろう。『笑』」

「あたしにとっちゃ小娘さ。
娘の様な年だからね。
それにMark8のガキどもなら生かしちゃおけない。」

「なあ…あんたはMark8に随分恨みがあるみたいだが、私達があんたに何かしたのか?」

「何かした。
ああっ…15年前。南米のバラガスでお前らMark8とやり合ってね。
お前らはこっちには動けない怪我人までいたのに遠慮呵責なく皆殺しにしやがった。
まあ…煉獄の魔女クィンシーは残忍な女だったからね。」

15年前?バラガス!
私が初陣の場所。
確かにクィンシー総隊長は敵を殲滅させるのには容赦無かったが。

「戦場だぜ!やらなきゃこっちが殺られる。
それが戦争だろう。それにバラガスの戦いは良く覚えてるよ。
私の初陣の地だったんだ。
それにあんたらの守っていたゼミラス将軍は貧乏人から搾取して、罪も無い若い女を大量に攫い、ハーレムにして面白半分に殺して喜んでるゲス野郎だった。
だからクィンシー総隊長はゼミラスとゼミラスを守る配下の兵士たちを皆殺しにしたまでさ。
私も初めて人を殺したよ。
17歳だったが相手はトムとか言う名の白人だった。
なかなかイケメンだったけどな。」

すると、相手の女の声が全く聞こえなくなった。
ランディはSPAS12のショットガンを構えながら、何故指揮官の音成が相手の指揮官の女と口喧嘩の様なやり取りをしているのかは理解していた。
少年たちの首に爆弾がセットされる可能性は実は計算済みだった。厄介なのは配線式の起爆装置だったが、幸いにもスマホを使った遠隔式の様だ。
ならば!時間を稼ぐ事。
その間にマルディがジャマーを使用して通信機器を一切使用出来なくするのだ。
すると塹壕の方から先程の女の声が聞こえた。
悪魔が闇の奥から底響きするような残酷な声で!

「そうかい。まさか…トムを殺した女に…こんなとこで出会うとは…ねえー…
運命ってのはあるもんだ!
フフフフフフフフフ!
ハハハハハハハハハハ!
キャハハハハハハハハ!
いいさ!じゃあ景気づけにガキどもの首は吹き飛ばしてやろう!
そうすれば貴様の作戦は大失敗さ。
まあ…お前らも皆殺しにはするけどねえ!」

「おい!鹿島さん。ガキどもを殺したらマズイぜ!」

ヅイレンもさすがに慌てて止めるが鹿島今日子の瞳には狂気が宿っていて止められない!
音成も事態の急変に気づいて思わずに叫んだ!

「分かった!今すぐに銃を捨てて出てゆく!だからその子達には手を出すなー!」

「うるさいねえ!Mark8。
私の腹の虫がガキどもの首を吹き飛ばしてやりたいのさ!」

そして鹿島はポールに縛られている綾人と和希に叫んだ!

「坊やたち。気の毒だが、お前たちの首に仕掛けた爆弾を吹き飛ばさせてもらうよ!
悪いが恨むなら、坊やたちを救いに来たMark8の魔女たちを恨むんだね!」

その恐るべき内容にショックを受ける和希と綾人。
そして鹿島の指がスマホにセットされた爆弾の起動アプリに指がかかる❗

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